ADHDの診察を受けて自信がついた話
自己理解が深まった話。
2週間くらい投稿をサボっていたのだが本当にこの期間で色々あった。
営業辞めさせてくれと上司にかけあったり、トレーナーと相性が悪すぎたので関係を解消してもらったり、本気で家を買うためにモデルルーム見に行ったりで大忙しだった。
そんな中でも一番大きなニュースがタイトルで述べた件だ。
結論、お医者さんによると僕はADHDらしい。
といっても通常社会になんとか溶け込めるレベルの軽度なADHD、しいて言えば「発達障害グレーゾーン」と呼ばれる領域に属するとのことだった。
今回は最近話題のADHDというものがそもそもどういうものなのか、受診までの経緯とその後の心境、最後に僕と似たような悩みを抱えている人へのメッセージを書いていきたいと思う。
■ADHDとは?
正式名称は注意欠陥多動性障害で、発達障害に区分される。
(子供のADHDと大人のADHDがあるのだが、今回は大人のADHD中心で説明していく)
具体的な症状は「不注意」「衝動性」「多動性」と呼ばれるもので、具体的にはそれぞれ以下のイラストに書かれているようなものが現れる。
そのほかにも以下のような症状が存在する。
不注意・・・細かい書類や文章を読むのが困難、集中力の欠如
衝動性・・・カッとしやすい、たまに異常な行動力を見せる
多動性・・・頭の中が整理できず考えがまとまらない
このような症状を伴うため、患者は社会生活で難儀することが多い。
なんとなくわかると思うが事務作業など正確さが求められる仕事はとことん苦手だ。
最近では医学の発展に伴い「大人の発達障害」として世に名前が知られることになり、自覚症状のあった人々が医療機関を訪れるようになったことで認知されている患者数は増えている。
軽度も含めるとその数は全人口の7%ほどになるらしい。
実際の数は左利きの人の数と変わらないほど存在していると言われている。
ちなみに、上記のような情報だけだと欠点の塊のように見えるが、実はビジネスの成功者にはADHDが多いことも同時に知られている。
(スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツもADHDだ)
これは、ADHDの特性のに「興味関心がある物事への集中力は常人のそれを凌駕する」というものと「創造性は非ADHD患者よりも優れている」というものがあるからだと言われている。
つまり重度のADHD患者は人として劣っているのではなくかなりピーキーな性能というだけなのだ。
自分の活躍の場所を見つけた人はきちんと社会で輝いているのである。
■受診までの経緯
実のところ中学生時代からそれっぽい症状は出ていた。
しかし大人になってもその辺りが抜けきらなかったので受診をしてみた。
また、会社員になってその自覚症状が本格的に仕事のボトルネックとなり始めたので現状把握と改善のために受診をした。
僕の自覚症状は以下の通りだった。
(少しでも悩んでいる人は自分の自覚症状と照らし合わせてみてほしい)
①細かい書類や文章を落ち着いて読めない。何度も読み返してしまう。
②キレやすく、一度怒ると冷静な判断ができなくなる。
③常に頭の中がうるさい。
④雑音、光に敏感。
⑤ほかの人から見ると話が飛躍しているように思われる。
⑥会話相手の真意を読み取れない。
⑦コミュニケーションにかなり体力を使う。
⑧自傷癖がある。
⑨チックがある。
⑩急に興味をもったことに対して行動し、それ以外のことができなくなる。そして急にやめる。
⑪物にあたる。
⑫緊張、不安の感情が付きまとっている。
⑬定期的に体を動かしたくなり、じっとしていられない。
※⑩の熱しやすく冷めやすい気質については過去投稿で
明らかにその片鱗が出ていたので良ければ参照されたし↓
昔は上記の症状を「個性」と思うようにしていた。
そう思わないと自分が欠陥品だと思うようになってしまったからだ。
しかしやはりこのような気質があると周囲に馴染むのが難しいもので、僕はごく一部の人間以外は分厚い壁を作ってコミュニケーションをするようになっていた。
結果的にストレスに耐え切れず、高校、大学、社会人のすべての時代においてうつ病のような症状を併発したことがある。
(ADHDの二次障害として、うつ病併発はよくあることらしい)
このような状況にいよいよ耐え切れなくなったのが、受診の大きな原因である。
■受診してみて
診察には脳波測定を行った。脳内の電気信号の発生と消失の頻度を確認することで、ADHDの気質があるかどうかの確認ができるらしい。
結論、僕は脳内でα波という電気信号の発生が活発で、一度発生した信号がなかなか消えないため脳が混線状態になっていることが分かった。
考えがまとまらない、常に頭を使っている、疲れやすいなどの自覚症状はこの混線状態が原因だったのだ。
結果として、僕は「軽度のADHD」とお医者さんから告げられた。
いわゆるグレーゾーンなのだが、基本的に一般企業に入社して表面上普通に社会人をやっている人には診断書は出せないそうな(そりゃそうか)。
なので「ギリギリ診断書は出せないレベルですね~」とのことだった。
…
……
………
そんなわけで自分の状態が明らかになったのだが、受診後の僕の気持ちはとても晴れやかだった。
なぜなら、今までの苦労にちゃんと理由があって、自分はその中で努力をできていたのだと医学的に証明されたからだ。
現にお医者さんにも、以下のようなことを言われた。
「実際には、診断名がつかないグレーゾーンの患者さんほど本人の困り度が高いものです。なぜなら社会生活のなかで症状とうまくつきあっていく必要が今までも、これからも付きまとうからです。と、同時にグレーゾーンの方々は努力家であることの証明です。自分の気質と向き合って、それを社会に合わせようと努力した結果グレーゾーンで留まっているのです。実際たくさんは脳波の動きがかなり活発なので、頭の回転自体はとても速く、あとはこれをどう絡まないようにしていくか、ということです。」
この言葉で10年来の苦労が報われた気がした。
原因が分かったのなら後はどうするかだ。
このADHDは特殊な治療を行うことで改善することもできる。
しかし、個性として付き合っていく人ももちろんいる。
自分がどうなりたいかというところをお医者さんと会話して、これからの方針を決めていこうと思っている。
■ちょっとでも自分の性質に悩んでる人へ
僕は、当時の僕のように少しでも自分と周囲の差に違和感を覚えるなら専門の医療機関に受診をすべきだと思う。
もちろん単に性格の差異のせいということもあると思うが、自分が欠点としてとらえているものがどのような原因で発生しているのかを理解しているのとしていないのでは心の負担に雲泥の差がある。
僕は僕の性格や努力が周りから見て劣ったものと捉えていたが、受診したことでこれが一気に自信に変わった。僕は努力できていたのだと。
そして得手不得手がはっきりしているだけで得意な領域もあるということにも気づけた。
キャリア形成においてはこれほど素晴らしい気付きはないと思う。
これを読んでくれた方にとってこの記事が一歩踏み出すきっかけになることを祈っている。
ちなみに、僕が受診した医療機関はこちらである。かなり先まで予約が埋まっていたが、真摯な対応と納得のいく診察でぜひリピートしたいと考えるほどなので、個人的におススメしたい。
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