子どもの"Color”
歌手、向井太一さん。
「時の流れやそのときに感じたことを色(Color)の変化で表す」
これを物語るかのようにいつも歌で表現してくれているように感じます。
・目、瞳を通して、得た経験が色として残っていく
・見たものによってその時の感情に響き心が染まり色づけられる
・未来に色付けをしていく
・過去の色も少しずつ色を変えていく
・変化し続けていく色は1色にきまらない
今回は向井太一さんの曲から好きな3曲を紹介します。息子の名前と共通部分があり、息子も大好きです。今回はこの息子を「彼」としてエピソードとともに、彼の”color”を探ります。#スキな3曲を熱く語る
ーーーーースタートのためのリセット
一度離した明日へのチケット この場所から始まるから
取り戻すため もう一度リセット
広がる世界は僕だけのものさ
取り戻すため もう一度リセット
リセット/向井太一
小学校で不登校を経験し中学受験を経験した彼は、小学校卒業のタイミングで改めて「リセット」をしました。そこには後悔などなく、小学校の最後を遊びきり、とびきりの笑顔で卒業しました。当時、よく風呂場からこの歌を歌う声が聞こえていました。声変わり真っ最中の喉にはつらい音程だったでしょう。
この「リセット」という曲、最後の歌詞は
踏み出す力が僕を満たすから
もう一度走り出す スタート
リセット/向井太一
と締めくくっています。リセットはただのリセットボタンではなく、新たなるスタートも切れるのです。
ーーーーーさて次は、自分らしさをどう作るのか。
まだ瞳を閉ざさないで 未来を見つめたい
滲んだ色のすべて もっともっと
~
あの日描いた理想の 自分ではないけれど
誇らしく思える ずっと僕のままで
僕のままで/向井太一
自分はどうしたいのかわからない、何もしたくないときもある
それじゃダメ? そんな時期を経て「俺はこうしたいんだ。」という気持ちが出てきたころです。「出かける時に聞くと気持ちいいんだよね!」とのこと。足取りも軽くみえます。
ーーーーーーそして、自分の進む道へ
みんな元々はまっさらなキャンバス
まだ柔らかい筆を握りしめ
大きく思うままに描いていた
こうやって何度も何度も塗り替えて
たとえ思った色にならなくても
〜
時には綺麗じゃなくても 混ざった色になっても
心だけは 真っさらだ
Colorless/向井太一
彼の”color”、親である私が無理やり親の好きな色で塗っていた時期があったような気がします。
「その色じゃない、こっちの方がいい色になるよ。」
「もうその色はやめてこれにしたら?」
「こっちの色にしておけばよかったのに。」
「塗るのやめちゃだめじゃないか、がんばりなさい。」
「塗ってないところがあるぞ、ちゃんと塗りなさい。」・・・・
親が子どもを自分色に染めたいと思うときがあるのではないでしょうか。
それに対して、今、彼を見て思うのは、
’Cause I’m colorless.
Colorless/向井太一
そう、色なんてまだわからない。
俺の色なんて、親に決められてたまるもんか。俺が納得するまで自分で塗って、俺の色は俺が決める。
そんなふうに息子は思っているんじゃないかと、勝手に考えています。
同じ歌手を好きになり、同じ曲を聞いても感じ方は違う。でもどこかでつながる気がしてなりません。
彼も年齢が上がるにつれて体が大きくなりました。背中が頼もしくなり、後ろ姿を見ているだけで楽しくなります。彼の描く色、彼が見せてくれる色を楽しみに、夫婦で年を重ねたいと思います。