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国内旅行体験記 #1

2021.7.30

オープンして間もないホテル。
場所は知っていたが、入口は本当にここなのだろうかという程シンプルな入口のため、宿泊客でも入るのを一瞬ためらった。
ドアの向こうにはエレベーターのみ。
フロントのボタンを押してうぃーんと上昇。

エレベーターのドアが開くと、シックで落ち着いた上品なロビーが目の前に広がった。お洒落。
フロントの前にコンシェルジュらしきナイスミドルの方がいて、チェックインを誘導してくれる。

え、あ、こっちですか。

フロントの前かと思いきや、その隣に設置されている大きな茶色の台の前に案内された。

タッチパネルの画面が嵌め込まれた、大きな石碑のような台。
ドラクエの神殿にありそう。主人公はここで石碑に書かれた文字を読むだろう。

石碑(←違う)の上部は斜めになっているので、画面を覗き込まずに操作できる。
チェックインを済ませると、鍵の受け渡しはフロントで行うらしい。
朝食会場の説明を受け、部屋へ上がるエレベーターを教えてもらう。
先ほどのナイスミドルが「こちらウェルカムドリンクになっておりますので、ご自由にお取りください」と案内してくれた。
紅茶のティーバッグが5〜6種類揃えられている。

1つですか、か、
2つ取ってもいいですか、
というようなことを聞いた気がする。
快くOKをもらったけれども、全種類1つずつには手が出せなかった。
ラグジュアリーな雰囲気とか高級感はそういうところで人を高貴に自粛させる力がある。

部屋に入ると、最新のスタイリッシュ空間。
コンパクトな空間に一切の無駄を排除してゆとりをプラスしたようなシンプルさ。

無駄を排除すると、ついに洗面所までなくなるらしい。
今までクローゼットがなくハンガーが壁にかかっている形式はあったが、洗面台が部屋と一体化しているパターンは初めてだ。

ライトやコンセントの部分にはイラストと英語表記が併記されている。
これだ。これなんだ。
毎回部屋が真っ暗になったり足元が明るくなったり自分で怪奇現象を起こす原因は、見た目でどれがどのライトかすぐに分からないからなんだ。
オリンピックでピクトグラムが脚光を浴びたように、イラストの力は世界共通だと思う。ありがたい。

シャワールームとトイレはガラス張り。
多分、部屋の狭さを感じさせないアイデアだと思うが、一人だと落ち着かない気もする。
シャワールームの方にブラインドがついていて、水濡れを心配した。

外にあった方が濡れなくて良いのにな。
いや、外にあったら意味ないか。すぐ思い直した。

冷蔵庫にはなんとチョコレート。
「ナイトチョコレート」というなんとも小粋な振る舞いに、小躍りしてありがたく頂戴する。
最初ナイスチョコレートと読み間違えてしまい、「ナイス!確かに!」と思った。すぐ思い直した。

そしてあるとは聞いていたが、マッサージチェアがあった。
これか。よし、使ってみよう。

おもむろに座ってリモコンを眺める。
背中と足の角度が変えられるらしい。
うぃーんと少し体を倒し、足の方を上げてみる。
足が上がるだけで既に気持ち良い。

ボタンを押す。
うぉんうぉんうぉんとローラーが動き出した。

うむ。ふむ。なるほど。うん。あー肩肩肩。そうそう肩肩、首もあるんや、首いいね、ふくらはぎもなんや、わー贅沢、背中ね、はい、背中ね、腰もきくわー。はい肩肩肩。

これが気持ちよく感じるという世代になったんだなぁ。
昔、祖父母の家に置いてあったマッサージチェアはただ痛かった記憶しかない。
ああ、とりあえず気持ち良い。

ふわーとした感覚で終了。気に入った。
後でもう一回使おう。

階数が高かったので、見下ろす夜景も綺麗。
夕食を済ませて戻ると、ロビーにたくさんの人がいた。
さっきは偶然人がいなかったらしい。景気が下向かないのは良いことだ。

翌日。
朝食会場はさらに上層階にあり、おまけに窓辺の席に案内してくれたため、眼下に朝晴れやかな景色を見渡すことができた。
また朝食も素敵。
バイキングではなく、一人ひとりの分を調理してくれるというスタイル。
絶妙なふわふわ卵。何この非日常感。

満足の一泊だった。
あのマッサージチェアもう一度使いたいなぁ。
でも、部屋によって置いてあるマッサージチェアが違うらしい。
行かれた方は是非。

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