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グランバザール 或いは明治通りにて、春を待つ日

神宮前で逢いましょう 

【グランバザール 或いは明治通りにて、春を待つ日】 

 年によって多少のずれはあるが、冬期は1月末……カレンダーの上では2月4日に春が始まるちょっと前にラフォーレの大型バーゲンが開催されるのでこの日が近づくとX(ホントはTwitterと呼びたいが)にアカウントを持っているロリィタさんは、

“欲しかったあのワンピース値下がりしているかな?”

“終わったあと仲のいい人と原宿の〇〇というカフェでお茶します!”

 なんてつぶやきがタイムラインに回って来るので、前回の夏に参加した身からすると、

(あぁ、いよいよか……)

 と、戦々恐々とする次第である。

 私は人混みが余り得意ではないので、お買い物が済んだらさっさと帰るタイプである。

 もしかしたら、今年は体力と財布にまだ余力があればキディランド原宿で例によってちいかわコーナーに立ち寄りもみくちゃにされて帰ってくるかもしれないが。

 それか、今年は竹下通りにある大き目のサンリオショップでクロミちゃんのグッズを購入しようかとも考えている。

 ここ最近は、本当に欲しいグッズはオンラインで購入しているが、

「なるたけ、店頭レジのリアルマネーでお支払したい」

 というのがホンネなのでYouTuberのサンリオショップお買い物動画なんかでよくロケ地に出てくるこの店舗に入ってみようかなぁ、と竹下通りを通るたびに考え込む。


 今回は、主に靴とカバンをメインに見て回ろうと決めている。

 ロリィタの靴というのは、繊細な装飾が多い上使っている素材からなのか気を付けて履かないと割とすぐに擦り切れが目立ってしまうのだ。

 自慢じゃないが私の足は22.5と小さい部類に入るのでロリィタの通販サイトで靴が値引きされた時などラス1に滑り込める事も多く、今度のグランバでも靴のサイズを確認さえすればお得にお買い物できるのではないか……と踏んでいる。

 出来れば何個か欲しいなぁ、と思っているのとちょっとでもヒールが高すぎると帰りに歩けなくなるのでどちらかというと歩きやすさ重視になってくるので、“ローヒール”だったりフラットシューズに近い比較的ペタッとした靴のお世話になっているのでその辺を考慮しての購入である。

 セール品を漁るというのにやたら注文の多い客だ。

 axes femmeのロリィタラインの靴は履きやすいというのをちょくちょく聞くので値段も定価で良心的な価格なのも相まってそれを2~3足揃えようかなぁ、と通販サイトとにらめっこしている。

 カバンはMaison de FLEURのマチがしっかり入っている(底がちゃんと縫製されている)長方形のバッグを何個か揃えようかと思っている。

 ロリィタブランドの、レザーで出来たカバンじゃなくてもここのトートバッグひとつで荷物は完結させているロリィタさんというのは最近見るようになってきた。

 ロリィタモデルの青木美沙子さんもYouTubeのVlogなんかを見ていると旅行やお買い物ではフルールのトートひとつ提げて歩いている動画もあるのだ。

 フリルの持ち手や左右にリボンが施され、金字でロゴが描かれているカバンが登場した時の衝撃たるや……。

 “フランス映画の屋根裏部屋”というコンセプトの可愛らしい店内も相まって、

(次グランバに参加したら、フルールのトートをまとめ買いできればな……)

 という考えに至っている。


 さて、『今日はたくさんお買い物するぞ』という時に個人的に気を付けている事がある。

“買い物袋は一か所にまとめる”

 ……という、あくまで私だけのポリシーである。

 ロリィタのお買い物というのはとにかくかさばる。

 グランバの会場なんか特に、気を付けていないと両手に花……ならぬ両手にレジ袋で、

「何個も下げていると、電車にどれか忘れて帰りそう」

 となるタチなのだ。

 その上、今度揃えるのが靴である。

 お会計したあと箱に入れられて渡されるものなので大きなエコバッグというのが入用だ。

 グランバに先立ってロリィタブランドのBABY(下妻で深キョンが着ていた
ブランド。あの赤いドレスは今でも再販されているが毎回通販は抽選予約なのでくじ運がない私が買えたら翌日は大雨だろう)にて不織布の大きな買い物バッグを購入しておいたのだ。

 あのふわふわとしたワンピースが容易に入る大きさで、かつマチも広いので恐らく次のグランバでは大活躍する事だろうと思われる。

 同じ考えでそのエコバッグに購入品をしまう人はけっこう居るだろうし、念のため私のヤツにはちいかわの栗まんじゅうのぬいぐるみストラップでも提げておこうか。


 去年の夏のグランバは酷暑の中行われた事もあり、午前中ブランドのB級セールに並んだあと疲れてしまい昼食をクリスティー(前喫茶めぐりエッセイでも書いた老舗紅茶店)でとった後ちょっと買い物して即、帰宅だったが
今年はもう少し滞在出来ればいいな、とは思う。

 クリスティーと同じブラームスの小径という原宿のヨーロピアンストリートに位置する素敵なレストランか或いは…グランバの時にはロリィタさんが集まってブリトーを食す(らしい。噂レベルなので余り信用しないでいただきたい)ラフォーレのGuzman y Gomez でも良いしよくサンリオとコラボしているのを見かけるMILK MILK MILK!というビーカーや牛乳瓶に入ったレトロで可愛らしいスイーツが楽しめるカフェを覗いてもいいかもなぁ、と公式サイトとにらめっこしている。

(喫茶エッセイをお読みいただいている方には周知かと思われるが、書いている人が乳製品・卵が大好きなのは言うまでもない)

 もし、今もお店があればラフォーレ入り口のカフェクレープにて、ブランドとコラボした目にも楽しいクレープを食したかった所である。


 去年のグランバに参戦した時にも思った事だが短い階段に整列し並ぶロリィタさん達の光景は壮観の一言に尽きる。

 遠目で見ると、とりどりのリボンを結んだ幾重もの薔薇の花束のようで、

(ロリィタの、夏と冬の祭典だなぁ)

 なんて考えてしまうのだ。

 こんな月並みな言葉しか出てこないが……。

 このあと一週間足らずで、まずカレンダー上から春が着て徐々に梅や山茶花が咲き始める。

 花の季節に先がけてとりどりの色彩を集めにいく。




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