里桜(りおう)

「通勤中の電車で何となく読んでくれた方がふっと唇の端を少し緩める程度の笑い」をモットーにエッセイしています。 おもしろきこともある世にすべく、ひとときの貢献を。

里桜(りおう)

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マガジン

  • 国内旅行体験記

    いろいろなホテルに滞在したときの一コマを書いています。

  • 救急車体験記

    昔、救急車で運ばれた時の思い出です。

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「MBA×NPO×○○への道」#6 書く私の志

「タイトルありきで書き出しちゃったんでどうしようか考えてるんですよねー」 と人に問うと、 「じゃあ『MBA×NPO×○○への道』っていうのどうですか?」 「あ、それいいっすね」 ということであっさりタイトル変更。 何になるかは人生未定。 ただ、いつ書いたか分からなくなるので番号だけは振っておこうと思う。 仕事に関わる人と話をするなかで、事業に対する思いがそれぞれに異なることを知った。 そこから、いろいろなことに思いを馳せている。 どんな組織でも、そこに人が集まれば人の数

    • 「MBA×NPO×○○への道」#7 経営企画という仕事

      2021.3.11 clubhouseで聞いた経営企画の話で、 前職を思い出した。 初めて経営企画部に入った頃、隣の部屋の常務(当時は取締役だったかもしれない)に呼ばれ、何気ない世間話のような始まりから、 「前から経営企画を作ろうと思っとったんや。 あんな、電車に乗らんでええ。 みんなが乗る電車のレールを作れ。 みんなに『2時や』って言わんでええ。 誰が見ても2時やと分かる時計を作れ。 これは誰の仕事なんや、どこの部署の責任やとか考えんでええ。 誰かの仕事やったら後

      • 国内旅行体験記 #9

        2021.3.8 書けば長くもなるし長くなるほどたいそうな理由もないが、とにかく先日、泊まることになった。 ネット予約したホテルへ向かって、てくてく歩く。 左手に見えてきた。おぉ、こんなとこにできたのか。ここは確か駐車場じゃなかったか。 コロナだ何だと言われつつ、建てたホテルもあるのだな。 1階はガラス張りのラウンジらしき仕様。カフェ仕様でお洒落感満載。 入口がない。入口。入口。 ラウンジを眺めながらホテルを通り過ぎるくらいの角にようやく入口発見。 フロントに行くと

        • 国内旅行体験記 #8

          2024.1.15 東京。 ひとくちに東京と言っても広い。 広いから、日本橋と東京駅の間が歩いて行ける距離なのかわからない。 しかし、地図を見る限り日本橋から徒歩圏内のホテルなら、何だか地下鉄に乗るのは面倒そうな気がする。 翌日の目的地が通り道にある。 よし、歩いてみよう。 かくして東京駅に到着し、ビョオオオォォォと強風吹き荒れる夜道を歩きながらホテルへ向かう。 結構遠いぞ、目的地からホテルまでの道。 スマホを頼りに橋を渡ると、その先が工事中で通行止めらしい。 迂回す

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        「MBA×NPO×○○への道」#6 書く私の志

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        • 国内旅行体験記
          9本
        • 救急車体験記
          6本

        記事

          何でもない記念日

          2008.9.26 残しておきたい自分の心があって、書いておこうと思う。 友人から昨日聞いた話は唐突で、確かに驚いた。最初は何のことなのか、思いつかなかった。 自分でもそう思っていたフィルターの向こうで、困っている人がいるということを想像したことがなかった。 いろんな人のことをありのままに見てきたつもりだったけど、 実際のところはそうではなく、 自分が勝手に「あの人はこうだ」と考えていたり、相手が内面を隠し、あえて他者に見せている部分を見ていたり、というのがとても多い。

          何でもない記念日

          国内旅行体験記 #7

          2023.11.4 東京の宿泊事情を甘く見ていた。 一泊の予定は決まっているのだから、 予定が決まった時点で宿も早めに予約すれば良い。 それを理解することと行動を起こすことは往々にして別のメカニズムがはたらく(要は何となく面倒くさい)。 ようやくホテルを探し始めたとき、目的地周辺のホテルを検索して驚愕した。高い。高すぎる。 沿線ぞいにもう少し範囲を広げて探す。高い。東京高い。 これ以上安いところはなさそう、と諦めて山手線エリアで予約。 東京素人には乗換えが分かりやすく

          国内旅行体験記 #7

          国内旅行体験記 #6

          2017.11.16 宿がない。 泊まる日は決まっていたけれど、 日々の何やかやに追われてずるずると宿を探さないまま日が過ぎ、 気がつけば選択肢はほとんど無くなっていた。 いや、あった。無数のゲストハウス。ドミトリー。カプセルホテル。 安い。魅力。きっとネタ豊富。 誘惑はたくさんあったが、やはり翌日も仕事であることを考えるとネタに走るのも限界がある。 一軒だけ「○○ホテル(大人専用)」というそこそこ駅近のリーズナブルな宿があったが、 端的に言うとそういうホテルだった。

          国内旅行体験記 #6

          国内旅行体験記 #5

          2017.10.6 懇親会に参加するために宿を取る。 いろいろ探してみたが、 できれば大阪駅から会社までの途中経路にあって駅近&予算内のホテルというのがなかなかない。 最終的に 「どこでも猫が出没する駅徒歩1分の宿」と悩んだが、 平日にそこまでネタに走るのもためらわれ、 大阪駅徒歩6分の宿を選択。 人気のないJR大阪駅は初体験。 世の中の人はこの時間まで飲んでいるのか、と感心。そして無意味な昂揚感。 0時を過ぎても三ノ宮行きの新快速がまだある。 大阪駅からヨドバシ側へ

          国内旅行体験記 #5

          国内旅行体験記 #4

          2022.5.13 久々に出張の機会があったときの話。 翌日の会議に備え、前泊のため移動。 定時を過ぎてからの移動だったので、新神戸駅で駅弁を購入。 売店で並んでいたインパクトのある瓦せんべいを写真に収め、乗車。 こだまで約2時間の旅。 車内はガラガラで、乗客がそれぞれ思い思い自由に過ごしている。 在来線に乗り換え、目的地の駅に到着したのが21時前後。 駅から見えるホテルにてくてく向かう。 その途中、柱の影にいた人影にびびって一歩後退る。 グレーのパーカーを着ている人が

          国内旅行体験記 #4

          国内旅行体験記 #3

          2018.8.25 ビョオオオオォォォォォォォォォォ 懇親会のお店を出ると、雨が横に降っていた。 やはり台風は台風だった。 台風直撃と言われた木曜、大学院の授業に来られない方も多数。 懇親会に参加するため1か月以上前から宿を確保していた自分としては、ある意味ちょうど良かった。 しかし、 台風で懇親会もキャンセルになった。 ごはんどうしよう、ラーメンでも食べて帰ろうかなと思っていたら、授業後に 「22時半も23時半も一緒ですよね」 という猛者が10人残り、結局懇親会が開

          国内旅行体験記 #3

          国内旅行体験記 #2(後編)

          靴下を縫い止めてあるプラスチックの外し方など、 大学院で何を学ぼうともどこにも書いてはいない。 でも、人生を生き抜くうえで必要な能力はむしろこんなときどうするか、だ。 …ということを考えながらしばらくの間爪で押さえ、ねじり、T字の片方の端を突き通っている穴に通し戻して抜けたりしないものか、と格闘すること10分。 フロントに下りて「すみません、ハサミ貸してください」と頼んだ。 30秒で切れた。 再び部屋に戻ったが、明るさ問題が解決されていない。 ランタンは相変わらず目によ

          国内旅行体験記 #2(後編)

          国内旅行体験記 #2(前編)

          2017.2.25 大学院のレポートが差し迫る週末。 ここ最近仕事のことをずっと考え続けていて、レポートに頭が切り替えられない。 よし、ここは会社近辺のホテルに籠って仕上げよう、と思い立つ。 日曜に思い立って火曜泊のホテルを調べたところ、空きがない。 もしかしてこれは予約サイトを変えると見つかるかもしれない、と試しに○ッキングドットコムで検索すると、無数の宿がヒットした。 2400円。ゲストハウス。 激安価格と共に「ゲストハウス」の文字が並ぶ。 最近駅の辺りで観光客ら

          国内旅行体験記 #2(前編)

          国内旅行体験記 #1

          2021.7.30 オープンして間もないホテル。 場所は知っていたが、入口は本当にここなのだろうかという程シンプルな入口のため、宿泊客でも入るのを一瞬ためらった。 ドアの向こうにはエレベーターのみ。 フロントのボタンを押してうぃーんと上昇。 エレベーターのドアが開くと、シックで落ち着いた上品なロビーが目の前に広がった。お洒落。 フロントの前にコンシェルジュらしきナイスミドルの方がいて、チェックインを誘導してくれる。 え、あ、こっちですか。 フロントの前かと思いきや、そ

          国内旅行体験記 #1

          「落とし物」

          2014.8.26 会社帰りにJR大阪駅ホーム下の通路で後輩と喋っていると、ふと後輩が、 「あ、あの方の袋から今ぽろっと落ちました、緑の…」 と言った。 その方向を見ると、確かに明るい緑色の球状をしたもの(ふわふわしたミンクみたいなやつ)がぽつんと通路に落ちている。 向こうへ歩いていく女性が手にしている、大ぶりの白いコットンバッグから落ちたらしい。 バッグから何かを包んでいるような新聞紙がのぞいている。 咄嗟に、自分が先日失くしたアクセサリーを思い出した。 会社の人が

          「救急車体験記」番外編 〜抜糸〜

          2018.6.30 一週間が経過し、木曜の朝。 患部のガーゼを剥がすべきか剥がさざるべきか、結局そのままで一週間水に濡らさないように守り続けた親指の抜糸の日。 お風呂の時にサランラップを巻く手つきもずいぶん慣れた。でももう終わりだ。 最寄駅から歩道橋を渡って病院を見上げると、思いのほか大きかった。 2階の入口らしきところから中に入ると、広々としたロビーが広がっていた。こんなに大きな病院だったのか。 9時前なのに、患者さんも老若男女結構いる。 「次に来るときは2階の受付に

          「救急車体験記」番外編 〜抜糸〜

          「救急車体験記」#5

          2018.6.26 もはや救急車は登場しないが、連作によりタイトル続行。 朝目覚めると、夜中にいろいろと格闘したせいもあってか、多少だるい。 もう少し寝たいなぁ。でも仕事だしなぁ。 もぞもぞとベッドを出て歯磨きに行くと、部屋の外から物音が聞こえてきた。 ダダ…ンダン。バタン。ダダ…ンダン。 ワイワイガヤガヤ。 人の話し声に混ざって何度もドアの音がする。 ドアの覗き窓から廊下を見てみると、ちょうど向かいの部屋に女性が入っていくのが見えた。 ダダ…ンダン。 後ろ手に

          「救急車体験記」#5