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犬猿の仲 #毎日ネタ出し40日目
【タイトル】
犬猿の仲
【あらすじ】
二人は会うと必ず喧嘩をする。
そもそも馬が合わないのだ。考え方も違うし、価値観も全く異なる。だから仕事以外では一切関わりたくはなかった。
なのに、何で今私の目の前に奴がいるのか分からない。
私は花崎美春。都内に勤務するOLだ。職場は良い人に恵まれ、本当に楽しく毎日を過ごせていた。あいつが現れるまでは。
海外の支店から移動となり戻ってきた石場英樹。こいつが私の新しい上司となってから、もう本当に毎日が最悪になった。
細かい性格で、ほんの些細なミスでもチクチク責められ、果ては昼休の過ごし方まで注意してくる始末。もう耐えられない私は、石場に反抗する。
それでも石場は変わらずにチクチク私につっかかってくる。もう絶対にプライベートでは関わらない。仕事と割り切ってやり過ごそう。
そう思っていたのに。
ある日の夜、仕事帰りに私は一匹の子犬を保護した。誰かに捨てられたのか、その子はひどく弱っていた。何とか家に持ち帰り、処置をするも、このままでは衰弱してしまう。
翌日職場に行き、このことを相談してみた。しかし、どこの家もペットフカだったり家族がいたりとどうすることも出来ない状態だった。
その時、
「なら家に来い」
と石場が声を上げた。
「はあ?」
わたしは思わず声をあげる。
「そのままお前の家にいてもその犬は弱るだけだろ。家は他にも犬飼ってるから、もう一匹増えたところで困らん。今日仕事が終わったら連れてこい」
確かに、子犬を預けるなら奴の家が1番合ってそう。少し悔しいが、私は仕事が終わったあと、子犬を連れて奴の家へと向かった。そして、子犬を預け帰ろうとすると、
「おいどこへ行くんだ」
と奴が言う。
「どこって、帰るんですけど?」
「バカかお前は。犬を拾って人に預けて帰る奴がどこにいるんだ。犬を拾ったなら最後まで責任を持て」
「はあ? これ以上私に何をしろと言うんですか?」
「お前はここで犬の面倒を見ろ。場所は貸してやる。ただ、拾った責任を持ってここでお前がその子犬を育てろ!」
私は奴が何を言い出したのかわからなかった。
でも、このときから私と奴の奇妙な同棲生活が始まったのだった。
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