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国内旅行体験記 #6

2017.11.16

宿がない。

泊まる日は決まっていたけれど、
日々の何やかやに追われてずるずると宿を探さないまま日が過ぎ、
気がつけば選択肢はほとんど無くなっていた。

いや、あった。無数のゲストハウス。ドミトリー。カプセルホテル。
安い。魅力。きっとネタ豊富。
誘惑はたくさんあったが、やはり翌日も仕事であることを考えるとネタに走るのも限界がある。

一軒だけ「○○ホテル(大人専用)」というそこそこ駅近のリーズナブルな宿があったが、
端的に言うとそういうホテルだった。
逆に一人で泊まれるのか分からない。

多少予算オーバーだったけど、梅田でメジャーな宿をとった。くぅ。

前回泊まったホテルと同じ方向に歩く。慣れた感じでてくてく歩く。また思ったより歩く。
ホテルまでの道のりでコンビニが見つけられなかった。
仕方ない、チェックインしてから朝ごはんを買いに行こう。

「すみません、一番近いコンビニはどこにありますか?」
「右手に出られて信号を渡って頂くと正面にありますよ」

チェックイン後、再びホテルを出て言われるままに歩くと、コンビニがすぐ見つかった。

そのコンビニの30m向こうに、同じ系列のコンビニがある。
そのコンビニの上は、前回泊まったホテルだ。

あんまり距離変わらなかったな。値段は2000円くらい違うけど。

しかし、金を払っただけあって室内は申し分ない。
ただし、こちらの要求も上がっているので大概のことは「そらそんだけ払てるもんね」になる。
部屋が綺麗。そらぁね。
アメニティ完備。そらぁね。
アクセサリートレイ。充電器。加湿器。そらぁね。
無料の水。有難く頂こう。
普段、水を単独でほとんど飲まないのに必要かと言われれば、何となく必要。予備。何故だか自分が小市民に感じる。

ベッドの枕元に間接照明がある。
そうそう、これこれ。こういうのだけつけて仄かな明るさというのも悪くない。しかも読書灯まである。

間接照明をつけて部屋の電気を消すと、真っ暗になった。
なんだ、間接照明だけで使えないんだ。残念。

間接照明だけで使えないなら枕元にある意味はあるのかと今なら思うが、その瞬間には気づかなかった。

デスクライトのスイッチは最後まで見つからなかった。ネジを外しそうになった。
別に使わなかったからいいけど、デザインが小洒落すぎるとその機能を見失う。

珍しくお湯を張ってたぷんとお風呂に浸かり、あれこれしてベッドに入る。
若干暑い。でもせっかく持ってきたのでめぐリズム着用。暑い。就寝。

翌朝。
よく眠れたらしい。珍しく目覚めが気持ちよかった。そらぁね。
歯磨きをしていると、いつの間にか部屋に朝陽が差し込んでいた。
カーテンを開けると、朝陽がビルの窓に映っている。

都会だ。ここは都会だ。しかもリッチな方の都会だ。
リッチな部屋の中にいると、外の冷え込みが感じられない。
当たり前の話なんだろうが、改めて気づいた。
やはり現場の気持ちを忘れてはいけない。

違う教訓を得た木曜の朝。

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