作って着て捨てるまでがワンセット 服作りのマニアックな楽しみ
服を縫うのが好きだった。
小学生のころ、リカちゃん人形の服を縫って遊んだのが始まりだ。
布の端のロック始末がいらないフェルト生地を適当に切り、手縫いでちまちまと縫い合わせる。
出来上がったのはワンピースとも布袋とも見分けのつかないものだったけれど、完成したときの達成感は大きかった。
10代になってからは、自分の服を作るようになった。
腰回りがきついパンツ、肩周りがやたらいかついジャケットなど失敗作も多かったけれど、服飾の専門学校で服作りのコツを覚え、ここ10年間は最低でも一年に一着は服を縫っている。
生地を裁断し、芯を貼り、バラバラのパーツを縫い合わせると立体になるところに、プラモデルを作るような面白さがある。
言葉でうまく説明できないけれど、作りながら「これがこう繋がるとこうなるのか!」と仕組みを理解する瞬間がグッとくる!
さらに、どこまでもマニアックに素材にこだわれる点もたまらない。
たとえばコットン100%でも織り方によって風合いや伸縮性、シルエットの出方がまったく変わる。
数回洗濯した後の肌触りまで想像しながら選んだ生地で縫った服は、着心地も耐久性も抜群だ。
「この素材を掘り当てたわたしって天才!」とニヤついてしまう。
理想の生地を見つけ、それを服に仕立てることで、わたしにとってその服の価値の大半は達成される。
だから、「服を着る」という行為は、いわばオマケみたいなものだ。
そして、着倒して満足したら未練なく捨てられる。
自分で作る服だからこそ、そうした潔さが持てるのかもしれない。
ただ、去年は一着も縫わずに終わってしまった。
カーテンの丈詰めや横幅直しはしたものの、服を作るには気力も体力も足りなかった。
今年こそは、もう一度服作りの楽しさを味わいたい。
まずはソーイング本を新調しようと思う。
気になっているのは『月居良子のドレスシャツ』という本。
シャツやブラウス、ワンピースやベストのパターンが載っているそうだ。
ネットで目次を見たけれど、やっぱり紙の書籍で作例をじっくり確認したいなあ。
今年はどんな生地を選び、どんな一着を作ることになるのかなー?
2年前は夫に麻のシャツを縫ったけど、丈が微妙に長かったらしく、あまり着てくれなかった。
ドンマイ!