【解答】大学受験戦略論定期試験(これでわかる穴場狙いのコツ!)
<大学受験戦略論 定期試験>【やや難】
「学部」とは文部科学省に認可申請または届出を行って運営する教育組織であり、「学科」とは文部科学省に認可申請または届出を行って運営する最小単位の教育組織である。「専攻」とは各大学が独自に定めた教育組織区分であり、教育内容や目安となる人数を設定することができる。
大学受験をするにあたり、1学部複数学科制と1学部1学科複数専攻制がどのように影響するかを考察してみることにした。
ここに2つの大学が存在すると仮定する。募集人数は以下の通りであり、
・A大学文学部 入学定員100人 哲学科30人、日本文学科30人、英文学科40人
・B大学文学部人文学科 入学定員100人 哲学専攻30人、日本文学専攻30人、英文学専攻40人
※入学定員とは文部科学省に申請または届出している人数であり、学科の人数もまた同様に申請または届出を行っている。
本問において、志願者は全員合格レベルにあり、どの学生を選抜して合格させても大学の質に支障はないものとする。さらに、合格した志願者は全員入学手続きを行うものとする。また、文部科学省の基準により各教育組織の入学定員の1.1倍以上の入学者は禁止とされている(本問では、文部科学省における入学定員の基準は2022年度入試のものを適用する)。
問1(1問7点×6)
学生募集を掛けたところ、両大学ともに哲学科・哲学専攻に10人、日本文学科・日本文学専攻に40人、英文学科・英文学専攻に55人の受験生が志願した。
この条件において、大学経営の観点からより多くの学費徴収を行いたい場合、A大学とB大学はそれぞれ何人の合格者を出すのが適切か。A大学・B大学の両大学において、学部・学科・専攻の学費はすべて同額である。
A大学文学部 哲学科【ア】人、日本文学科【イ】人、英文学科【ウ】人
B大学文学部人文学科 哲学専攻【エ】人、日本文学専攻【オ】人、英文学専攻【カ】人
問2(23点)
<志願者数速報>(締切2022年1月27日[当日消印有効])
・A大学文学部 哲学科20人、日本文学科100人、英文学科100人
・B大学文学部人文学科 哲学専攻20人、日本文学専攻100人、英文学専攻100人
受験生XさんはA大学文学部、B大学文学部のすべての学科・専攻に興味があるが、最も合格しやすい学科・専攻を1つだけ受験したいと考えている。そのため、志願者数速報を閲覧しながら締切間際まで出願する大学を絞っていた。現在は2022年1月27日正午であるため、今から直ちに出願手続を行うことにした。現時点の志願者数速報からほぼ数値の変動が見込まれない場合、どの学科または専攻に申し込めばよいかを「大学名・学科名・専攻名(専攻名はB大学の場合のみ)」で答えなさい。
問3(35点)
当該設問全体を踏まえ、受験生の視点から志願者数速報を閲覧した際に留意すべきポイントはどこにあるかを考察する。学科と専攻の違いから、学科または専攻に志願者の偏りが大きい場合にどのような差異があると考えられ、実際の大学一般入試において合格最低点にどのような影響を与えると想定されるかという観点から200字から400字の間で記しなさい。
たとえば、立命館大学産業社会学部などでは専攻制をとっているため、特定の学科の受験生が少なくても他専攻に多くの学生を入れてしまえばよいのです。ゆえに、合格最低点は平準化することができます。反面、日大文理学部のように学科制の場合は他学科に振り分けるわけにはいかないため、極端に難しい学科と易しい学科ができやすく、どこの学科でもいいから入りたい受験生にとっては狙い目となります。穴場を狙うのであれば学科制の大学がオススメです。