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松竹座 七月大歌舞伎
5月以来歌舞伎から遠ざかっていたがお誘いを受け松竹座へ。
出し物は
平家女護島
一、俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 仁左衛門
丹波少将成経 幸四郎
丹左衛門尉基康 菊之助
海女千鳥 千之助
平判官康頼 橘三郎
瀬尾太郎兼康 彌十郎
吉右衛門さんと全く違う仁左衛門さんの俊寬。
船を追って海に入っていく。気づかない間に花道が海になってすっぽんが少し下げられて俊寬が海に這入る場面は初めて見たかも。
十八世中村屋が実際の海にはいった俊寬を偲んでの事?って勝手に思ってしまったが個人的にはやり過ぎかなと感じた。
私の中のベストオブ俊寬はもう観られないけど今回出色の出来は丹左衛門尉基康の菊之助さん。瀬尾のやじゅさんの嘆願をスルーして俊寬に殺やれてしまう。ちょっとした笑いも取り美しい二枚目。白塗りのお役はよく似合う。
千鳥は大役で大変だったと思うが元気過ぎた。義太夫に乗るのに必死で立ち回りの後ろ姿は一生懸命過ぎてもう少年感が溢れて微笑ましい気もするが女方を目指すなら体の殺し方を考えないとね。生まれながらにして大きなお役を出来る立場にあるのだから精進を望む。
仁左衛門さんなら俊寬より色男を観たかったと言うのが本音。幸四郎さんや菊之助さんに観て学ばせる意味も在るのだろがやっぱり明るい出し物が観たかったな。
一門から出て行った名題下は本名で出演してた。成駒家に行ったのか今月も俊寬に出てた。可能なら観たく無かったがこればかりは仕方ないか。
吉原狐(よしわらぎつね)
三五郎 幸四郎
泉屋おきち 米吉
越後屋孫之助 隼人
仲働お杉 虎之介
貝塚采女 染五郎
十寸見東作 吉之丞
岡っ引き幸八 松之助
鶴賀富吉 廣太郎
遣手おつる 吉弥
小松屋おえん 孝太郎
松葉屋女将お筆 扇雀
遠州屋半蔵 鴈治郎
米吉君の当たり役だ。そそっかしさで回りをてんてこ舞いにする。父三五郎は幸四郎さんで恋人お杉は虎之介君。年の差カップルも可愛い。越後屋のはーちゃんは出て来ただけで大富豪同心みたい。わがままお侍の采女は染五郎君、これまた美しい。2人目ともわがままなお役だけど舞台に居るだけで綺麗過ぎてストーリー忘れそう。
夏の暑さを吹き飛ばすコメディだが米吉君の弾丸トークにダレも口を挟めないところがミソ。他流試合や新作歌舞伎を経て一回りも二回りも魅力を増した米吉君。女方として光り輝く。夏の松竹座は楽しい笑いとほっこりした幕切れで打ち出し。
楽しかった。
それにしても仁左衛門さんの人気は凄い。こんなに賑わってる松竹座は久しぶりだ。
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