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Photo by
noriaki_wada
押し入れのおじさん #毎日ネタ出し4日目
【タイトル】
押し入れのおじさん
【あらすじ】
僕の住んでいるアパートにはおじさんが住んでいる。
おじさんと言っても、親戚のおじさんとか、知り合いのおじさんではない。
見ず知らずのおじさんだ。
僕は大学を卒業し、1人暮らしを始めたのだが、とにかく給料が安い。なので、選んだ物件は築60年のボロボロの木造アパート。風呂もなく、トイレは共同。でも、自分の夢を叶えるため、僕はこのアパートで頑張ろうと思った。
引っ越し初日、荷物を全て部屋に入れ、片付けを始めた。ボロアパートなのに、押し入れだけは大きいのがこの部屋の特徴だと不動産の人に聞いていた。
「確かに大きい押し入れだな」
僕は押し入れを目の前にして思わずつぶやく。でも、この押し入れがあったからこそこの部屋に決めたのだ。僕は趣味が多いので、必然的に荷物も増える。それらが収納できる大きな押し入れがあるのが、この部屋を決めた理由だった。
そして、さっそく運んだ荷物を押し入れにしまうため、押し入れのドアを開ける。しかし、そこにはまさかの光景が僕の前に広がっていた。
40、いや50歳を超えているようなおじさんが押し入れで寝ていたのだ。
「……ったく、ノックくらいしろよ。最近の若いもんはマナーも知らんのか」
おじさんはそう言うと、機嫌悪そうに押し入れのドアを閉めた。
僕はあっけにとられ身動きがとれない。
まさかこの日から、このおじさんと一緒に暮らしていくことになるなんて思ってもみなかった。
僕とおじさんの奇妙な同棲生活が始まる。
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