フランス、砂糖熱狂時代とラム酒菓子誕生秘話。
フランス、ロワール地方の主都ナントの銘菓「ガトー・ナンテ」を作りました。アーモンド主体の円形のラム風味の生地にこれまたラム酒をたっぷり効かせたグラサージュがほどこされたお菓子です。しっとりと柔らかく、お酒たっぷり。大好きな地方菓子の一つです!
これがなぜナントを代表するお菓子になったのか?
ナントはかつてボルドー、ルアーブルとともにフランスを代表する貿易港でした。16世紀以降、ヨーロッパの列強は、西アフリカから黒人を西インド諸島やブラジルに送り込み、綿花、たばこ、サトウキビなどのプランテーションで働かせる三角貿易を行っていました。中でもヨーロッパ中が熱狂したのは、さとうきびからできる砂糖です。
(現地のマルシェで売られていたガトーナンテ)
1730年ごろには、フランスはヨーロッパの砂糖市場を占めるようになりました。さとうきびからはラム酒も造られます。ラム酒は、西アフリカに手土産として運ばれたそうですが(要は奴隷を斡旋する人にです)
それを船に積み上げていたであろうナントの人たちは、ラム酒を砂糖と一緒にお菓子に使うことを思いついたのです。「ガトー・ナンテ」の誕生です。そして都会にはカフェも登場し、コーヒーやショコラに砂糖が使われ、おかゆ(ヨーロッパのそれは、麦を砕いて煮たもの)にも砂糖が加わり、そこから派生したクラフティー、ファーブルトン、カヌレなどの家庭菓子、修道院菓子が作られていったと憶測します。
もはやお菓子は特権階級だけのものでなく、庶民の食卓にも変革をもたらしたのです。金曜から始まるフランス地方菓子料理クラスでは、このガトー・ナンテを作ります。
(上の写真は、ナントの世界屈指の美しいパッサージュ・ポムレー)
教室では、他、アルザスのブレデレ(クッキー)2種、お料理はこちらもアルザスの白ワインリースリングで風味をつけてる豚料理です。日曜はzoomでもご覧いただけます。
https://match-ing2.jp/t/yukiko_omori/menus/29
Zoomは初回のみ半額とさせていただきます。