見出し画像

【レトロゲーム回顧録】ウルフファング空牙2001(ウルフファング)

ウルフファングとの最初の出会い

 

私がウルフファングの事を最初に知ったのは、高校卒業前のこと。

市内にある馴染みの駅前にあるゲームセンターの店内にあるカウンターの少し上に掲示板があり、その掲示板には入荷する新作ゲームのことが書いてあったその中にウルフファングの名前が書いてありどんなゲームなのか興味を持った。

ちょうどその頃、私が毎月欠かさず買っていたゲーメストにもゲームの事が載っており、ゲームの概要が大体分かる様になった。

4種類の機体とボディ(胴体)・アーム(腕)・レッグ(脚)の3種類のパーツを組み合わせて64種類の機体を構築して、選ぶことが出来る新しいアイデアを取り入れた新作アクションシューティングに強い興味を持った。

高校卒業後にゲームは入荷して、何度か1つ年上の親友と一緒に市内の駅前のゲームセンターに遊びに行って何度かゲームを遊んだ。

その時遊んだ時には自機である装甲機兵の機体名はなく番号などで表記されていて、私がゲームプレイしたのは多分ロケテスト版のようものだと思われる。

その時に使用した私の最初の機体は、機体番号TYPE-09(雪風)を使用、ロボットが活躍して自分好みの機体を選択していく新しいアイデアはロボゲーが好きな私はすぐにこのゲームの事を気に入ってしまった。

 

隣町の駅前の隣接したゲームセンターに、ある日突然ウルフファングが入荷。

 

隣町の駅前に隣接した場所にゲームセンターがある事とゲームの入荷の話を私の一つ上の先輩のゲーム好きの友達から教えて貰い、彼も空牙の続編であるウルフファングに強い関心を示していた。

プレイ料金は100円と高く2人同時でのプレイが可能で、1Pは青色で男性2Pは赤色で女性となっている。

高校卒業したばかりでいつもお金が少なかった私には少し高い出費だったが、当時このゲームの魅力に引き込まれていた私にはあまり気にしていなかった。

ミッション3からはステージの分岐がありプレイヤーは、ミッション3ーA、コードネーム「風の墓標」、生還率:50%、もしくはミッション3ーB、コードネーム「漆黒の牙」、生還率:70%、のどちらかのミッションを選択可能。

一部のミッション名や一部のボスには北欧神話にちなんだ名前が付いており、最終面のミッション名は北欧神話の神の名前をモチーフにしており、4つのマルチエンディングがある。

 

自分だけの愛機を構築せよ、各パーツの紹介

 

 プレイヤーの自機となる装甲機兵は基本となる4種類の機体と、サブウェポンになるボディ(胴体)・近接武器となるアーム(腕)・ジャンプの高さとダッシュ力や移動速度の基本になるレッグ(脚部)の3つに分かれておりこれを組み合わせる事によって、異なる64種類の個性的な名前を持つ機体が完成する。

ゲームを開始する前に左画面に現れる可愛いオペレーターさんの説明で、「SELCTーMODE」もしくは「CONSTRUCIONーMODE」どちらかを選択することになる。

 「SELCTーMODE」の機体名はA-TYPE(TYPE-01蒼龍)、B-TYPE(TYPE-02天雷)、C -TYPE(TYPE-03火龍)、D-TYPE(TYPE-04神龍)、の基本になる4種類の機体を選びゲームを進める。

 

「CONSTRUCIONーMODE」はボディ(サブウェポン)・アーム(近接武器)・レッグ(脚部)のそれぞれ3つの各パーツを組み合わせて64種類の機体を組み上げていくモードになっており、もしプレイヤーが誤って自機を組み上げてしまうと後からキャンセルして始めからやり直すことが出来ないのでプレイヤー達はパーツと機体選びに慎重な選択が求められた。

 

各パーツ種類少し詳しく少し説明すると

ボディ (サブウェポン)

装甲機兵の頭部と胴体を構成、サブウェポンは背中に装備される。

 

ホーミングミサイル(HM)

多数の誘導ミサイルを発射するが誘導性が低い[u1] 、チャージにかかる時間がサブウェポンの中でも一番早い。

チャージ段階が進めばミサイルの数が増えていき、チャージが最大時に上手く大量の誘導ミサイルを当てる事が出来れば、単体の敵にも大きなダメージを与える事が出来る。TYPE-A

チャージメーターが最大になると「|《Maximum homing missile power! マキシマムホーミングミサイルパワー!》」の掛け声が掛かる。

 

エレクトリッガー(EL)

4種類のサブウェポンの中で敵にダメージを与える威力は最も低いが、自機を中心に敵弾を打ち消す事が出来る高電圧を放電してバリアを展開する。

チャージ段階が進めばバリアの効果範囲が広がるが、一部の敵の武器は打ち消す事が出来ないので注意が必要になる。TYPE-B

チャージメーターが最大になると「|《Maximum stun gun power! マキシマムスタンガンパワー!》」の掛け声が掛かる。

 

フレイムランチャー(FL)

自機の真上に弾丸の様な物を打ち出し、上空で炎の雨を降らせる。

チャージ段階が進めば火炎弾の幅が広くなり効果時間が長いが、弾丸を真上に打ち出すために火炎弾の展開に少しタイムラグがあるので、敵が大量に来る事を先読みしながら使用すると高い効果を得られる。TYPE-C

チャージメーターが最大になると|《maximum fire storm power! マキシマムファイアストームパワー!》の掛け声が掛かる。

 

グレネードランチャー(GL)

自機の左右に放物線を描いて榴弾を打ちだして敵などに着弾すると炸裂して爆風が左右に飛び地面に着弾すれば火柱が上がる。

チャージ段階が進むにつれ前後1発ずつ計2発→同2発ずつ計4発→同3発ずつ計6発に発射数が増えて4種類のウェポンの中で最も破壊力は高いが、チャージの時間が一番長い。TYPE-D

チャージメーターが最大になると|《Maximum grenade launcher power! マキシマムグレネードランチャーパワー!》の掛け声が掛かる。

 

アーム(近接武器)

 

装甲機兵の左腕に装備、主に接近する敵や爆弾・ミサイル・機雷などを迎撃する。

ショットボタンを連打して再出時間を短縮する。

モーション中にダッシュ入力を行うと攻撃をキャンセルできる。

 

ナックルショット(NS)

 

拳で殴る。リーチはパイルバンカーの次に長く、単発当たりの威力は平均で再出時間は最も短い。 

アーケード版では誤って「NUCKLE」の文字で誤字表記されたが、後に家庭用ゲーム機に移植された時はナックルの文字は正しく「KNUCKLE」に無事修正された。TYPE-A

 

ビームソード(BS)

ビームソードで上段から斬りつける攻撃をする。接近武器の中で最低の威力だが自機の周囲360度ほぼカバーして再出時間は最も短い。TYPE-B

 

アイアンクロウ(IC)

鉄の爪で下段から切り上げる。自機前方180度の足元から頭上をカバー、威力はビームソードより高い。

 アーケード版では誤って「CRAW」の文字で誤字表記されたが、後に家庭用ゲーム機に移植された時は「CLAW」に無事修正された。TYPE-C

 

パイルバンカー(PB)

杭を自機前方に真っすぐに打ち出す。リーチと破壊力は最も高いが上下の攻撃範囲が狭いうえに射出までの時間が長く連射も効きにくい。TYPE-D

 

レッグ(脚部)

 ジャンプと移動力に関わり機体の高さは当たり判定と、ジャンプ後の敵に対して踏みつけ攻撃に大きく関わる。

 

2足滑走型(2W)

移動速度は速いが、ジャンプ力は低い、猟兵2人搭乗可能。移植版のプラスモードでは2段ジャンプが可能。TYPE-A

 

2足ホバー型(2H)

移動速度は遅いがジャンプ力は、4脚走行型の次に高い、背が高くなり当たり判定が最も大きくなってしまう事が最大の弱点。猟兵2人搭乗可能。

移植版のプラスモードでは空中ダッシュが可能。TYPE-B

 

4脚走行型(4W)

移動速度は最も低いが、ジャンプ力は最も高い猟兵4人搭乗可能。

移植版のプラスモードではホバリングが可能。TYPE-C

 

6輪操舵型(6W)

移動速度は最も速いが、ジャンプ力は最も低いが、最も背が低いので当たり判定が小さい猟兵4人搭乗可能。

移植版のプラスモードでは2足滑走型と同じく2段ジャンプが可能。TYPE-D

 

装甲機兵は、使い慣れていくとただの兵器としてのロボットでは無く苦楽を共にする愛機となり相棒以上の存在なっていく。

 

アイテムについての説明

 

 ゲーム中に出てくる青色の無人機のアイテムキャリアーはゲーム中特定の位置や一定の点数を獲得時に現れ、これを破壊するとアイテムが出現する。

 

パワー

 銃器の威力を1段階上げる。(最大3段階)銃器の威力が最大になった時に獲得するとボーナス得点が入る

 

チャージ

 サブウェポンのチャージゲージを最大まで上げる。ゲージが最大状態で獲得するとボーナス得点が入る。

 

ライフパック

 自機のライフゲージが1個回復する。ライフの最大値9個。ライフ最大値の時にライフパックを取るとボーナス得点を獲得する。

 ライフパックの出現には、法則性があり後述する。

 

ウェポンチェンジ

 銃器を変更できる。弾を当てるとⅤ→C→G→L→Ⅴ・・・・・・と変化して、4週すると爆発して画面中の敵にダメージを与える。同じ銃器を取り続けるとボーナス得点になる。

 

猟兵

装甲機兵の背中に乗る。2足型なら最大2人、4脚型と6輪型は最大4人まで装甲機兵に乗せる事が可能で、背中の所に乗って各自単発で銃を撃って攻撃をする。

自機が無事で猟兵が最大人数を超えて彼らを取るとボーナス得点が入ってくるが、自機が破壊され脱出した場合、彼らを回収すると、プレイヤーに追随する様な動きをする。

 

銃器(メインショット)

装甲機兵の右手に装備する。

 

バルカンキャノン(V)

 自機の初期装備。広範囲に扇状の弾丸を発射する。パワーアップ段階が進めば3方向→5方向→7方向に発射して幅広くカバーする。

 

クラスターガン(C)

回転する丸い弾丸の塊が広がりながら真っすぐに進む。パワーアップ段階が進めば弾が2発セット→4発セット→6発セットに増えて威力が上がる。

 

グレネードガン(G)

砲弾を発射して着弾して爆発すると爆風で敵弾を消す事が出来るが、一部の武器は打ち消す事が出来ない。パワーアップ段階が進めば、単発→2連発→3連発に増える。

 

レーザーライフル(L)

 攻撃力は最も高いが、攻撃範囲が狭くボタンを押してからの攻撃判定に時間が掛かる。パワーアップ段階が進めば、レーザーの太さが3段階に変化。

ボタンを押したままにするとレーザーを発射したままの状態になるが、正面と斜め45度の2方向しかカバーできない。

 

最高の愛機にして最高の相棒、TYPE-05「虎徹」との出会い

 

ある日、私の1つ上の先輩の友達と雑談やゲームの事で楽しく会話をしていると彼から

「君好みの機体がある」

そう言われて、機体の事を教えてもらい私は自分の機体を雪風から虎徹に変えた。

しばらくの間は雪風と虎徹を交互に使っていたが、雪風の脚部はホバーだったので当たり判定が大きかったのが難点でその後、雪風から虎徹に乗り換えた時にその扱いやすさと使い心地が良かったので、虎徹は私の大切な愛機となった。

何機か別の機体を試したが、虎徹ほど上手く扱いきれず元の扱い慣れた機体に戻る事になりある意味幸運(?)な出会いがその後、自分とウルフファングとの関わりを大きく変えていくきっかけになった。

 

熱いぜ!熱いぜ!復活は熱いぜ!

 

 自機の装甲機兵が敵の攻撃でダメージを受けてライフゲージが2になると黄色で表示され、さらにダメージを受けてライフゲージが1になると赤で表示され渋い英語の声で自機の危機を喋って教えてくれる。

「|《Warning:low energy 警告!エネルギー低下!》」

警告して自機の危機を教えてくれて更にダメージを受けてライフが0になると

「|《Alert:critical damge 非常事態!致命的ダメージ!》」

上の台詞に続いて

「|《Eject,eject! 脱出!脱出してください!》」

声と共に自機は破壊されプレイヤーキャラは外に投げ出されて脱出して腰にいる猟兵達も同様に投げ出されてメインショットは初期状態になり、最も危険な状態になってしまい、もしこの状態でミスをしてしまうとゲームオーバーになってしまう。

復活するには、チャージ・パワーアップ・ライフパックの3つのアイテムを獲得して再度装甲機兵を組み立てた時に|《Combat suit has been repaired 再度戦闘可能》」の掛け声とともに破壊された自機が復活する。

しかし、復活した自機は大抵の場合ライフ1の状態からの復活で再度ダメージを受けて自機を失い再度アイテムを回収する羽目になることになった。

海中のステージである4ーCで脱出時、プレイヤーと猟兵達は海の中でどんな風に目を保護して、酸素の呼吸はどうやっているのかゲームの発表から30年以上経った今でも分からないウルフファングの謎ではあるが……。

 

お金をつぎ込んで見た忘れられないエンディング

 

3月のある休みの日に入荷したての、ウルフファングのエンディングがどんなものか見たくなり思い切って2000円以上の大量のお金をつぎ込んで、コンティニューしまくり、5-A以外のルートのエンディングを私の愛機である虎徹を使って見る事にした。

大量のお金をつぎ込んだ甲斐もあって、どのステージの演出やエンディングは良く出来ていており一度見たら忘れられない演出と悲壮感のあるゲーム音楽もよくゲームにマッチしていた。

特に5ーD、コードネーム「テュ―ル」生還率:20%のエンディングで、本物の「イグドラシル」の激しい砲火に晒されて装甲機兵が頭部と両腕を失い

「マスター。セントウリョク50%ダウン。“イグドラシル“ヲハカイスルノニハ、1ツノカノウセイシカアリマセン。[u2] 」

このセリフに続いて1P主人公の

「!…そうか。ならば俺もつきあうぜ。[u3] 」

セリフの後に「イエ、ワタシダケデ、ジュウブンデス。マスター、マタ、イツカ、オアイシマショウ…。[u4] 」 

そう言って装甲機兵が主人公を無理やり脱出させた後に、自機が本物の「イグドラシル」に突っ込む衝撃的な展開を迎えるエンディングは30年以上経った今でも、私にとっては目頭が熱くなるほど忘れられない強い印象を与えたエンディングだった。

この事がきっかけになり虎徹が私にとって大切な愛機となった。

「ならば、俺も付き合うぜ!」

主人公のセリフが気に入り、しばらくの間私の口癖になっていた。

 少し経った後に、隣町にある個人経営のゲームセンターにもウルフファングが入荷して1プレイ50円で安く遊べる事が出来て私の同時にゲームライフは充実していった。

同時に何故か連射装置付きの「空牙」も入荷した。

最後に残ったコースである5ーAに私が挑む事になるのは、それから約4ヶ月後になる。

 

ゲームのサウンドトラックの購入

 

ウルフファングはゲーム音楽CDで発売され同時収録のタンブルポップの曲をカップリングされていて一枚のCDで2つのゲームを収録しており、値段は当時1500円とリーズナブルな値段で、お金が少ない私にも少し優しい値段でショッピングモールの中にあるCDショップで購入した。

収録された曲の内容は、ウルフファングは1曲目にROHGAのアレンジバージョンがあって、この曲を聴いた時のノリの良い音楽に大きな衝撃を受けた。

ゲーム中に流れるオリジナルの音楽を全部聞くことが出来て騒々しいゲームセンターでは中々聴きにくいゲーム音楽を家でじっくり聞けた曲の最後にゲーム中に喋る渋い英語の台詞も全部聞けた。

同時収録されているタンブルポップの明るく楽しい音楽もウルフファングに負けない良いゲーム音楽だった。

 ゲーム音楽CDを買って来て全部の音楽を聴いたが、ウルフファングの熱いノリと勢いのある音楽とタンブルポップの明るくコミカルな音楽は好対象で一枚1500円のゲーム音楽CDの出来は値段以上の価値があった。

ゲーム音楽は両方とも出来がよく何度聞いても飽きる事がなく気に入り、その後CDデッキからカセットテープにゲーム音楽をダビングしてCDデッキで聞けない時には、ウォークマンを使って音楽を聞いていた。

 

ある日突然、ウルフファングのプレイ中に聞こえた謎の声

 

 ある日の事、私がウルフファングでいつもの様に遊んでいると自分の愛機である虎徹が喋り始めた。愛機から聞こえる謎の声を聞きながらゲームをプレイすると、途端にゲームの調子が良くなった。

 同じ時期ぐらいに1つ上の先輩の友達も彼が使う機体から謎の声が聞こえたみたいですが、彼の場合は機体とよく口論になり仲良く付き合えなかった様で、やがて彼はゲームを止める事になった。

 私の方は機体との相性が良好過ぎたようで、愛機である虎徹から聞こえる謎の声とアドバイスを頼りにして使い慣れた自機を自分の手足の如く操り、機体と一体化してしまった感覚は、まるで自分が人機一体の正確にして冷徹な戦闘マシーンになっていく感覚は他のゲームでは中々味わえない新鮮な驚きと経験だった……。

 

挫折した上級者用スペシャルモード

 

 ウルフファングに隠しモードがあり、コイン投入後1P側のショットボタンとサブウェポンボタンを押しながらスタートボタンを押す事で選択画面の上級者用のスペシャルモード「ROHGA(狼牙)モード」かノーマルモードで遊ぶか選択可能。

上級者用のスペシャルモードの難易度は高くステージ分岐はなく、全12ミッションを回らなければならず1回勝負でコンティニューが無くスコアランキング画面では、スペシャルモードに挑戦した証として使用した機体名が緑色にランキングされる。(通常は青色で表示)

やってはみたものの、スペシャルモードは難しく何度も挑戦したがゲームの難易度は難しく、私は愛機の声を頼りにゲームを進めても上手くいかなかったので早々に諦めて、いつもの通常コースで遊ぶことにした。

 そんな、ゲームと共に歩んで楽かった充実した日々は、ある日突然終わりを迎えてしまった。

 

今回は思っている以上に文章が長くなったので以下後編に続く。




  • 執筆 現地改修

  • ©DIGITAL butter/EUREKA project


いいなと思ったら応援しよう!