【レトロゲーム回顧録】ダブルエックスミッション
XXミッションとの最初の出会いと当時のアーケードゲーム事情とゲーム雑誌
私がXXミッションに最初に出会ったのは、中学1年の秋ぐらいで近所の本屋でファミコン雑誌を立ち読みしていた時に、アーケードゲームの紹介コーナーで作品の事を知った。
ジャンルは縦スクロールシューティングゲームで、プレイヤーの自機は可変翼が特徴的な戦闘機で人気がある「F14トムキャット」、ゲーム全体にミリタリー色が強い渋い作品で、この記事を読んだ私は何故かゲームの事が気に入ってしまった。
当時ゲームセンターに遊びに行く事は私が通っていた中学校の校則でとても厳しく、生徒手帳にも書かれており中々ゲームセンターに入れず、ゲームセンター=不良のたまり場のイメージがとても根強かった。
ファミコン雑誌やゲーム雑誌等が当時連載していたアーケードゲームの紹介記事は、ゲームセンターに遊びに行く事が難しい人達にとって、ゲーム雑誌のアーケードゲームの紹介記事は当時貴重で重要な情報収集源であった。
ゲームの紹介記事は僅か2ページと少なく、私が住んでいた地域には残念ながらゲームは入荷せず、この時期に知り合った同じ中学校に通っていた違うクラスの同級生の友達に誘われて、一緒に市内のゲームセンターに自転車で遊びに行った時にもゲームは置いていなかった。
ゲームの事はその後綺麗に忘れてしまいゲームが遊べるようになったのは、ゲーム雑誌の紹介から約1年後の事になる。
XXミッションが入荷
中学2年の秋ぐらいにXXミッションが、ゲーム好きの先輩の友達がいつも立ち寄る近所の小さなおもちゃ屋のゲームセンターに突然入荷した。
ゲームが入荷した時は綺麗に忘れていた記憶が突如蘇り、憧れのゲームの入荷をとても喜んだ。1回のプレイ料金は50円、少ない小遣いをやり繰りしながら約1年間待ち焦がれ憧れていたXXミッションを非常に楽しみにしていた。
XXミッション、プレイ開始
早速意気揚々とゲームをプレイ開始したが、すぐに敵の猛火に晒されて呆気なくゲームオーバー。渋いネームエントリーとコンティニュー画面で流れる哀愁漂うゲームミュージックは何故か覚えやすく、私はゲームだけではなく音楽を含めてこの作品にすっかり魅了されてゲームに夢中になってしまった。
部活と習い事が休みの日や中学校が早く終わった時には、早く家に帰り手早く普段着に着替えて少ないお金を持って、近所のゲームセンターに遊びに行き他のゲームに目もくれずXXミッションを遊んだ。
海上の空中戦で敵の戦闘機達に取り囲まれて、敵の体当たり攻撃や敵弾に当たってミスを重ねて自機を次々と失い、地上の敵の砲台や戦車を破壊に失敗して敵弾に当たってしまうミスや、敵の艦艇を撃沈し損ねて、敵の艦艇から思わぬ反撃を受け続けて敵弾から逃げ回る事になったのも1度や2度でも無かった。
ゲームのパワーアップの仕方が独特で、パワーアップの種類を覚えていなければならず地上に隠れている青い丸のある場所は必ず覚えていなければならなかった。
自機のパワーアップの方法について
XXミッションの自機をパワーアップさせるには、空中で緑の敵編隊を全滅させて「WAP」の文字を出現させるか、対地ショットで地上に隠れている青い丸の様な物体を出現させ、それを破壊すると「WAP」の文字が出現させるかの2つの方法がある。
対空ショットを撃つと階級章に変り、撃ち続けるとルーレットの様に階級章が変化して階級章を獲得すると、自機は一定時間パワーアップするが時間が切れると元に戻る。
パワーアップの状態は主に、敵を貫通する2連装の対空レーザーか、2連から4連に増える対空ショットで自機の可変翼の開閉状態によって対空攻撃の方法が変わる場合がある。中には単発だが上空の敵を一掃する強力な対空誘導ミサイルがあり、対地ショットだけは、どの階級章を獲得しても2連から4連に増えるのみである。
パワーアップアイテムである階級章を上手く獲得するためには、自機の正面から獲得するのではなく自機の左右横もしくは、自機の真後ろからパワーアップアイテムを獲得する手段があるのだが、このゲームがいつも自分の都合のいいようにパワーアップが出来て、ゲームが進める程甘いゲームではなかった。
「WAP」を獲得するとボーナス得点を獲得するが、もし自機がパワーアップ状態で誤って「WAP」を獲得するとノーマル状態に戻ってしまう為、ステージの進行状況によっては有利な状況から一気に不利な状況になるので注意が必要になる。
最初の難関、海上の誘導ミサイル地帯
XXミッションはミスを重ねながら少しずつ前に進める様になり、楽しく遊んでいたが私にとって、最初の難所である海上から飛んでくる誘導ミサイル地帯まで進む事になった。
海上から大量に飛んでくる誘導ミサイル地帯の前に、自機のパワーアップ状態で対空ショットが4連装を獲得していれば自機を動かさないで、そのまま対空ショットを撃ち続けていれば突破は簡単に出来る。
対空ショットが2連装の貫通対空レーザーならば突破は少し難しく、自機の可変翼を上手く調整して4連装の対空ショットに変える事が出来れば良いのですが、自機の可変翼が閉じようが開いていようが両方が貫通対空レーザーなら、突破の難易度は少し高くなり、自機がノーマル状態ならパターン作りが出来ていなければ突破はほぼ不可能。
運が良ければ突破出来るが突破が出来なければ、自機を全て失いゲームオーバーになってしまう。
ゲーム好きの先輩達は海上から大量に飛んでくる誘導ミサイルについて、あれこれ話をしてそのうちに複数の潜水艦が、大量の誘導ミサイルを海の中から撃ち出すのではないのかと考察していた。
最初の頃は海上の誘導ミサイル地帯の所で何度かゲームオーバーを繰り返していたが、ゲームを何回も繰り返していくうちに、自分なりに誘導ミサイル地帯のパターン作りが出来るようになるとノーミスで海上の誘導ミサイル地帯を抜ける事が出来た時は、ゲーム画面の前で大喜びをした。
しかし喜びの束の間、次に待ち構えていた密林(?)の様なステージで敵の攻撃は厳しくなった。
密林地帯の敵は様々な飛び方でプレイヤーを翻弄する大量の敵の戦闘機達や、何処からともなく地上の背景の中に巧みに隠れて自機を狙って突然攻撃する隠れ砲台が特に嫌で、地上の隠れ砲台に気を取られ過ぎて思わぬミスを繰り返し、敵の戦闘機達のトリッキーな動きと攻撃に翻弄され自機を次々失うミスを繰り返しそのままゲームオーバー。
密林地帯にハマり中々密林地帯を突破が出来ずゲームは無念にも撤去され、私が再びXXミッションを挑む事になったのは、それから約4年後、私が高校3年生の秋ぐらいの時になる。
「俺だってあの頃の若造じゃねえ!」XXミッション約4年後の再入荷
XXミッションが再び同じ店に入荷したのは、私が高校3年の秋ぐらいでゲームに再会した時は喜び再度ゲームをプレイ。
ゲームから離れて約4年のブランクがありましたが、昔ゲームをプレイした記憶頼みのプレイと約4年の間下手なりに続けてきたシューティングゲームの経験が、XXミッションから離れた約4年のブランクの差を何とか埋める事になり、海上の誘導ミサイル地帯を難無く抜けた先の密林地帯で苦戦、残機のほとんどを失いながら何とか最初のヘリ地帯まで進む事が出来た。
初めてたどり着いたヘリ部隊の攻撃の前にどう対処すれば良いか分からず、苦戦が続きこの場所を突破する事が出来ぬままゲームオーバーになり、その後何度か挑戦したが同じヘリ部隊の所でハマってしまいその後しばらく経ってゲームは再び撤去。
XXミッションは、1986年の発表から35年以上の年月が経ちましたが今でも全面クリア出来ていないシューティングゲームの作品になってしまった。
XXミッションを発表したUPLは、その後1992年3月に倒産。
ゲームは2020年1月23日にPS4&ニンテンドースイッチから、「アーケードアーカイブス」に配信された。
ゲームのシステムは、空中の敵と地上の敵を撃ち分けて倒してステージを進めていくオーソドックスな「ゼビウス」タイプの縦スクロールシューティングゲームで、ミスを重ねながら少しずつパターン作りが重要になる。
パワーアップアイテムの「WAP」を対空ショットで撃ち階級章を獲得して、自機を一定時間パワーアップして自機の可変翼の開閉で自機の攻撃方法が一部変わる独特なシステムや自機をパワーアップした後に誤って「WAP」を獲得するとボーナス得点を獲得するが、自機のパワーアップ状態をノーマル状態に戻してしまうなど大きなデメリットが発生する。
この独特のパワーアップシステムは本作の大きな特徴であり、明確なステージクリアは無いがステージの途中で出現する大型爆撃機や大型戦艦などは本作のボス的な扱いとなっている。
独特のグラフィックと地味でストイックな渋い音楽、渋くて硬派な燻し銀を放つシューティングゲームで、一部の熱心なシューシューティングゲーマー達からは支持されており人気のある隠れた名作である。
執筆 現地改修
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