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あのときに戻れるなら #毎日ネタ出し96日目

【タイトル】

あのときに戻れるなら

【あらすじ】

上京してから10年が経ったこの日、僕は地元に戻ることにした。東京に夢を抱いて突き進んだ10年間。決して楽しいことばかりではなかったが、充実した日々を過ごしたと言えよう。

でも、結局夢を叶えることは出来なかった。気づけばもう35歳を超える。

僕は負けたのだ。

夢破れ、地元に逃げ帰る。地元には住む家もあれば家族もいる。親父の仕事も手伝えることになってるから仕事も、収入もある。

そんな安定した生活を選んだのだ。

しかし現実はそんなに甘くはなかった。10年という月日は何もかもを変えてしまうには十分な時間だ。幼なじみは結婚し子どもが二人いる。親友だった友達にも家庭があり、既に会社の部長にまで昇進していた。

10年経っても何も変わっていないのは僕だけだ。僕だけが夢を追い、そして何も得ないまま戻ってきてしまった。

そんな中で実家に住み、親父の仕事の手伝いをする。田舎だから噂はすぐに広まり、僕は肩身が狭い日々を過ごすことになる。

このままこれでいいのか?

僕が求めていたのはこんな生活だったのか?

改めて自問自答するも、答えは出ない。何もかもがモヤモヤする中、突如僕の目の前に一人の女性が現れる。

そして、

「一緒にみんなを見返してやろう!」

なんてことを言うのだ。よくよく話しを聞くと、どうやら僕と小学生のころに同級生だった人みたいだ。なんせ一回もしゃべったことがないので、顔も名前も覚えている訳がない。しかし、彼女は僕のことを覚えていた。

なんでも、この地元で同級生たちにひどい扱いを受けていたみたいだ。だからこそ、僕が東京から戻ってきたという話しを聞いてここまで来たらしい。

「一緒に会社を立ち上げよう。君が社長で私がサポートするから」

今思えば、こんな怪しい話なんてない。ただ、その時の僕は周りのことを気にしすぎていて、正常な判断が出来ずにいた。

こうして彼女と二人で会社を起こすことになったのだか、これから波乱の展開が待ち受けている。

あのときに戻れるなら、この選択をどうにか止めたい。あのときに戻れるなら……。

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takuma@note作家
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