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逆噴射ピックアップその五(20231220)


追記

 最終選考作品が発表されています! 二十一作品が選ばれました!
 私の作品は残念ながら、落選です……! 次はライナーノーツの出番だ!

逆噴射小説大賞二次選考発表・発表スケジュール

 週末! それは古代日本の各地でプレミアムフライデーという休みっぽい楽しい儀式が発生し、「今日はビール飲もうかな」「ケンタッキーでチキン買おう」「スシは……」とかそういう楽しい雰囲気が混じっていたのですが、いつのまにか雲散霧消しました。
 そして逆噴射小説大賞二次選考の結果が投下されました。エッ! 早くない!? それでいて大賞作品の発表もあります!

 一次選考や二次選考にあたってのコメンタリーも書かれています。有料部分があるのですが、創作に関するヒントやポイントが多いので、よろしければぜひご覧ください。私も身につまされるところがたくさんあります。人は本質を突かれた時……顔に力を入れて耐えるしかなくなる……

 今後の発表スケジュールとしては、

 金曜日から土曜日にかけて熱くなりそうです。
 ところで「全体からのピックアップ・コメンタリー」という試みを初めて見ました。「この作品は二次選考とかで選外だったが、こうこうこういうところを修正すればもっと良くなるだろう」「この作品はジャンルを変更したほうがうまくいくだろう」とか、そういう提案なのかしら。

 また、前回のnoteでも記しましたが、私の作品は『土蔵は下へと旅を紡ぐ』が入りました。やったぜ!

https://note.com/eule/n/ndd2a26ceddf6?from=notice

 軽く反省点を洗い出してみると、

・ツェツェとの戦いにおいて、描写にぶつ切り感が出ているので、もう少しなだらかに文章をまとめる。
・「昏睡状態で寝ている」など、「頭痛で頭が痛い」というような文章が多いので整理する。人はたいてい昏睡状態でランニングしたりしない……
・ダンジョンに入るくだりが若干入り方が弱い
・「戦闘体験」=「刺突、隠匿、拳銃、柔道、小銃」とあるが、「隠匿」「柔道」の辺りが単語として適切かどうか怪しい。単語を変えるか、「戦闘体験」ではなく「戦争体験」にして、カメラをロングにしたほうが良い。そうすると例えば深夜の戦闘や、諜報活動、仲間内での会議など、もう少し幅長にできる。

 などがあります。時間が経ったからこそ見えてくるものがありますが、とりあえず突破できました。嬉しい!
 次回は反省会を兼ねたライナーノーツを書く予定です。
 今後書いていくものの予定としては、

・逆噴射提出作品のライナーノーツ(800字版のあとがき)
・書いたけどボシャった逆噴射プラクティス第一話を整理して投稿する、三本
・書きかけの逆噴射プラクティス(十一万字書いたやつ)を仕上げる
・読書感想文

 などがあります。ちょっと、多いね……!

 それはそれとしてピックアップをしていきます。だいたい三十作品ほどピックアップしたので、そろそろ打ち止めになるかもしれません……!

ピックアップ第一段

ピックアップ第二段

ピックアップ第三段

ピックアップ第四段


最期寿司

 腕利きの板前の失踪と、それを追う記者の話……なのですが、途中で出てくる牛刀ババアの印象が良い意味で強すぎて、板前がややかすんでしまいます。「ババアは失うものがない。特攻隊員として最適な人物だ」は『ハチワンダイバー』の言葉ですが(うろ覚え)、まさにそんな強いババアをぶつけてきた感じがします。
 あるいは、このババアがウェートレスを殺害して入れ替わっているというより、外から《暴》の化身として入ってきて、たまたま出くわしたウェートレスをなぎ倒した可能性も高い。
 映画によっては出オチ的な要員でありますが、種類によっては終盤まで主人公を狙い続けるライバル的なシリアルキラーにも昇華されうるので、主人公は特に注意して対応しなければなりません。これがサイコブレイクやバイオハザードだったらかなりの難敵だった。
 失踪した板前セイゴを探す前に、まずはこの暴れ狂うババアから逃れなければならない。ジェイソンのように突っ込んできた《暴》をどうやっていなしていくのか、わたし、気になります!
 

死闘裁判

https://note.com/baroque_core/n/n06d5b86bf5a0?sub_rt=share_b

「オッ呪術廻戦で弁護士が戦う回があったかあんな感じに進行するのか?」と思っていたら想像の斜め上を行く格闘技でした。逆転裁判以上のつよつよ裁判かよォ!
 私は予告編しか見てないのですが、『最後の決闘裁判』とか、こんな感じに両者の殺し合いが始まっていた気がします。
 ボクシング出オチで終わることもなく、格闘の内容も充実しています。作中で用いられる武術はジークンドーですが、今後は相撲やテコンドーなど、色々な方向に拡張できそうだと感じました。顔面の踏み砕き、目潰しとあると、総合格闘技も視野に入ってるように思えます。
 この世界で法科大学院や民法、刑法を引き合いに出すのは野暮かもしれませんが、この世界、弁護士には腕っぷしが強くないとなれないようですね……! ロースクールはファイト・クラブみたいになっていそう。
 フィクションを引き離す勢いで現実世界が加速しているので、相手が政治犯だったら……とか、有名Vtuberだったら……とか、アサシン系動画配信者だったらどんな状況になるのか……とか、考えていて好奇心がつきません。
 作品の状況を見るに、検察は控訴をするようです。裁判の仕組みをざっくり説明すると、裁判→控訴→最高裁になります。おそらく最高裁は規模が大きいので、チーム戦になると考えられます。集団弁護団と検察団による、裁判員制度を利用した大規模なデスマッチが予想されます。『ニンジャスレイヤー』みたいな多対多の戦闘や、スマブラのKAZUYAみたいな強キャラが出ると予想しています。楽しみですね。

グッドデイズ・マイシスター。

 昨今流行りのブイチューバー! というヘッダーから始まるのですが、ヘッダーの画像からして不穏。画面移りが悪いというより、無理やり画像を捻じ曲げた感じがします。若干、終わり際の文章が何を意味しているのか難しいのですが、教授の醜聞みたいなものかしら? あとは細かい指摘なのですが、人名にルビを振って欲しいです(読めなかった……!)
 ブイチューバーの現状として、登録者84万人はなかなか多いが、いまの業界の上中下で比較してみると、中ほどか……? と思いつつ読んでいたら、次々と明らかになる情報。主人公と合歓垣の魂胆がどのように一致するか気になるところです。
 難しいのは、合歓垣の目的が達成された場合、それを観測できるのが主人公しかいないことですね。その頃には合歓垣はこの世にいないわけですから……
 自律アイドルとなると、所属事務所を通さず、フリーで永遠に画面の向こうに踊り続ける存在……サイト消されたらどうするの? とか、チャンネルがbanされたらどうなるんだ……? という野暮な疑問は、攻殻機動隊やリングが帳消しにしてくれます。おそらく勝手に自己増殖して関連サイトやチャンネルを立ち上げ続けるし、誰かのPCやサーバーに寄生してサバイバルしていきそう。

シエラの帰還点


 いきなりの暴力ですが、スムーズに展開されるので読者は新鮮な頭で対応することができます。また、七年間――飛行機――十二人目――という単語により、細かいルール説明がなくとも、読者は主人公の身に何が起きているのかを推察できます。
 そうか、ここは終わらない閉鎖的デスゲームの最中だったのか……!
 未成年たちが主役というのはゴールディングの『蝿の王』を思い出しますが、あの作品は不穏な雰囲気を漂わせていた作品だったのに対して、こちらでは既に爆発しています。
 閉鎖空間にずっと閉じ込められると人間はおかしくなりますが、まさにそれが主人公の身に起きている。ルールは不明であり(おそらく実際に説明されることはない……)、わかるのは飛行機の内部にいることと、誰かが死んでも常に十二人に補充されることだけです。漫画の『ぼくらの』では、ルール外での人数の増加や減少について言及されていましたが、それを想起しました。誰かが途中で妊娠とかしたら、これどうなるんだ……?
 最後の辺り、もう一人の登場人物が出てきて、やや甘酸っぱい青春物語が展開されていきます。続きが気になります。
 タイトルにある『シエラの帰還点』はどういう意味だ……? と検索してみたところ、こういう記事が引っかかりました。

今回のボーイング除外で、新型“終末飛行機”開発に手をあげているのはネバダ州にある航空機・宇宙船の開発製造会社であるシエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)だけになりました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3

 終末飛行機ですって! 想像したら鳥肌が立ちますよ奥さん! なんでそんなとこにこどもたちが乗ってるの!?


バキラが首都にやってくる

 たまにツイッターとかで「でっか……」という言葉を目にするんですが、今回は《暴》がでかい女性が来ました。名前はバキラ。巨女なのでどちらかというと『ジャイアントお嬢様』に近いんですが、明白な違いは、こちらは明確に戦闘を繰り広げています……!
 巨大な女性であるバキラが、デートするために機動艦(たぶん空母みたいなやつ)に乗り込んでくる話。無許可なので機動艦の兵士たちが反撃するんですが、意に介さないでパンチとキックで兵士たちを黙らせていく。その上でバキラの周囲にはキナ臭い話が溢れているらしい……
 バキラ視点と少尉の視点が交互に入れ替わっているので、若干ストーリーを把握するのに手間取る点はありますが、基本的なストーリーは「恋をしたバキラがデートしにきた」です。
 読んでいて、〈バキラは誰とデートしにきたのか?〉という疑問が浮かびました。途中でバキラは初代総統に恋をしていることがわかりますが、最初の文章が「おーい少尉、しょーうい! デートに来たぞう!」とあります。
(この女は少尉ともデートすることで二股をかけているのか……?)と思っていましたが、おそらく〈総統とデートしにきたのだが、総統は奥まったところにいると思うので、ひとまず執事役っぽい少尉に挨拶をした〉という意味だと解釈しました。なので、少尉に挨拶したのだが、当の少尉は機動歩兵で殴ってくる。あるいは、バキラは昔初代総統に恋をしていたのだが振られてしまい、いまは少尉に恋をしている……?
 巨大な生物と人間が恋をした場合、手をつなぐとか散歩するとか、そういう細かいところから問題が生じます。手を握られたら死ぬし、ハグされても死ぬ。それを回避するために少尉が機動歩兵に乗るわけですが(そもそも少尉は恋愛対象ではない)、バキラにとってはデート=闘争なのではないか……? 人類とバキラとの価値観の違い……
 バキラも根っこが純粋な人物だと思うので、幸せになってほしいと思いました。
 

おまけ


 ローグライクゲーム的に、男がエルフ同伴でダンジョンの最下層へと潜っていく話。二次選考を突破しました。嬉しい!

 陰陽的に黒い少女に導かれて、サラリーマンが白い少女を探しに行く話。君烏帽子被ってない?

 今回は以上です。
 改めて週末には逆噴射大賞作品が発表されますね……!
 次回はライナーノーツか本の感想あたりをやっていきたいですね。

《終わり》



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