無言の住人 ＃毎日ネタ出し７７日目

【タイトル】

無言の住人

【あらすじ】

二重人格。

テレビやドラマで取り扱われることが多いこの障害だが、実際には周囲への理解度はかなり低い。人格が別だと言っても、妄想だと思われてしまう。

私の中には「７」というもう一つの人格がいる。名前はなく、あくまで数字だ。なぜ７なのかは私にも分からないが、彼自身が自分のことをそう呼んでいる。

7が表に出ることは滅多にない。むしろ、３０年生きてきて一度だけしかないのだ。しかし厄介なのは、７が常に自分の中にいることだ。私が黙っていても、常に何かを囁いてくる。

昔は反応していたが、今はほとんど無視している。7に付き合ってたら本当に変人扱いされてしまうから。

しかし、最近になって７の声が大きくなってきたのだ。私は必死に耳を塞ぐ。しかし、

「気をつけろ。もうすぐ奴がくる」

と、何か警告めいたことを囁いてくるのだ。

奴とは誰のことだと聞いても答えてはくれない。だが、とにかく気をつけろとだけ私に言ってくる。訳がわからないまま生活をしていたが、そんなときにある人たちと出会うことになる。

私はシェアハウスで暮らしているのだが、新たに３人が入居することになったのだ。その３人が私達に挨拶をしてくれたとき、

「奴がとうとう現れた。気をつけろ」

と７は言った。そう、この３人の中に「奴」がいるというのだ。一体「奴」とは何者なのか。なぜ７はそんなことを言ってくるのか。

全てが不思議に包まれているが、私はこのあと７の言っていた意味を知ることになる。

それはとても恐ろしいことだった。