見出し画像

神保町ブックフェスティバル2024で街頭インタビューをしてみた

世界一の本の街、神保町で毎年10月に行われる「神保町ブックフェスティバル」は、本が好きな人にとっての特別な日。古書や新刊、さらには個性的なイベントが集うこのフェスティバルで、来場者の皆様の本や書店に対する愛情や出会いを聞くため、街頭インタビューを決行しました。ブックフェスティバルでの釣果から、未来の書店像、そして現在建て替え中で2026年春オープン予定の神保町本店に望むことについて伺いました。


宮澤さん(左)、佐藤さん(右)

----------本日の釣果を教えてください

「公園/卒業式」小島信夫著 冬樹社 1974年刊※古書

----------本日の目的は?

古本まつりで「田中英光」の関連書を探しに。ブックフェスティバルにはふらっと来ました。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

とにかく本を置いてほしい。王道の書店、王道のカフェが良いです。


迎さん(左)、ホシバさん(右)

----------本日の釣果を教えてください

・「内田魯庵山脈」山口昌男著 晶文社 2001年刊
・「四百字十一枚」坪内祐三著 みすず書房 2007年刊
・「雑読系」坪内祐三著 晶文社 2003年刊
・「探訪記者松崎天民」坪内祐三著 筑摩書房 2011年刊
・「アメリカ」坪内祐三著 扶桑社 2007年刊
・「考える練習をしよう」マリリン・バーンズ、マーサ・ウェストン著 晶文社 2015年刊
・「明星」川島小鳥著 ナナロク社 2014年刊

----------本日の目的は?

「本の雑誌社」のブースで坪内祐三宅にある蔵書の現物が販売されていたので、それを目当てに。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

旧神保町本店の古書館があらゆるジャンルの古書があって良かったです。名物書店員さんのコンシェルジュ機能を期待しています。書店員さんはどんどん前に出てきてほしいです。


黒田さんご夫婦

-----------本日の釣果を教えてください

・「80年代アニメソング総選挙ザ ベスト100 50年男2024年7月号増刊」

-----------本日の目的は?

ブックフェスティバルに来て、そのあと「TeaHouseTAKANO」の紅茶を買うのが毎年のルーティンです。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

著名な著者のイベントやサイン会を続けてほしいです。あとは普通のカフェがあれば。本にかかわる雑貨もあると嬉しいです。


三輪さんご夫婦

-----------本日の釣果を教えてください

・「北斎漫画 vol.1~3」葛飾北斎著 青幻舎 2010年刊
・「怖い浮世絵」日野原健司、渡邉晃著 青幻舎 2016年刊 ほか

-----------本日の目的は?

神保町BFには毎年きます。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

仮店舗で実施している短歌などのオリジナルフェアを続けてほしいです。オリジナルブックカバーの時も注目していました。知らない本に店員さんの直筆POPなどが付いていたら買ってしまいます。


山本さん親子

-----------本日の釣果を教えてください

・「日本民俗の源流」上井久義、上井輝代著 創元社 1969年刊

-----------本日の目的は?

民俗学の研究をしているのですが、毎年ブックフェスティバルに資料を探しにきています。掘り出し物を発掘しています。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

変わらないでほしいです。どこの書店も文具売場が拡大してきたなあと感じます。


松原さん

-----------本日の釣果を教えてください

・「別冊太陽 銀座とクリエイター。」 2019年刊

-----------本日の目的は?

目的は特になく、ふらっときました。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

食事、お茶できる場所があるとよいですね。また、台湾の「誠品書店」のような雰囲気、どんな本でもあるのではないかと思わせてくれるところ。ただハードルは高くなりすぎず、気が向いたときゃ仕事帰りにふらっと寄れるところが良いなと思います。


植田さん

-----------本日の釣果を教えてください

・「繁盛店が必ずやっているPOP最強のルール」沼澤拓也著 ナツメ社 2012年刊
・「評価規準をどう生かすか」西辻正副著 明治書院 2012年刊
・「ことばの日めくり」レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ、小沼文彦著 女子パウロ会 1989年刊

-----------本日の目的は?

特に目当てのものはないです。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

店内を思わず巡回してしまうような活発な企画、フェアが開催されていると嬉しいです。書店員の色が出た発信も期待しています。


白井さん

-----------本日の釣果を教えてください

・「ちくま日本文学 川端康成」筑摩書房 2008年刊
・「ちくま日本文学 折口信夫」筑摩書房 2008年刊

-----------本日の目的は?

三島由紀夫関連書や歴史関連の本を探しにきました。普段からよく古書市や骨董市を覗きにいきます。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

リアルな書店に便利さは求めない。手に取って中をみて購入を決められるのが最大のメリット。書店には一期一会の出会いを求めています。


櫻田さん

-----------本日の釣果を教えてください

・「歴史探偵 忘れ残りの記」半藤一利著 文藝春秋 2021年刊
・「『自分の木』の下で」大江健三郎著 朝日新聞出版 2001年刊

-----------本日の目的は?

ふらっときました。書店にもよく通います。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

書店では普通においても売れない本や重版しなさそうな本を集めたフェア企画をしてほしい。書店はふらっと立ち寄る場所で、本との出会いを期待しています。


河野さん姉妹

-----------本日の釣果を教えてください

・「世界は五反田から始まった」星野博美著 ゲンロン 2022年刊

-----------本日の目的は?

知り合いがブースを出しているので、会いに来ました。ブックフェスティバルには初めてきました。

----------未来の書店や新しい三省堂書店神保町本店に望むこと、残して欲しいことはありますか?

他で売っていないような珍しい本があるとうれしいですね。書店には目的買い以外の要素を求めています。
※余談ですが「大げさな『帯コピー』の表現は嫌です」とのことです。


今年も多くの来場者で賑わいました。会場には、インタビューにご協力いただいた方々をはじめ、ご家族連れやカップル、ご年配の方々など、幅広い層の人たちが集まり、書籍と触れ合う時間を楽しんでいました。この光景は、まさに本と人との温かいつながりを感じさせるものであり、こうした風景が未来にも続いてほしいと強く思わされるひとときでした。

インタビューを通じて、多くの方が「未来の書店」についてイメージすることを難しいと感じている様子が印象的でした。「今のままで十分」と語る方が多く、現状の書店や本屋文化に安心感を持っていることがうかがえます。しかし同時に、この現状に甘んじず、私たちはお客様の声を真摯に受け止めつつ、その想像を超える新たな体験を提供していかなければならない、と改めて実感しました。現代の変化の早い社会の中で、書店はどのように進化し、未来の読者にどのように寄り添うべきか——そのヒントを得られる貴重な機会となりました。

最後に、インタビューにご協力いただいた皆様、そしてフェスティバルを盛り上げてくださったすべての来場者の方々に心より感謝申し上げます。これからの書店の在り方を共に考え、形にしていくための一歩を踏み出せたことに感謝しています。

※本記事および掲載されている写真については、すべて被写体の方々ご本人より事前に掲載許可をいただいております。インタビュー内容や写真は、許可範囲内で使用しており、プライバシーの保護に十分配慮しております。


いいなと思ったら応援しよう!