スケジュール管理が苦手な人も得意な人もハッピーに|『ninaru小学生』ができるまで。#3
10月リリースの新プロダクト「ninaru小学生」の制作内部をお伝えするnote。
エバーセンスでインターンシップをする金が、開発に携わったメンバーへのインタビューを通して、アプリに込められた想いや制作の裏側に迫っていきます!
前回はこちら。
第3回目は、アプリの主要機能の1つである「スケジュール」機能のPO(プロジェクトオーナー)兼開発チームリーダーのゆうPさんにお話を聞きました。
習い事や学童など何かと忙しくなる小学生の親を支えるスケジュール機能。他のスケジュールアプリと何が違うのか、どんな開発秘話があったのか…。詳しく聞いていきたいと思います!
僕、直感で生きてるんです。
ーゆうPさんは今回、ninaru小学生の新規開発において、スケジュール機能のPOを担当されましたが、どんな経緯で担当することになったんでしょうか?
えーっと、最初は坂上さんから「やってみない?」とお誘いがありました。前職含め機能の仕様を1から考える立場は経験したことがなくて。経験としてやれるなら、楽しそうだしやりたいなと思って、直感的に決めました。
ー直感、ですか。
そうですね。僕、けっこう直感で動くことが多いんです。
ーエバーセンスに入ったのも直感だったんですか?
ですね、割と直感でしたね。
ー前職ってどんなお仕事をされていたんですか?
前職も同じエンジニアでした。ただ、官公庁向けのシステムを作る仕事で一般のユーザーと向き合う機会はなかったし、今回みたいに新規でプロダクトをつくることもほぼなかったですね。なので、エンジニアという肩書き以外はほとんど真逆かもしれません。
ーなぜまた、180度違うところに…?
きっかけは転職サイトのオファーが届いたことだったんですけど、それでninaruの赤ちゃんが大きくなっていく様子がわかる機能を見て、ひとりのユーザーとして「ああいいなぁ」って。実は妻もninaruを使っていて、僕はそんなに熱心なパパじゃなかったので知らなかったんですけど(笑)。いいプロダクトつくってる会社だからいいかもなぁ、ってくらいで、割と直感で決めました。
ー…そうなんですね!案外軽いというか…
行き当たりばったりと言われたらそうかもしれないんですけど(笑)。割と直感で生きてきてる人生かもしれないです。
スケジュール管理が苦手な人も得意な人もハッピーに
ーおもしろいですね。では、「直感で引き受けた」というスケジュールの機能POについて詳しく聞かせてください。最初にPOの坂上さんからはどんな機能にしてほしいと言われていたんですか?
「普通のスケジュールアプリが苦手な小学生の親でも、使いやすいと思えるスケジュール機能にしてほしい」とだけ言われました。
ー普通のスケジュールアプリが苦手な人…予定を忘れてしまうみたいなイメージですか?
予定を忘れてしまう以前に、スケジュールアプリに予定を登録すること自体、苦手としている人がいて。
坂上さん自身がスケジュールアプリが苦手みたいなんですが、「機能が多すぎて選択肢がいろいろあると、何を選んだらいいのかわからなくなってしまって、アプリに予定を入れること自体を止めてしまう」みたいなんです。
ースケジュールアプリに予定をいれること自体が苦手な人ということですね。
そうなんです。そういった人は結局、予定を共有できるTimeTreeやGoogleカレンダーにパートナーが予定を入れてくれて、それを見るだけになることも多いみたいです。
予定を誰かがいれてくれたら活用するけれど、自分でいれることはしない、なぜならめんどくさいから。あと、パートナーが入れた予定もアプリの使い方を理解できてないから、見逃してしまうことも多い、という。
ーなるほど、スケジュール管理が不得意な人だけでなく、パートナーにも負担がかかってしまうんですね。
そうです。片方の人だけすごく頑張ってスケジュールを入れて、片方の人は見るだけとなると、やっぱり「お前やらんのかい」って不満が溜まる人もいると思うんですよ。
苦手じゃないとしても、スケジュールを管理するのは時間も労力もかかりますし。その部分の「負」は、普通のスケジュール共有アプリを使っても解消できないと思ったんです。だからこそ、ninaru小学生のスケジュール機能は、「親」にユーザーを特化することで、普段予定を入れない人も入れやすいよう工夫しました。
ーどんなところを工夫しましたか?
まずは全体的に項目をなるべく減らして、極力シンプルで使いやすい機能を心がけました。
入力履歴から選択して、日付のみを更新すれば以前入れた予定を追加できるようにもなっています。
それと、アプリを開いた時に自分の予定かどうかすぐにわかるように、担当者のアイコンを入れました。
ー担当者のアイコン、すごくかわいいです!
かわいいですよね。最初は文字で担当者を示す感じにしようと思っていたんですけど、デザイナーの友保さんから「画面を見たときに気分が上がらない」と言われて…。
スケジュール管理が得意な人でも苦手な人でも、やっぱり可愛いほうが気分が上がるね、ということでアイコンが作られました。スケジュール機能って文字や表で事務的になりがちなので、そうじゃないものにしたかったというのはありますね。
ースケジュール管理が苦手な人も得意な人もハッピーな機能になったんですね。ちなみに、ゆうPさん自身はスケジュール管理は得意なんですか?
僕はそんなにスケジュール管理が苦手なタイプではないので、最初は苦手な人の気持ちもよくわかりませんでした。でも、自分とは性格の違うユーザーを想定したからこそすごく考えましたね。
最初にも言ったように前職はtoBの開発をしていて使う人の気持ちを想像することはあまり求められていなかったので、ユーザーの気持ちをリアルに想像したり、寄り添ったりすることは難しかったです。toCだからこそ感じられるものづくりのやりがいもすごく大きかったですね。
ーなるほど、前職からの経緯もあって、今の仕事にやりがいを感じているんですね!
両立はおもしろくて、難しい!
ーPOとして機能の仕様を考える中でおもしろいと感じたことは何でしたか?
開発の初期に、ひたすらいろんなスケジュールアプリを見て研究するのがおもしろかったですね。
普段アプリを使っていて「この機能の開発、頑張ってるなぁ」とエンジニア視点で思うことはあるのですが、「この機能にはどんな意図があって、どんな人のために作っているのかな」という視点を、今回POを経験したことで新たに持つことができました。「ここをもっとこうしたらいいのに」とアイデアも浮かんできたり、そういう新しい発見ができました。
ーエンジニアとしての視点にPOの視点が加わり、視野が広がったんですね。逆に初めてPOという立場を務めて、大変だったことはありますか?
主に2つ大きな壁があったと思っていて、1つ目はデザイン・UIの部分です。
最初は、自分がPOなのだから「ある程度自分でどんな機能にするか考えてから相談しないと」と思っていました。でもいざ始めてみると、UIとかUXの部分が全然進まないんですよね。僕の本業はデザイナーではなくエンジニアなのでできなくて当然と言えば当然で…。それでデザイナーの友保さんに相談したら、僕が1日かけたところをサクサクっと30分ぐらいで決めてくれて。
もっと早く相談すれば良かったなぁと思いつつ、自分がこれまでにやったことのない領域だったので、どこまで自分で抱えて、どこからお願いするかの見極めが難しかったですね。
ー誰かに「頼む」ことは実は自分でやるより難しい時もあるんですね。2つ目の壁は何でしょう?
機能POとして、ユーザーの行動を想像した上で機能を決定しなければいけないところですね。
ユーザーにこんな風に使ってほしいと考えて作っても、実際には意図したように使ってくれないこともあるだろうなとも感じていて。そこはリリース後にフィードバックや数字を見て、分析して改善を繰り返していくことが必要だとは思っています。
ただ、リリースをするためには一旦「機能を決めきる」ことが必要になってくるので、その決断は難しい部分でした。
ーなるほど。POって難しいですね。
そうですね。他にも、僕がエンジニアだけの立場だったら、この機能は開発に工数がかかりすぎるから削るとか、このケースはしょうがないから切り捨てるとかの判断がしやすいんです。今回は開発リーダーも務めていたのでスケジュールを調整しながら、入れる/削るの判断をするのも僕の仕事でした。
でもPOを兼務することで、自分で考えた機能だから何とかして入れたい、開発したいという想いが出てきたりもするし…。同じく学習チェック機能POのようこちゃんがどれくらい苦労しているか想像がつくので、ようやく作った仕様を簡単に削るのも後ろめたいなって思ったりとか…。難しかったですね。
ーPOとしての責任、開発リーダーとしての責任のどちらもあるからこその難しさですね。スケジュール機能はすごくシンプルにしたとおっしゃっていましたが、迷った末に削った機能もあるんですか?
ありますね。本当は繰り返しの設定で「詳しく設定する」ボタンを用意しようと考えていたのですが、工数の問題と、スケジュール管理を苦手とする層が「詳しく設定する」ことをあまり必要としてないのでは、という前提をもとに削ることにしました。
「こういう機能を求めるユーザーもいるだろうな」というのはたくさんあるんですけど、何でもかんでも入れると工数がどんどん増えてコスト増につながるし、「スケジュール管理が上手ではない人のための機能」という目的から離れるリスクも高くなる。そこの見極めは難しかったですね。
ーなるほど…聞いているだけですごく難しそうです…!
直感通り、楽しかったです!
ー開発を終えて、直感で引き受けたPOはどうでしたか?
楽しそうだなと思って受けたんですけど、結果楽しかったです!大変なことはたくさんあったけど、僕はあんまり気落ちしないタイプだし、なんでも楽しめるほうなんですよ。なんでも楽しいと思えるところを探して、楽しんでやろうと心がけてます。前職の時からもそうだったんですが、実は仕事をする上で大事かもしれないですね。
ーそれは素敵な考え方ですね!次に挑戦したいことはありますか?
ありますね。今回の開発では、スケジュール機能に関わることだけではなくて、全体の開発の進め方も「もっとこうすれば良かったなぁ」と自分の中でいっぱい反省があります。
なので、もう1回同じポジションでアプリ開発にチャレンジしてみたいですね。今後スキルアップをする中で、もう一個上の次元の問題に自分の力で気付けるようになっていきたいです。
インタビューを終えて
ゆうPさんのインタビューで印象的だったのは「直感で決める」という言葉、そして、直感で決めたことによって何が起きたとしても「楽しくしてやる」という姿勢です。初挑戦のPOもすごく楽しんでいるのが伝わってきて、私も「自分でお仕事を楽しくできる人になりたい!」と思いました。ゆうPさん、ありがとうございました!
次回は、学習チェック機能のコンテンツを作成したエイトさんにインタビューしていきます。
ninaru小学生のアプリダウンロードはこちら。