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イベントについていけない。

 ハロウィンまであと一週間。私の周りでは、なるべくたくさんのハロウィンイベントに行こうと情報収集に躍起になっている家族が多い。それを見ながら、ハロウィンって、そんなに長い間楽しむイベントだったっけ? と不思議に思っている。

 私の初めてのハロウィンは小学校5年生の時。母親が作ってくれた白雪姫のコスチュームを着て、知人の家の周りを回った。最初は時間が決まっていることも知らなかったし、玄関の電気が付いている家しか回ってはいけないことも知らなかった。このトリックオアトリートが31日にある以外は、せいぜい学校にコスチュームを着ていくくらいだったか。私が住んでいた家は、かなりの田舎の低所得者エリアにあったせいか、特に家を飾り付けているところもなかったように記憶している。なので、私の中でハロウィンは1日だけのイベントで、一ヶ月ほど続くクリスマスの方が印象が強い。(アメリカ人家族がいないので、サンクスギビングはほぼ素通り。ただの、長期休みだった。)
 今私が住んでいる場所は、育った場所に比べるとだいぶ都会なので、たくさんイベントがある。31日の本番前の週末に、動物園や公園、様々な施設や、コミュニティセンターでトリックオアトリートが企画されている。無料だったり、有料だったりそのあたりは様々だ。せっかく買ったコスチュームをたくさん着せなくちゃ! と奔走している友達もいる。でも、お金を払って参加したイベントでもらったお菓子って、ちゃんと食べるのかな。うちは食べないな、食べて欲しくないな、と思うと、お金を払ってまで「一緒に行く行くー」とは答えづらい。
 ハロウィンってもともとこんなイベントだったっけ? それとも、これが最近のハロウィンなのか。どちらかはわからないけれど、育ってきた中であまり重要視していなかったイベントのせいかいまいち熱が入らず、今年も我が家は、トリックオアトリートと学校のハロウィンパレードくらいでいいかな。と、思ってしまう。

  何度も書いてしまうけれど、私は本当にとんでもなく田舎(人口5〜6000人)で育ったので、イベントも娯楽もほとんどなかった。土曜日は、片道2時間かけて補習校に行っていたので、純粋な休みは日曜日だけだったし、日曜日は、補習校で友達に借りた漫画や小説を読んでひたすらゴロゴロしたい日だった。そんなアメリカ生活を送っていたせいか、いまでも、お金を払ってまで毎週末子供をどこかに連れていくという考えに至らない。でも、どんなに遊具が立派な公園に行っても、友達と楽しそうに走り回ってばかりいる息子たちを見ると、まあ、与えられる楽しさより、自分で創り出す楽しさを味わって欲しい。と、尤もらしいことをことをいってみたり。開き直ってみたり。イベントについていけない、そんな母のつぶやき。

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