【感想】悪魔がはらわたでいけにえで私
監督 宇賀那健一
出演 詩歩
野村啓介
アルゼンチンモリゴキブリのみなさん
あらすじ
感想
シネコンで流す作品じゃないと思うんですけど、何をとち狂ったのか上映していたので、じゃあ見るだろと。正直60分しかないのに他の映画と同じ料金を支払うのは納得いかないですが。
肝心の内容ですが、思っていた通りのめちゃグロミニシアター系でした。「2001年宇宙の旅」のモノリスっぽいものが出てきたり、ヒロインが両手からチェーンソーを生やしてる姿がもろ「チェンソーマン」だったりとオマージュとパクリの境目を反復横跳びしているのはまさに典型って感じ。タイトルからして「死霊のはらわた」ですからね。
ストーリーはお察しの通り、荒唐無稽100%なんですけど、なんというか、まだ理解のできる狂気度合いでした。いや、間違いなく頭のおかしい内容にはなってるんですが、計算されたぶっ飛び方というか。例えば、急にテロップで三ヶ月後とかになって、映像に映るのが亀甲縛りされてるおじさんとか、明確にクレイジーではあるんだけどちゃんと面白い展開になっている。本当にやばい映画って、観客側の楽しみなんか一切考慮しない飛び散り方をしますからね。
悪魔たちのキモカワなキャラクター造形も割とツボでした。楽しそうに「ギャ!」って鳴き(?)ながらノリノリで踊るシーンとかめっちゃ好きです。あとは、セリフのやり取りも結構センスがあって面白い。「なんか殺すの持ってきて」→「はい、殺すの」といってチェーンソーを持ってくる下りとかかなりシュールで好きでした。
ただ、感性のまともな人が頑張って狂気を演出しようとしているせいか、少し狙い過ぎている感は否めませんでした。例を上げると、上にあげたパロディ部分とか、超安っぽいアクションシーンとか。場面場面でクオリティにかなり差があり、あまり集中して見続けることは出来ませんでした。この短時間の映画で没頭できないのはかなりの致命傷だと思います。
キャストについては、やっぱりアルゼンチンモリゴキブリの皆さんですよね。彼らはいわゆる餌用のゴキブリなので、そこまで邪悪さはないんですけど、慣れてない人から見ればそこはかとなく悍ましい光景だったと思います。なんせ、本物のゴキが口から這い出してきますから。あとは、ゴキブリ操者という謎の職業の人が撮影協力していて、また一つ無駄な知見が増えました。
美術面や撮影セットなんかも低予算丸出しで、本当になんでこれがシネコンで上映されたのか、そこがいちばんのホラーだなと思いました。ただまあ、そういう取り組みって私たちみたいな人間にとってめっちゃありがたいんですけど。
まとめ。要所要所でセンスが光る低予算B級作品。ジャンルにとらわれない狂気とアイディアが詰まった映画、です。
以上、貴重な時間を使ってみるB級映画の味は格別です。お疲れ様でした。
視聴:劇場
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