喫茶紙風船 #毎日ネタ出し68日目
【タイトル】
喫茶紙風船
【あらすじ】
「この状況でこんなことするなんてバカじゃないの?」
私の周りにいる人たちはほとんど同じことを言った。そして、そのほとんどが正解だ。
新型コロナウイルス感染症が流行してから1年が経つ。しかし未だに終息の目処すら立っていない。政府や自治体の要請により、飲食店は時短営業を求められ、どこの店も厳しい経営を強いられることになった。
こんな状況下で、私はカフェをオープンすることを決めたのだ。
だからこそ周囲の人たちは私を止めようとしてくれた。こんな時にカフェなんてオープンしても絶対に上手くいかない。そんなことは小学生が考えても分かることだ。
でも、私にはやらなければならない理由があった。
私がカフェをオープンする場所は、かつて喫茶店があった。そこは老夫婦が経営をしており、規模は小さいものの、常連客が集まる憩いの場となっていたのだ。
私はその老夫婦に救われた。どんなに辛いことがあっても笑顔で迎えてくれた二人に、私は生きる希望を抱いていたのだ。
しかし、今回の新型コロナウイルスの影響で経営状況は悪化。常連客も高齢の方が多く、店を開けても誰も来ない状況が続き、とうとう店を閉めることになってしまった。
でも、私はそれがどうしても耐えられなかった。この店がなくなる、あの老夫婦がいなくなる。そうなれば、生きる希望もなくなることに等しい。
だから、そのお店を引き継ぐことにしたのだ。カフェという形で新装するが、いつかあの二人が笑顔で戻って来れるようにしっかりと経営する。
絶対にこの店は潰させない。
こうして私の無謀とも思える挑戦が始まったのだった。
色々な実験を行い、その結果を公開していきます!もし何かしらの価値を感じていただけましたら、サポートしていただけますと幸いです!