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USJを劇的に変えた、たった1つの考え方(森岡毅)

このまえ会社で上半期目標を先輩と一緒に立てた。いくつか立てた中でも自分が大切にしたいとおもっているのが「課題を的確に掴む」ことだ。

今は広報とその効果の分析の仕事をしている。仕事をしている中で、課題設定が曖昧なまま進めてしまい結果要点をついた成果物が出来上がらなかったことがあった。
こういうのは結構つらい。時間をたくさん使った後で「こんなことやる必要なかったんだ・・・」「もっと課題を的確に掴んでおけば・・・」と思ってしまう。悔しくなる。

そんな悔しさの中で、課題が何なのかをきちんと掴むことが、最初にやるべきことでかつ最重要なことではないか感じた。そのことを先輩に話したところオススメしてもらったのがこの本だ。

自分は元来ずぼらであることも相まって、よく「どうしたら楽にできるか?」「やらなくていいことをどう避けるか?」ということを考える。
そういう時に役に立つのがこの本でも書かれているマーケティングの考え方だと思う。

作者の森岡さんはUSJのマーケティングの最高責任者(Chief Marketing Officer)であり、USJのV字回復の立役者だ。彼は個人も会社もビジネスで成功するためのカギである「マーケティング思考」を伝えること、を本書の目的の1つにしている。

そもそもマーケティングは米国の自由主義経済の中で企業が競争に生き残ろための実践学のことを指す。どうやって競合他社よりも売り上げをあげて生き残ることができたか、その歴史の中から出てきた知恵といってもいいだろう。
ちなみに筆者はマーケティングとは何か?という質問に「売るというよりも、売れるようにする仕事」と答えている。売り上げを上げるといっても、営業のように「商品を売る」のではなくて「売れるような仕組みをつくる」ことがマーケティングのようだ。その手段としてSNSやブランディングなどがあるのだろう。
これをヒトに置き換えてみると「成功する」のではなくて「(自然に)成功するような仕組みをつくる」ことがマーケティングなのかもしれない。

このマーケティングを仕事にするマーケターの役割は「どう戦うか、の前にどこで戦うか、を正しく見極めること」であるという。ここたぶん大事。
伸びないところじゃなくて伸びるところを伸ばして勝ちに行こう、みたいな感じだと思う。そういう思考を持って物事に取り組んだら、そりゃ成果が上がる。

筆者はこのマーケティングの思考を持つことはマーケターだけでなく、仕事をする人たちが成果を多くあげ、そして成功するためにも重要だという。

生活に取り入れよう

そんな重要らしいマーケティングの考え方。これを自分の生活の中に取り入れるためには何が大事かな?と考えた時に2つ思いついた。

1つ目は自分がやっていることが本当に必要なのか疑い、常に目的に照らすことだ。
ミャンマーで瞑想をしているときに気づいたのだが、ヒトの意識は五感から影響をたくさん受けていて、気づかないうちに自分が思いもよらない方向へと意識が飛んでいることが多々ある。手元にスマホがあったり、会社の中でいろんな人と働いていたり、意識に影響を与えるたくさんの外的要因に私たちは囲まれている。
思いつきで重要だと思いやったことが後から必要なかったことがわかる、そのような無駄に早い段階で気づき「どこで戦うか」を変えるには、自分がやっていることを疑い、目的に照らすことなのだろう。特にこれは最初に自分が書いた「課題を的確に掴む」ためにも大切だと思う。

2つ目は自分が得意な部分を把握し、それを所属する組織で活かせる部分を探すことだ。
得意でないことよりも得意なことをし続けていく方が楽だ、という人が大多数だと思う。例えば会社だと、自分が持っている特性や傾向を把握して、それが一番活かせそうな職務を選んで活躍できる可能性を上げるという行為はまさしくマーケティングだろう。
まだ得意な部分を把握できない、というのであれば、あえてたくさんの職務を経験できるポジションを選びそれを見つける、というのもマーケティングかもしれない。

マーケティングというと難しい響きがあって手が出しづらそうな印象はあったが、この本はUSJの事例もいくつか交えながらサクッと読めてすごくよかった。マーケティングって何?みたいな人にすごくオススメだと思う。


本は素晴らしい。

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