【レトロゲーム回顧録】オーシャンハンター
オーシャンハンター突然入荷する
いつも遊びに行く近所のショッピングモールの中にあるゲームセンターに、ある日突然オーシャンハンターが入荷した。
入荷した大型デラックス筐体は大きなモニターを備えて椅子に座ったまま遊べる筐体で、弾を撃つとコントローラーが反応する「VR反動システム」を備えて迫力があった。
ゲームのストーリーのデモも出来が良く、少しレトロ調で懐かしい感じのイラストと、ポリゴンで作られたデモシーンの作りは上手く良く出来ていて、ゲームは発表から20年以上たった今でもまったく見劣りしない完成度の高さだった。
スト-リーとデモの演出に新鮮な驚きと感動
オープニングデモの出来は良く、バロック海沿岸でメガロドンの姿をしたリヴァイアサンが船を襲い船を真っ二つに破壊し、ルーン海域東方で巨大なミズダコの姿をしたクラーケンが現れて触手を使って船を破壊して沈めて人々を襲う。
タルタロス海淵では、深海で作業をしている作業員にチョウチンアンコウのような姿をしたカリュブディスが突然現れ、逃げ遅れたらしい作業員を丸呑みするデモシーンと英語のナレーションは上手くゲームのスト-リーとデモシーンの出来は秀逸で思わず見入ってしまった。
プレイヤーの分身であるキャラクターにはそれぞれ名前があり、1Pはトレル、2Pはクルスになっている。
ゲームのルール説明は分かりやすかったが、難易度は高かった。
ステージ中には宝箱が置いてあり、これを撃つと得点が加算される。
ショックガンについての説明
プレイヤーが使用する武器はショックガンと呼ばれる。
水中銃で動力のついた水中スクーターの様な作りをして、他のハンターも同様のものを持っている。ショックガンの弾数は5発、弾切れになると自動で再装填される。
トリガーを押し続け連射した場合、再装填の時間が少し伸びる。
ゲームは海の中が舞台なので発射から着弾まで若干のタイムラグがあり、敵に命中させるには直接狙うより敵の動きを予想して先読み射撃をしなければならないので少し慣れが必要になる。
ダイバー達を襲う敵から人質を救え!少しシビアな人質救出
オーシャンハンターはライフを回復する為に、肉食魚に襲われているダイバー達を助けなければならない。
ダイバーの救出に遅れると敵に襲われて残念な結果になってしまいライフの回復がなく、情報がもらえない。
当たり前の話だが、誤ってダイバーを撃つと自分のライフを1つ失ってしまう。
プレイヤーがダイバーの救出に成功するとステージが分岐する事があり、助けたお礼としてステ―ジの情報を教えてくれたり、ライフが1つ増えて回復出来る。ライフは最大5つまで増やす事が出来て、ライフ5以上の状態でダイバーを救出した場合は得点を獲得。
ライフ回復の機会は少なく、ステージ6,7はライフの回復は無い。
敵から襲われているダイバーの救出はステージによっては割と難しいので、かなり慣れが必要だった。
私が特に嫌いな食材はタコとイカ!
オーシャンハンターは遊んでいて楽しかったが、ゲームの難易度は高く私にとっての最初の難関はステ―ジ3のタルタロス海淵に出てくる中ボスのスキュラで、緑色に発光するホタルイカを巨大化した姿で、体力が少なくなると突進攻撃を仕掛けてくるので特に苦戦した。
私は子供の頃からタコやイカを食べるのが大嫌いで、理由は私が子供の頃、昔の絵画かイラストでクラーケンが帆船を沈める絵画などを見て急に怖くなり、何かの図鑑で見た火星人のイラストを見て気持ち悪くなり嫌悪した。
シューティングゲームの名作「スペースインベーダー」に出てくるドット絵の姿をした敵が、タコによく似た姿にクラーケンや火星人を思わず重ねてしまいタコやイカを食べることを嫌ってしまった。
私は打倒ステージ3の中ボスを胸に誓い、大嫌いなタコやイカの刺身を克服と願掛けを兼ねて、無理に我慢して食べてゲームに臨んだ。その甲斐あってステージ1のボスであるクラーケンを割とあっさり倒す事が出来て、ステージ3の中ボスは何とか倒す事が出来るようになった。
しかし、その後ゲームが撤去された後、急に食べるのが嫌いになり子供のころから特に嫌いな食材であるタコやイカは今でも食べるのが嫌いな食材のひとつになっている。
しかし、何故かタコ焼きだけは今でも不思議と食べられるのはご愛敬……。
クリアが中々出来ないステージ4のテスココ湖の壁
私は何度かゲームをプレイして何とか頑張って、ゲーム中唯一の淡水のステージ4のテスココ湖まで進む事が出来た。
ステージ4は元々陸地だったところが水没した淡水の湖になっており、唯一中ボスが存在しないステージで、主な敵も淡水のステージらしくガーパイクやピラニアが中心になっている。
途中でピラニアに襲われているダイバーを救出するのだが、誤射もしくは救出に失敗するとピラニアに襲われてあっという間に骨だけになる。その骨に弾を撃ち込むと何故か骨だけが水面に浮上する描写がある。
救出に成功するとお礼に回復アイテム、ライフが最大ならば得点を獲得して助けてもらったことを感謝して、後の事をプレイヤー達に託して去っていく。
ボスは首長竜の姿でエラスモサウルスによく似たアーウィソルトルの噛みつき攻撃に苦戦して、あと一歩の所まで追いつめる事が出来たが、大抵の場合ステージ4のボスを倒しきれず無念のゲームオーバーになった。
運が良ければステージ4のボスを倒す事が出来てステージ5の北海に進む事が出来た。
ステージ5の北海は低温なのでサメは出てこないが、恐らくステージ5のボスである巨大なタカアシガニの姿をしたカルキノスの犠牲になったと思わしき鯨の死体から食い破って襲ってくるヤツメウナギの様な姿をした敵のトリッキーな動きに翻弄されすぐにダメージを受けて、呆気なくゲームオーバーになってしまった。
ゲームは好きだったが、ゲームを全面クリア出来ない事にもどかしさが募り、考えた末にオーシャンハンターを連続コンティニューによるゴリ押しでゲームクリアを目指す事にした。
それ行け怒涛の連続コンティニュー!
私は少し考えた末にオーシャンハンターを全面クリアするのに連続コンティニューをする事を選ぶことにした。
連続コンティニューをしてゲームをクリアするのはタイムクライシスで経験済みだったが、オーシャンハンターはタイムクライシス以上に難しくクリアは大変だった。
ショックガンの弾速には少し癖のあるタイムラグのおかげで、後半から最終ステージにおいて敵が強くなり中々弾が当たらず余計なダメージを受けてしまい、予想以上の苦戦が続きこれが大きな問題でゲームのクリアにコンティニューをする為にお金が余計にかかってしまった。
新たに進む事になったステージ5の途中から、どれが襲ってくるのか分からない大量の小クラゲの大群に苦戦して、赤クラゲによく似た中ボスのメデューサで弱点は傘の部分、自身の攻撃は突進してくるのみだが、無数の小クラゲを従えた中ボスで、小クラゲ達の執拗な突進攻撃に手を焼いた。
ボスである巨大なタカアシガニの姿をしたカルキノスのハサミで殴りつける攻撃や、足による踏み潰し攻撃はプレイヤーがダメージ受けるまでのタイムラグが短く、正確で素早い射撃が必要だった。
体力が少なくなると巨大なハサミで挟み込んで、噛みついて喰らいつくような攻撃を仕掛ける。左右に振られながら弱点である目を攻撃するのに上手く当てるのに苦労した。
ステージ6の西方大海は現実にいるサメも一応出現するが、主な敵はダンクルオステオス、モササウルス、海サソリ、中ボスはバシロサウルス、ミドガルズオルムの体内の内部にはアノマノカリス、三葉虫、オパビニア等の敵が出現する。
本ステージは現在では絶滅した水棲古代生物のラッシュで、生態系を無視したユニーク?なステージになっており、一応ダイバーも存在しているが残念ながらライフの回復は無い。
ボスはミドガルズオルムの心臓であり、これを倒し無事にミドガルズオルムの口から脱出する。もしダイバーを無事に救出していれば一緒に脱出するデモシーンがある。
最終ステージ7の舞台である人々から魔の海域と恐れられるパンタラサは雑魚の敵とダイバーは一切登場しないが、中ボスラッシュのステージで今まで倒してきた一部の中ボスのバージョンアップ版が出現する。
手強い中ボス達の中で、私はステ―ジ3で出て来たスキュラの強化版のタコの姿をした海坊主の突進攻撃に手を焼いた。
海底神殿の中で戦うラスボスは四つん這いの状態の第一形態のダゴン、2足歩行になって気泡と矛を使ってくる第二形態のポセイドン、名前と形態を変えてそれぞれ攻撃方法を変えながら、プレイヤーにしつこく攻撃をしてくる嫌なラスボスだった。
第3形態のラハブになると額に第3の目が現れて禍々しい姿の人魚?に形態を変えて神殿内を泳ぎながら攻撃をして、自身の体力が少なくなるとプレイヤーを舌で巻き付けて丸呑みをするような攻撃を仕掛ける。
弱点である顔の額の所にある目に当てる事が難しく自分が撃った弾が中々上手く当たらず、攻撃までの短いためにすぐにダメージを受けてあっけなくゲームオーバーになりゲームクリアの為に余計なお金が掛かり連続コンティニューをする羽目になった。
悪戦苦闘した末にラスボスを倒した後、エンディングは苦労して大量のお金をつぎ込んだ連続コンティニューした甲斐あって出来が良く、1回目の全面クリアでエンディングはあまりよく分からなかったので、その後も何度かゲームをクリアするために連続コンティニューしてゲームを遊んだ。
ゲームを全面クリアするために使った金額の事は今でもあまり考えないようにしている……。
オーシャンハンターは海や水中を舞台にした珍しいガンシューティングゲームで、家庭用ゲーム機に移植されていないが、ゲーム音楽の出来も良く、秀逸なストーリーと世界観が魅力的なゲームで、絵本のような独特のイラストと3Dポリゴンで描かれたゲームグラフィック、BGMなどの出来は良く、各ステージのボスたち名前は海や水中にまつわる神話をモチーフにしたネーミングセンスも上手く、コアなファンも多い。
ラスボスを倒した後のエンディングは上手く作られていて、エンディングにおいて今回の事件の顛末を英語で話すナレーションと少し絵本風のイラストとの相性はシンプルながらベストマッチしており、ラスボスの不気味さを際立たせる演出に一役買っている。
ゲームに登場する中ボスやボスの名前には、水中や海に関係の深い伝説上のモンスターや神話に出てくるモンスターを中心にして馴染み深い名前が付けており、ゲームをより楽しめる作品となっている。
もし皆さんがゲームのことが気になって興味があれば、ゲームに登場するステージの事を調べてみたり、実在の水中生物やすでに滅んでしまった水棲古代生物の事を調べたり、伝説や神話に出てくる海と水中に関わりが深いモンスター達の事や神話を調べる事で、オーシャンハンターの新たな魅力に気がついて楽しくゲームの世界に引き込まれることだろう。
執筆 現地改修
©DIGITAL butter/EUREKA project