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感傷的な夜に

酒の力。は偉大だ。人間が酒というものを嗜好するという文化に拍手したい。

お酒が飲めない人だと思っていた。何となく誰かからそう聞いていたからだ。事実は噂にしか過ぎず 実際会ったら楽しくお酒を交わすことができる人だった。少しばかりの酔いに身を任せて、少し浮いた気持ちで手を繋いで帰った。

酒の力は偉大だが、心の通っていないものに心を通わせるほどの力はない。それは故意的に通わせていなかったのかもしれない。

ふと気付いた時 金木犀の香りがした。自分にとって金木犀の香りに思い出はない。ここは1つ、彼と手を繋いで歩いている今を金木犀の思い出にしよう。

少し寂しい秋の思い出に

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