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人に教えるつもりで読もう

こんにちは、学びスタジオ®︎代表の奧川えつひろです。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、読むことについて書きます。

❤︎1回読んだら忘れない


1回読んだら覚えられる子と、
何回読んでも覚えられない子は、
いったい何が違うのでしょうか?

❤︎記憶に残るかどうかは"頭の使い方"次第


私たちは五感を通じて何か情報を得たときに、
それに対して何らかの処理を行います。

このときに、
頭をよく使う"深い処理"をしたときほど
記憶に残りやすくなることが知られています。

❤︎処理水準説(3つの文字情報の処理)


❶形態的処理 目で見ている
❷音韻的処理 音読する
❸意味的処理 意味を考えて読む

そして、
❶→❷→❸の順に処理が深くなっていき、
記憶に残りやすくなります。

❤︎頭を使う深い処理ほど記憶に残りやすい


文章を目で見ているだけの形態的処理対して、
文章を音読すると、
音韻的処理になり一段深い認知的処理になります。

昔から音読のほうが黙読よりも効果が高いことが知られています。

そして、
最も効果があるのが、
意味を考えながら読むことです。

❤︎読む実験


学生たちを2つのグループに分けて、
一方のグループには
「このあとテストをします」とつたえ、
もう一方のグループには
「このあとで別の学生にこれを教えてもらいます」とつたえました。

すると、
“教えるつもり”で学習したグループのほうが、
内容を正確に思い出せる確率が高くなり、
重要なところほど特に記憶に残っていました。

❤︎人に教えるつもりで読むと記憶に残りやすい


"教えるつもりで読むこと"は、
意味を考えて読むことにつながります。

だから、
子どもに対しても、
読む時に、
“教えるつもり”で読んでもらうことが大切です。

「どんなことが書いてあったか、あとで教えてね」と子どもに言いましょう。

子どもは意気揚々と誇らしげに学んだことを教えてくれるでしょう。
小さな子ほど効果的です。

そして、
子どもが教えてくれたときは、
子どもが喜ぶよつなリアクションをしましょう。

子どもが
"お母さんに教えてあげよう"
と考えて読むことから、
情報の関連づけが始まっていきます。

❤︎たくさんの単語は覚えにくい?


単語を
50個覚えるのと10個覚えるのとでは、
少ない10個のほうが簡単です。

これは、
単語それぞれがバラバラな情報だからです。

❤︎多くの情報を精緻化する(関連づける)こと


しかし、
相互につながっている情報は、
数が多いほど覚えややすくなります。

もし、
その50個の単語が
例文の中に関連づけてうまく入っているとしたら、
覚えやすくなります。

その中の1つの英単語を思い出すときにも、
その単語が使われていた前後の文脈から、
その単語をイメージするのも容易になります。

こういったイメージで、
覚えたいものにまつわる情報を増やしたり、
もともと覚えている情報とつなげたりすることで、
記憶は思い出しやすくなります。

知識を覚えるためには理解が必要で、
理解をするためには知識が必要

❤︎精緻化するために


❶構造化する

“プラチナ・アルミニウム・青銅・サファイア・石灰石・銀・銅・しんちゅう・ルビー・花こう岩”といった鉱物リストを覚えるのに、
鉱物の中には金属と石があり、

金属の中には
貴金属・普通の金属・合金があり、
石の中には宝石と普通の石がある。
というように、
階層構造を作って情報を整理した結果、
それぞれの情報が“精緻化”され、
記憶引き出しやすくなります。

○知識と理解、どちらも大切

知識を覚えるためには理解が必要で、
理解をするためには知識が必要で、
どちらもお互いを必要とし合います。

❷因果関係を考える

例えば、
「お母さんは手が疲れた。
お兄ちゃんは足が疲れ。
お父さんは目が疲れたと。
妹は頭が疲れた、
と言っている」

これらを覚えてくださいと言われたときに、

誰がどこを疲れたと言っているかの組み合わせは時間が経ったら忘れてしまいそうです。

ですが、
情報を追加してみます。

「お母さんはバレーをしている。
お兄ちゃんはサッカーで。
お父さんはいつも仕事で長時間パソコンに向き合っている。
妹は勉強して」
こういった情報を与えられると、
途端に覚えやすくなります。

なぜ「足が疲れた」
という結果が起こったのか原因がわかると、
覚えやすくなるのです。

ここでも重要になるのが“知識”です。

「パソコンでお父さんの場合、
長時間の仕事をすると目が疲れる」
「大人は仕事でパソコンを使う機会が多い」
という知識を持っていて、
はじめて因果関係が理解できるのです。

だから、
子どもの知識を増やすために、
日頃から「なんでそうなったと思う?」
と問いかけ考えさせましょう。

❤︎できる範囲で頭を使いこなすことが、精緻化を強くする


意味を考える上で効果的な “階層構造”と“因果関係”を考えることです。

このような知識を精緻化し、
論理的に整理する力は、
だいたい10歳以降に急激に伸び始めます。

中学受験に向けて勉強するタイミングにぴったり合致します。

できる範囲で、
少しずつ精緻化して、
論理的に考えるようになると
もともとある知識を整理したり、
新たな知識をそこに結びつけたりすることが自分でできるようになっていき、
学習した内容がすぐに覚えられるようになっていきます。

❤︎まとめ。人に教えるつもりで読もう


ただ読むだけだと、素通りしても、
人に伝えようとして読むと、責任感が生まれ、
意味を考えたり、内容を関連づけてながら
深く読むことができます。
それが、読解力につながっていきます。

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