たんぽぽ

 春には、冬に見なかった春の花がたくさん咲く、雑草だっていろんな花を咲かせる。
最近見た花は、ホトケノザ、紫の小さい花をつけている。どこにでもわりと咲いている。
カタバミ、黄色いやピンクの花を見かけることもある。水仙は、とても良い香りがする花だ。
チューリップ、パンジー、桜ももうじき咲くだろう。
 春のある日、線路がある横の道を歩いていると、線路に敷き詰められた石の間にぽつんと
咲いているたんぽぽがあった。石と石の間に、種が入ったのだろうか、周りは石だらけなのに。線路の周りの石は、鉄道に詳しい知人に聞くと、バラストというらしい。そのバラストに咲く1輪の花に、私は心を奪われた。心を奪われるとついその写真を撮りたくなる。うまく撮れないと損した気分だ。
 周りに仲間がいなくたって、土の養分と太陽の光を浴びながら、時には雨から水分をもらって綺麗に咲くたんぽぽ。野生の力強さを感じた。もしかしたら、あのたんぽぽは一人じゃないのかもしれない。同じ仲間はいないけど、自然のめぐみが、あのたんぽぽにとったら仲間なのかもしれない。そう思うと1輪のたんぽぽも決して孤独ではないんだ。
 そして、たんぽぽは種をふわりと風に乗せていろんなところに飛んでいく、こうやって命を代々つないでいって、やがてわたしみたいにそのたんぽぽに魅せられる人もいるんだろうな。一輪のたんぽぽからいろんなことを考えてみました。

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