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【レトロゲーム回顧録】ウィザードリィ外伝2 古代皇帝の呪い 前編


待っていたウィザードリィの続編

 ある日、本屋である家庭用ゲーム雑誌を立ち読みしていた時にゲームボーイ版ウィザードリィの続編が発売される事を知った。
 私は「ウィザードリィ外伝2・古代皇帝の呪い」をすぐに気に入って、家の近くの馴染みのゲームショップでウィザードリィ外伝2を注文し、発売日を楽しみしていた。 


夜20時前!閉店間際の攻防!!ゲームソフトは無事に購入できるか?

 ウィザードリィ外伝2を購入したのは12月の末で、この日は運の悪いことに私がバイトで家に帰宅したのがゲームショップの閉店前する20時前で、ゲームショップが開いている事を確認して速攻で家に帰った。
 帰宅後に親をコンビニで何か買う事を理由に上手く説得(?)して、ゲームを買うために大切に貯金したお金とゲームの注文書を持って、大急ぎで閉店間際のゲームショップに行きゲームを無事に購入。
 ゲームを購入して、コンビニに寄って買い物を済ました後、何事もなく自宅に帰ったのは言うまでもないが……。 


ウィザードリィ外伝2開始!前作のキャラクター達の転生

 夕食後、自室で「ウィザードリィ外伝2」の説明書を一通り読み、ゲ-ムを起動する前にオートセーブにするのかマニアセーブモードにするのか選択するのだが、私は迷わずオートセーブを選択してゲームを開始した。
 前作からの馴染みのあるボルタック商店やカント寺院と訓練場の音楽を聴いた時に、懐かしさ共にウィザードリィの世界に帰ってきたことを実感した。
 ウィザードリィ外伝1で使われていた訓練場での軽快な曲を聴きながら、試行錯誤の末に前作からのキャラクター達の転生が終わった。 


転生したキャラクター達

 今回は前作「女王の受難」での苦い経験から救助用のセカンドパーティーを初めから用意した。
 転生したパーティーは先行して迷宮を攻略してゲームクリアを目指し、同時に救助用パーティーを育成。2つのパーティーを交代させながらゲームを進める事にした。
 
・転生したパーティーの編成
 前衛、ホビットの忍者、性格は中立
 ドワーフの侍、性格は善。
 人間のロード(君主)、性格は善。
 
 後衛、ノームの僧侶、性格は善。
 エルフのビショップ(司教)、性格は善。
 人間の魔術師、性格は善。

 転生したパーティーの性別の方は前作と同じ脳内設定で補完、前衛は高い攻撃力を持つ上級職で固め、後衛は魔法で支援して前衛の援護、ビショップによる未確認アイテムの鑑定。
 前作「女王の受難」をクリアした証として称号が付くなど、一見すれば理想的で良いことずくめの編成だが、前衛の3人が上級職の為に前衛のレベルを上げるのに大量の経験値が必要となりレベル上げに時間が掛かる欠点を持っていた。

・救助用パーティーの編成
 前衛、人間の戦士、性格は善。
 ドワーフの戦士、性格は善。
 ノームの僧侶、性格は善。
 
 後衛、ホビットの盗賊、性格は中立。
 エルフのビショップ、性格は善。
 人間の魔術師、性格は中立。

 性格は善の属性が多い事といつも未確認アイテムの鑑定にビショップがいるのは、いつものお約束で、魔術師をエルフではなく人間に選んだ事や、魔術師の性格を中立したことで後々になって後悔することになった……。
キャンプ中の落ち着いた曲やギルガメッシュの酒場の曲も明るく私が好きな曲である。
 迷宮の攻略には転生したパーティーを主に使う事にして、それと並行して救助用パーティーを育てた。後に救助用パーティーも先に転生したパーティー同様に転職をして、本作のラスボスであるスケイリーエンプレスを倒すことになる。
 この年はバイトが忙しく、「ウィザードリィ外伝2」を遊ぶ時間が中々なく本格的にゲームを遊べるようになったのは年が明けてだった。 


外伝2から新たに導入した新システムと追加された呪文

 「ウィザードリィ外伝2」は前作のウィザードリィ外伝1の続編という事もあり、本作は新たなシステムがいくつか導入され、中にはマニアックな導入もあった。 


キャラクターの転生

 転生の書は、外伝1でアイテムを全種類集めた時にボルタック商店から記念品として貰えるアイテムで、外伝1からのキャラクターの転生の書に表示されるパスワードを使って外伝1から外伝2に、お気に入りのキャラクターを転生にする。
 転生したキャラクターは称号を引き継ぎ引きレベルは1になるが、これによって前衛の上級職を転職する事なくキャラクターを最初から用意出来るが、前衛の上級職を育てるには大量の経験値が必要になってしまうのが最大のデメリットになる。
 転生の書を使っても、必ずしも自分の思ったキャラクターが転生するとは限らず、自分が思うようなキャラクターは中々出来なかった。 


ゲームボーイ用通信ケーブルにおいてのウィザードリィ外伝シリーズの考察

 前作からのゲームボーイ用の通信ケーブルを使い外伝1から外伝2にキャラクターを転送して転生することも可能で、その場合外伝2から外伝1に再び1に戻る事が出来ず、前作のROMからキャラクターが消えてしまうので勧められる行為ではない。
 しかし外伝2同士もしくは、外伝1同士でのキャラクターの転送は可能でこれを利用して仲間同士や友達同士でアイテムやゴールドの融通をお互いでしたり、キャラクターを転送してレベル上げの手伝いや全滅したパーティーの探索など出来るが、お互いが強い信用と信頼関係で結ばれていないといけないので、余程の友人関係が良好でない限り絶対に勧めは出来ない。 


画面の切り替え

 マップのグラフィックを線画もしくは画面にどちらかを切り替えてゲームを楽しむ事が出来るモードで、設定画面の所で画面をOFFにすると自動的に線画になる。
 パソコンライクなウィザードリィを好むウィズのプレイヤー向けのサービスで普通に遊ぶなら無理に選ぶ必要はない。 


オートマップの有無

 前作のオートマッピングに慣れたプレイヤーには少し荷の重いモードで、設定画面の所でオートマップをOFFにするとデュマピックを使っても座標表示されて、マロールの移動を座標指定しなければならない。
どちらかと言うと地道にマッピングを楽しみたい人のモードである。 


マニアセーブモードについて自分なりの考察

 オートセーブにするかマニアセーブを選ぶのかはゲームを始める前に、プレイヤーが選択できる。
 オートセーブは迷宮内で常にセーブできるが、マニアセーブは地上でしかセーブできず迷宮内でセーブはできない。
 例えば聖なる鎧や村正、エクスカリバー等の希少価値の高いアイテムや大量の経験値とお金を持ち帰ろうとして不用意な戦闘でパーティーが全滅しそうな時に、リセットをすればその時の探索は無かったことにされる。
 迷宮に降りた時点まで戻されてしまうので、プレイヤーは緊張感をもってゲームを遊ぶことになる。
 もしマニアセーブから通常のオートセーブに戻したい場合は、全部のキャラクターを消してS―RAMをクリアしなければならない。
 マニアセーブを逆手に使えばオートセーブの時には不可能だった一定確率で破損する能力値を上げるアイテムのスペシャルパワーを使って能力値を上げて使い、もしアイテムが破損すればリセットをしてアイテムが壊れる前の状態から始めからやり直し、僧侶の蘇生呪文であるカドルトを使ってキャラクターが灰もしくはロストしてもリセットをしてやり直すことも可能で、ある意味姑息な技といえる。


魔法の変化

 外伝2になって使えない呪文が削除され、新たに魔法が追加された。
 
 ・削除された魔法
 僧侶魔法レベル3、(ハカニド)戦闘時、敵1体のMPを消耗させ、魔法レベルを下げる。
 僧侶魔法レベル4、(バディアル)戦闘時、敵1体に2~16ダメージ

 2つの僧侶呪文が削除された。
 ・追加された呪文
 魔術師の追加呪文
 魔術師レベル5、(カニト)戦闘時、1グループの低レベルの敵を窒息死させる。
 魔術師レベル6、(ラザリク)戦闘時、ツザリクの強化版で敵1体に64~80ダメージを与える。

 僧侶の追加呪文
 僧侶レベル5、(フィスノイト)戦闘時、敵全体の魔法に対する抵抗力の減少。
 僧侶レベル6、(モガト)戦闘時、悪魔系の敵1体を元にいた場所に送り返す。
 召喚魔法である魔術師魔法のソコルディと僧侶魔法のバモルティも、召喚されるモンスターの数がそれぞれ5体から7体に強化された。
 今作から追加された特殊攻撃に即死ブレス攻撃が新たに追加されて、これによりウィズのプレイヤー達のリセットの回数が増えた事でしょう。


最高の攻略本との出会い

 年が明けてバイトがひと段落し、本格的にウィザードリィ外伝2を遊んだ。
 ゲームは主に転生したパーティーを使って探索。ゲームは楽しかったが、転生したパーティーのレベル上げと戦闘は少し大変だった。それでも少しずつ未踏破の迷宮を一歩ずつ進めてやりがいのあるゲームであった。
 寒い雨が降る1月、いつまでも貧乏性がまったく抜けない私は電車代をケチって歩いて道場へ行く途中の本屋に立ち寄り、本屋の奥にある攻略本コーナーにアスキーから出版された『ウィザードリィ・外伝2古代皇帝の呪いイマジネーションガイドブック』があった。表紙の出来が良くこの本が普通の攻略本では無い事が一目でわかった。
 表紙のラスボスの周りで六魔王達が集合して何やら会合している表紙のイラストが気に入り即購入、道場から家まで歩いて帰って夕食後に自室で本を読んで強い衝撃を受けた。
 本の内容は、今までモノクロで表現されていたモンスター達が綺麗なフルカラーで印刷されて各モンスターの懇切丁寧な文章と説明は分かりやすく紹介されており、特に女性の敵キャラクター達のグラフィックは清楚さと同時に妖艶さを合わせ持つ綺麗なイラストは、いつまでも目を引いた。
 各職業のイラストも前衛・後衛共にしっかりと描かれており、各職業の持つ武器や防具とアイテム類も綺麗に描かれたイラストと丁寧な解説文に冒険の舞台となる交易都市アルマールの設定などを想像しながら読み、何度読んでも飽きさせない内容になっている。
 本誌は発売から30年以上経った今でもまったく見劣りしない高い完成度と内容は、今なお色褪せる事は無くファンにとってはたまらないもので、今でも人気が高く中古の攻略本の中でも10000円以上する高額な本となっている。
 ほぼ同じ時期ぐらいにJICC出版局「ウィザードリィ・外伝2のすべて」が発売されてこちらの攻略本も買った後に楽しく読ませてもらった。迷宮探索に必要な基本的な情報のほかにウィザードリィ友の会によるウィザードリィの歴史を簡単に振り返り、同ゲームの事典や読者コーナーなどは思わず笑ってしまった。 


今回は思っている以上に文章が長くなったので、以下後編に続く……。



  • 執筆 現地改修

  • ©DIGITAL butter/EUREKA project

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