分割キーボードが巻き肩と肩こりに最高過ぎる件
自分は高校生の時からPCを使い続けているので、30年以上はPCのキーボードを叩き続けています。もうそれはそれは色々なキーボードに触ってきまして、現在行き着いた先は分割キーボードなのです。
自分は肩幅が広いので通勤電車の座席に座ったときも、肩を抜くように前にすぼめて座っていました。気がついた時には酷い猫背に巻き肩から来る肩こり、そして40代の後半から五十肩も発症しまして痛みを堪える日々でした。
新潟に移住して通勤から解放されたこともありまして、2年ほど前から整体院に通って五十肩や猫背、巻き肩を直す施術を毎週受けてます。現在は五十肩は完治して、猫背やストレートネックも人並みに戻りました。整体は月に2~3度と頻度を減らしましたが、巻き肩はなかなか良くなりません。
当時、メインで使っていたキーボードはHappy Hacking KeyboardのHybrid-Sです。他にもREALCFORCEなどのキーボードも併用してまして、これらの打鍵感に不満は全くありませんでした。しかし、小さめのキーボードを使い続けていることが巻き肩によくないのでは?と思うようになりまして、一部の人が絶賛している分割キーボードを使う事にしました。
分割キーボードを色々と試してみる
分割キーボードは世の中では少数派なので、他の製品ほど選択肢は広くありません。英語配列ならば沢山の選択肢もありますし、自作キーボードという選択も可能です。自分はノートPCの選択肢を狭めるのがイヤで、英語配列から苦労して日本語配列ユーザーに乗り換えたので、英語配列ユーザーに戻すという選択肢はありません。
現行で購入できる日本語配列のFILCOのMajestouch Xacro M10SPです。これを新品で購入してしばらく分割キーボードを試してみました。これが巻き肩の矯正に効果がありそうだったので、理想の分割キーボードを探すようになりました。
Xacro M10SPはHappy Hacking Keyboardに慣れていると、カーソルキーの位置や中央部のマクロキーに違和感がありました。慣れやカスタマイズでミスタッチを減らすことも考えましたが、あまり変な使い方に慣れると普通のPCのキーボードが打てない人間になってしまいます。
効率を求めてカスタマイズしたりするのは若い時は楽しかったのですが、年齢を重ねると慣れるまで時間がかかるようになります。なので、このキーボードの継続利用は諦めて綺麗なうちに手放して買い替えます。
次に購入したのが台湾メーカーのMistel社のBAROCCO MD770です。これは新品がまだ購入できますが、今回は中古で購入しました。Enterキーの右側にキーがあるタイプのキーボードは苦手だったりしますが、それはブラインドタッチをマスターしてなくて、手のひら全体をバタバタと動かす様にキーを売っていると打ち間違いが増えるからです。
こちらのキーボードもHappy Hacking Keyboardを長年使っていた自分としては、カーソルキーの位置やDelとBSキーが兼用できないこと、ファンクションキーが不要ということもあって、早々に見切りを付けました。キートップの印刷、キータッチともに良好だったので非常に残念です。
MD770も手放して、次に買ったのが同メーカーの古いモデルのMD600です。これは配列がほぼHappy Hacking Keyboardと同じです。ただしキートップが視認性の悪い「墨色」で自分はこれが嫌いなのです。スイッチがCherry MXなので、これは交換用のキートップを入手して交換することで解決しましょう。
こちらはもう既に新品としては入手できませんので、メルカリやYahooオークション等に張り付いて中古品で購入しました。馴染めずに手放す層が一定数いるのです。プレミア価格を付けている出品者もいますが、普通の中古品としての価格で売られている場合も珍しくありません。
MD600はキーボード操作による設定で、左上の全角/半角キーをESCキーに変更したり、右下のキー群をカーソルキーとして使うことが出来ます。この設定変更を行うと、右下の4キーは常時カーソルキーになります。Pnと右下のCtrlキーは自分は使わないし、Fnは違うキーにマッピングし、残るアンダースコア(_)の入力をどうするか?に頭を悩ませます。
Micosoft謹製のPowerToysっていうカスタマイズツールをインストールし、右Shiftと上矢印を押した時にアンダースコアが出力されるように設定して解決。ちなみにバックスラッシュはBackspaseキーの隣の¥マークで同じ文字が出ますので問題なし。
これMD600がHappy Hacking Keyboardの日本語配列とほぼ同じになりました。BSキーとDelキーが同一キーで、Fnキーを押すことで使い分けるというのがMD770では出来なかったのですが、MD600では標準でそうなっています。
上記の写真のように使い始めて4ヶ月が経過しました。あと肩こりが殆ど起きなくなったし、巻き肩と猫背も進行しなくなりました。自分はマウスだと肩が疲れて重くなるので、KensingtonのSlim Bladeで長年愛用しています。これを分割キーボードの間において使ってますが、すこぶる快適です。
MD600は後述する難点はありますが、もう新品では入手できません。仕事用の予備も兼ねて、プライベートPCに接続するために追加で1台を中古で入手しました。仕事用は赤軸静音のモデル、プライベート用は赤軸のモデルを使っています。それぞれ視認性のよいキートップも中古で美品を入手して、適当に付け替えて使っています。
パームレスとはFILCOから分割キーボード用のウッドパームレストが発売されているので、SサイズとMサイズをそれぞれ1組購入して、左にSサイズ、右にMサイズのパームストを置いてます。分割キーボードはブラインドタッチが出来ないと入力効率が下がるので、Webの練習ソフトでブラインドタッチを改めて練習したりしてます。
MD600には問題もありまして、PCとのUSB接続が切れるとカーソルキー、ESCキー、Fnキーのアサインというキーボードマクロが効かなくなって誤動作します。ずーっとPCに繋ぎっぱなしにしておいて、PCをスリープから復帰するような使い方をしていても週に1回は接続が切れます。このときはキーボードをリセットして、再びマクロをセットします。全てキー操作だけで設定可能なので、1分も掛からずに修復出来ますが面倒といえば面倒です。
このような理由からMD600は持ち運びには向いてません。Bluetoothにも対応してませんから、据え置きで同じPCに繋ぎっぱなしで使うことが大前提となります。あと配列は特殊ですから、自分のようにHappy Hacking Keyboardの日本語配列に慣れた人間にはMD600が最高だった、という限定事例ですね。
分割キーボードのお陰で肩こり、巻き肩が解決しましたし、このキーボードに慣れても、普通のキーボードも普通に打てます。ノートPCを持ち出した時に、ノートPCの配列だと入力効率が落ちるのは自分は許容出来ません。英語配列や自作キーボードの誘惑はそれで断ち切っています。
MD600はもう新品では手に入らないという難点がありますが、2台あれば当面は使い続けられると思います。もうちょっと日本語配列の分割キーボードの選択肢が増えてくれるといいなぁ、と思いつつ、分割キーボードユーザーが普及活動に努めている理由が少し理解出来ました。