音楽家の旅行記 伊勢・奈良編 Part13 -法隆寺その2〜お土産〜夕食-
法隆寺〜続き
さて、法隆寺には弥勒菩薩等有名な仏像や聖徳太子の肖像画など一度は社会の教科書で見たことがあるような国宝などが宝物館に収められていた。それらを眺めるに、奈良の人物の描写はやや丸みとふくよかさがあり優しい印象を受けた。この雰囲気は他の県の仏像などからは感じることができないものであり興味深く思ったのだった。よくよく考えれば奈良時代と平安時代もそれだけでもだいぶ時代の隔たりがあり、ましてや平安時代に関しては300年弱続いたわけでその中だけでも様々な様相の変化があったに違いないだろう。
お土産巡り
法隆寺の観光を終え、奈良駅に戻る。奈良の町を少し歩き、そこでお土産を買うことに。奈良ではみそせんべいと大和茶、そして柿最中を購入した。
バラマキ用に購入した柿最中。人数分とは別にバラ売りもあったので一個だけ別に買い席を確保しパクリ。中のあんこに柿が練りこまれているようだ。
非常に透明感がありながらはっきりとテクスチャーも感じられる味わい。正岡子規の俳句にもあるとおり奈良は柿の産地としても知られるがこの柿がとても濃厚であり、それでいてピュアであり旨味が強い。このしっかりした上での透明感というのは奈良の味覚の一つの傾向であるように思った。
夕食
さて、夕食にするのだがここで前日の日本食に飽きている感覚が残っていることに気が付いた。こういう時は素直にその感覚に従おうと思う。ということで訪れたのは某有名イタリアンチェーン店だ。まずは火照った体に冷たいビールを流し込む。
結局この日は3万1000歩歩いたようだ。今までの観測史上自己ベストの歩数である。それだけ歩けばクッタクタになるのも無理はない。そんな疲れ切った体に冷たいビールが染み込んでいく。そしてその後に到着したのはボロネーゼのスパゲッティ。
このお店のセルフサービスのオリーブオイルは質が高い上に安い。今年は1.5倍値上がったもののそれでも値段だけ見てもスーパーで売られている他のオリーブオイルよりも若干安い上、その質はかなり高い。もっと高い質のオリーブオイル、国内外産とはずあるなれどこれ以上の質を求めるなら100mlとかで数千円のものになってしまうことだろう。500ml1200円でこの質はおそらくこのお店以外での入手法は日本ではないと認識している。料理をする私はこの店に来た時はオリーブオイルをほぼ必ず買い家でイタリアンを作る際大いに活用させてもらっている。どころかオリーブオイルを買うためにレストランに来ているところまである。
このオリーブオイルをドバドバとパスタにかける。これだけでだいぶイタリアの味に近くなる。実際イタリアでもオリーブオイルは醤油の如く卓上に置いてあり、また醤油のごとくあらゆるものにかけて食べる。それがたとえ料理の段階で既に使われているものに対してもだ。それだけオリーブオイルはイタリア人にとって当たり前であり欠かすことのできない国の食材、調味料なのである。そこに別注文した粉チーズをたっぷりかけてだいぶジャンキーに仕上げる。パスタがだいぶ柔らかい以外はだいぶ外国の味を堪能できたかのように思う。なおパスタは本場はアルデンテというが、イタリアでパスタやリゾットを頼んだ際アルデンテのものがバリバリと音を立てるくらい堅いものに出会った時もあったこともあり、これはアルデンテじゃなくて半生とかバリカタ、いやハリガネの類じゃないかと驚いた経験を思い出す。一方ではアメリカとかでは結構クッタクタになるまで茹でることが多いらしく、中国と日本のラーメンのようにお国柄がはっきり出るものなんだなと思った次第。
次回に続く。