【世間の誤解】ボーダーフリー大学と経常費補助金の関係性
今回はCASDICE TV塾長で知られるコバショーさんが発信した「ボーダーフリーの大学について思うこと」に着想を得てnoteの記事にしました。まずはこの場を借りて小林先生に感謝を申し上げます。
コバショーさんの大学論や学習塾論は非常に私も参考にしており、優れた見識をお持ちの方であると認識していますし、今後もその印象は変わらないように考えています。
まずは、コバショーさんが原則「ボーダーフリー大学」という言葉を使用していることについては同感で、私のnote、ツイッターでFランクという言葉を使用したことはほとんどないはずです。
[理由]
・あくまでボーダーフリー大学が正しい言葉であること
・インターネット上でDランクみたいな、どの予備校も使っておらず、かつ統一的ではないランキングがあることから、Fという言葉をABCDEFと勘違いしている層が多く、Fランクという言葉はその誤解を助長させること
・塾業界などにも長く接している中で、最大手である河合塾が毎年膨大なデータから決めているランキングに対して軽く扱う印象を受けること
・該当しない大学を包含してしまうことはその大学の名誉を大きく汚すことになってしまうこと
次に、これについてはコバショーさんも以前からインターネットにわか大学論者と概ね同じ方向性ですが、ボーダーフリー大学の存在意義について否定的であるという点です。理由を集約すると以下の内容です。
・学生の4年間の時間を消費している
・保護者が経済的な負担を強いられている
・国の税金(私立大学等経常費補助金)が投入されている
理由についてもインターネットにわか大学論者と概ね方向性が同じです。ただ、ここについては一つだけ指摘をさせていただこうかと。皆さんが一番の論拠にする点、私立大学等経常費補助金が投入されているのではないかという件です。
河合塾の定めるボーダーフリー大学は大半がこの定員充足率50%以下の学部に該当しますので、つまりは補助金が不交付で、国からの拠出は行われていないことになります。私立で、税金が不交付で、大学を持つ学校法人側と保護者を含む学生側の需要と供給が成立しているからその大学は存在しているわけです。
これって他人が口を挟める話なのかと。近所にスーパーマーケットが多いと国や自治体が閉鎖命令出すんですか?出しませんよね。つまり、民間企業に言い換えれば、需要と供給が経営を成り立たせる程度にはマッチしているから存続しているわけです。成り立たなくなれば自然淘汰されるのは大学も変わらないわけで、周囲が口出しをする大義名分はどこにもないように考えます。
博識と思われる方の発信やメディアでもこのような論調がある中、世間のにわか大学評論家が知らないのは仕方ないことかとは思います。だからこそメディアや界隈の影響力を持つインフルエンサーは正しい情報を伝えていき、それをもってまた、口出しをしないべきと考えを改めるのか、いやいや別の観点でやはり存続に否定的であるなど、正しい知識に基づいて発信されるのは結構なことです。
余談ですが、この言葉ができた23年前から非常に議論が盛んなところに冷水ぶっかけて申し訳ないのですが、河合塾の出すボーダーフリー学部に入学している現員(実際の人数)を推測でもいいので足してみてください。または定員数の半分と仮定して全国分足してみましょう。念押ししますが大学数ではないですよ、該当する学部学科の現員の推定ですよ。恐らく、全国大学生の2%ぐらいではないかと予測します。
個人的には、大学生のうちの2%程度の人間について、こんなに長年、しかも多くの人が、税金の負担もない案件に議論を重ねることではないように感じます。率直に言うと、面白おかしく馬鹿にしたいから、もっともらしい理由をつけて議論しているのではないのですか?と邪推したくもなるのです。