【マクロ経済学】Y=ĀKªL¹⁻ªのĀって何???
ども、爆死まるえつこです。ひとの名前もじっといて情けない名前ですみません。今回はマクロ経済学、経済成長論、ソロー・モデルに登場する数式であるコブ=ダグラス型生産関数Y=ĀKªL¹⁻ªのĀについてみていきましょう。
Q「ミクロもそうだったけどマクロもいろいろすっとばしてソロー・モデルの記事書くの?」
A「いいじゃんべつに。おもしろいんだもん…」
Āは生産性
はい。Āは生産性を表します。今回の記事は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!
ってちょっと待った!!大学の授業ならĀの扱いはこんなのかもしれないけど(爆死まるの大学はそうでした…)、もうちょっと考えてみましょ。
そもそも生産性ってどういうことだろう???
生産性とは?
Āは生産性、おカタい言葉でいうと、
「全要素生産性(Total Factor Productivity)」です。
これを考慮しないと、経済成長(=一人当たり生産量の増大)は「一人当たりの資本量」の増大でしか達成されないということになってしまいます。
現実の事例と大きくズレちゃいます。
この不具合を直すのがĀの概念です。
Āを詳しく説明する前に、Āがあることの重要性について確認しましょう。
一人当たり生産量を数式で表してみると、こんな感じになります。
これは、ある国の一人当たり生産量yには、一人当たり資本量kがα程貢献しているなら、生産性Āは1程度貢献しているということでしょう(α<1)。各国の経済成長の違いはĀの値によるものが大きいといえます。
現実の世界でも貧困国のĀは低いことが多いようです。
国と国との経済成長で格差が生まれるのは、Āが主とした原因であると考えられます。
国によってĀの大きさが違うのはなぜ?
Āに違いが生まれるのはなぜでしょう。
Āの大きさを決める要因は、大きく分けて3つあると考えられます。
まず、その国の技術です。一言に技術といっても様々ですが、研究開発やソフトウェアの充実度だけでなく、財の算出に関わる生産方式や、流通の円滑さなどがこれにあたります。
次に、人的資本です。人が多けりゃいいってもんじゃない。これは生産に関わる人たちのスキルの蓄積を表します。良質な労働力かどうかってことです。
※人々のスキルを上げるには教育投資が手っ取り早いです。日本でも高卒と大卒では(大卒で働く期間が4年も遅くなっても)、生涯年収は大卒の方が上だったりします。(高卒の人々の労働力が適切に評価されていない!と問題になっているとも聞きますが…)
現在、教育投資による収益率の上昇は先進国でも発展途上国でも起こっているようです。特に発展途上国の教育投資による収益率上昇はかなり大きいもの(1割程度上昇)のようですね。すごい。
3つ目はその国の制度です。法律や政治システム、特許権や著作権の整備が関係しています。さらには、効率的な資源配分を達成できる政策の運用の有無などもこれにあたります。
事例・・・同じ民族・生活様式を有する東ドイツと西ドイツ。前者はソ連に倣った計画経済、後者はみんなおなじみの市場主義経済でした。この二国の制度の違いは生産性の格差を生みました。東ドイツの生産性は西ドイツの約1/3~1/2であったといわれています。
まとめ
ここまでソロー・モデルで扱われる「全要素生産性Ā」について考えてきました。国ごとの経済成長に差が生まれるのは、このĀが大きく関係していると考えられます。国ごとの生産性Āの大きさを決めるのは、大きく分けて、その国の技術、人的資本、制度の3つの要因が絡んでいるようです。
今回の記事は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました!
<参考文献>
金谷貞夫(2014)『演習マクロ経済学』新世社
佐々木昇(2013)「旧東ドイツの市場経済への移行と民営化」『福岡大学商学論叢』https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1650&file_id=22&file_no=1(最終確認日2021/02/10)
杉山富士雄(2009)「ソロー成長モデルと開発途上国の経済成長に関する諸事実 : 新古典派経済成長理論の貢献と限界」『生活科学研究』
https://bunkyo.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=546&file_id=37&file_no=1(最終確認日2021/02/10)
村田 治(2019)「人的資本と労働生産性 : わが国に関する実証研究のサーベイを中心に」『 経済学論究』 http://hdl.handle.net/10236/00028389 (最終確認日2021/02/10)
金谷マクロは大学院・大学編入で利用される参考書です。
実はメ〇カリとかで買う方が安かったりします…(小声)。