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アンチ学歴厨、ワカッテ叩く前に企業を叩けよ。

龍谷大学の教員が、龍谷大学でwakatteTVの取材を受けた学生から学歴をコケにされたことを聞き、ワカッテに対して批判的な言説を述べたらバズったという話が先日ありました。それに対して高田ふーみんも反論しているような構図で、両者に対して様々な意見がついている、という現状です。
かくいう私、学歴厨に見えてそんなに学歴厨じゃない疑惑がありますが、比較的リアルではそういう人間ですね。大学、受験、浪人、教育などの学歴周辺知識は十分ですので語るネタはありますが、序列がどうだー、みたいな高校生・浪人生的学歴論はそこまで好きではありませんし、かといって徹底的なアンチでもありません。

前者の高校生的な学歴厨は、今の興味関心がそこにあるのは当たり前のことであって、大学3年生が就職に躍起になるのと同じことです。私から見たら大学生の分際でcore30ガーみたいなこと言ってるのは気持ち悪いですが、でも世の中の大人は企業情報を集める大学生にそこまで批判的じゃないですよね。批判的なのはせいぜい大学教員ぐらいのものでしょう。
逆に、学歴に対するアンチテーゼを掲げる人、そこには学歴が嫌いというより「学歴ネタが嫌いな高潔な自分が好き」という匂いが鼻につきます。私、オーケストラ経験者だからわかるのですが、オケ経験者は同じ音楽である吹奏楽を暗にバカにしていて「オーケストラをやっている高潔な自分が好き」感が漂ってきますし、半年もオケに居れば誰しも感じる瞬間があります。それと同じなんです。

と言っても否定してくるでしょうから、敢えて言いますが、ここまで根強く学歴の話題が世にはびこっているのは何故でしょうか。それは、学歴が多くの人にとって利益になりやすい項目だからです。
わかりやすいのは新卒の就職、学歴フィルター、学閥、古典的大企業での出世などですね。日東駒専相応の人がそこまで仕上げてから、さらに早慶に受かるには2000時間ぐらいかかると思いますが、サラリーマンで言えば1年分の労働時間です。たった1年間、社会人になるのを遅らせて早慶に受かれば大抵の企業にフリーパスという極めて利回りのよい金融商品です。
理系にとっても、名門大学ほど研究施設・予算・教員が比例的に充実(文系は当てはまらない)していて、学歴による十分なベネフィットがあります。

理系の研究は高校までで習った内容をそのまま延長上で使うため、ある程度の積み上げがないと話になりませんが、文系の営業(笑)に高校や大学の勉強がそのまま当てはまることはなく、営業成績だけで見ればそこに学歴の相関性などまるでありません(それでも出世や昇格では高学歴有利ですが)。
つまり、企業側が直接的に相関のない要素で人材採用をしているから、学生や保護者は学歴をつけさせようとする、序列化する、こうやって特に行き過ぎた考えを持てば持つほど学歴厨になるわけです。根っこは、企業の新卒採用にあると断言してもいいでしょう。

ならば、アンチ学歴厨が最も批判すべきは大企業であるべきなのですが、当然に大企業に自分たちの声など届くはずもない。少し出過ぎたことをすれば大企業パワーで訴えてくるかもしれない。要するに、勝ち目がない相手に対抗するのは面白くないので、語気が粗く目立つYouTuberを批判して、代替的なカタルシスを得るという、極めてダサい行為をしているわけです。
大企業に牙を向けて、ついでにwakatteも叩くような人であれば、私と考え方が異なっても一家言ある人と認識して支持しますけどね。

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