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個人情報保護・プライバシーに配慮したブラウザを選ぼう

 海外の記事を読むとき、通常はGoogle ChromeやSafariといったブラウザを使用して機械翻訳にかけることが多いと思います。
 しかしGoogle ChromeやSafariには以下のような問題があります。

  1.  広告ブロッカーを拡張機能でインストールしないといけないので煩雑、動作が重くなる

  2. 全文を一括して翻訳するので、個別の文やパラグラフの原文を参照したいときに不便

素晴らしいブラウザBrave

この問題を一挙に解決してくれるブラウザがBraveです。

 Braveはプライバシーに最大限配慮したブラウザで、クロスサイトトラッキングやCookieをデフォルトでブロックし、検索履歴も保存しません。さらに最近はバージョンアップで、Torチックなオニオンルーティング機能も付いたプライベートウィンドウも開けるようになりました。NordVPNなどのVPNソフトを入れVPN接続しTorでアクセスすればほぼプライバシーの問題は生じません(かなり遅くはなりますが)。オニオンルーティングとは、クライアントからサーバーにアクセスする際に経由するルーターごとにカプセル化を施すプロトコルで、玉ねぎのようにパケットを何層もカプセル化するのでオニオンルーティングと呼ばれるようになりました。ちなみに一部のウェブサイトはVPN接続やオニオンルーティングによるアクセスを遮断していることがあるため、その点は注意が必要です。

 Braveにはデフォルトで広告ブロック機能が搭載されており、ほとんどの広告をブロックして快適なブラウジングを可能にしてくれます。特にインターネット上の文字媒体の記事は、ページ遷移の際にインサートされる広告やポップアップ、文章を読むのに気が散るポップアップ動画などが多いので、もはやBraveなしでは集中して記事を読めません(Chromeにも広告ブロック拡張機能を入れる方法がありますが)。BraveはGoogle Chromeのオープンソース版であるChromiumベースで開発されているため、使用感はほとんどChromeと一緒です。Google Chromeで利用可能な拡張機能のほとんどもBraveと互換性があります。

Malware + Advertising = Malvertising

 ちなみになぜプライバシーや安全に配慮したBraveで広告ブロックがデフォルトかというと、広告自体がマルウェアである場合があるからです。マルウェアとアドバタイジングを組み合わせてマルバタイジングと呼ばれたこともありましたが、広告のリンク先がフィッシングサイトだったり、広告を表示するスクリプト自体になんらかのマルウェアが仕込まれ、ユーザー情報などを外部に送信していたりすることがあります。したがって、基本的にウェブサイト上の広告はクリックしないか、表示させないようにすることがセキュリティを高めるコツです。社用のPCでウェブブラウジングをする場合もあるでしょうが、その際も広告ブロックを入れ、見ているウェブサイトに元々ついているリンクなのか広告枠で外部から配信されている広告なのかを区別することは非常に重要です。これをお読みになっている情報システム部門の責任者の方は、ぜひ無料のアドブロックの導入を検討してください。それかBraveの使用を推奨してもいいかもしれません(記事の執筆者は一切の責任を負いませんが)。

各文翻訳プレビュー機能

 さて、Braveで海外記事を読む際の最も優れた特徴が、「単文ごとに翻訳前の原文を表示する機能がついている」ことです。Google ChromeやSafariにも翻訳機能はついています。使わないのでよく知りませんがMicrosoft Edgeにも搭載されているでしょう。しかし、これらのブラウザの翻訳機能の問題点は「全文一括でしか翻訳できない」という点です。機械翻訳は万能ではありません。特に、政治や経済の分野の記事ではふつう一般名詞として使われる単語が独自の意味を持ち、さらに独特の言い回しが多用されます。流動性(liquidity)や転換社債(comvertible bond)などの単語は正しく翻訳されないことが多いため、直訳された日本語から原語を推定して正しく読むという変換作業が必要になります。これらの変換に自信が持てない場合には、原文を参照しなおして確認するということになりますが、そのたびごとに記事の全文が原文に戻るのは煩雑です。また原文で倒置や多くの要素が並列されている場合に、グーグル翻訳は正確に文章の切れ目を検知することができないことが多くあります。

 このときにBraveでは、一つ一つの文章ごとにマウスオーバーで原文を表示してくれる仕様になっています。これはChromeやSafariのようにページのリロードを必要としないためネットワークにも負荷をかけずに済むほか、どこの文章をどのように訳しているのかを追跡することができるため大変便利です。英語以外にも様々な言語に対応しているため、語学の学習の題材としてネット上の記事を利用する場合にも大変役立ちます。いちいち文ごとに区切ってグーグル翻訳にコピペして意味を取るという必要がなくなるので大変効率的に海外記事を利用することができるようになります。

マウスオーバーで翻訳前の原文を表示できる

 Braveは無料で、Mac、Windows、Linuxのいずれでも利用可能です。快適なブラウザを探している方は検討してはいかがでしょうか。(利用はすべて自己の責任においてなされるものとします)

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