ボルドーワイン。とりあえずこんなこと知っておくと便利かも?
ボルドーのワインには、シャトーXXXとシャトーの名前が入っていることが多いが、
シャトーとは、本来お城という意味。しかしここで言うシャトーは、ワイン生産者のことで、ボルドー地区には、約8000のシャトーがあるという。
ボルドーとは、au bord de l’eauつまり、水のほとりという意味である。ジロンド県に流れるガロンヌ川とドルドーニュ川が合流したジロンド川が大西洋の注ぐ、まさにこの水のほとりで良質なワインが生産される。また、これらの川のおかげで、多様な土壌が形成され、水はけもよくぶどう栽培に適した土地となっているのである。
ボルドーのワイン造りは、4世紀にローマ人によって伝えられた。その後アキテーヌ公女がイギリスのヘンリー2世に嫁いだため12世紀から15世紀の間、ボルドーワインはイギリスに多く輸出され、イギリスではクラレットと呼ばれて人気を博した。シャトーを持つ領主たちが自分たちのシャトー名でワインを売り出したのは17~18世紀頃である。オランダからガラス瓶やコルク栓がもたらされて、ワインの保存がよくなったことも要因とされている。
ボルドーワインと呼ばれるのは、ジロンド県のみで生産されているワインで、そこでは20地区にぶどう畑があるが、高級ワインの生産地は次の5地区になる。
1、 Médoc(メドック)地区
2、 Graves(グラーヴ)地区
3、 Saint-Emilion(サンテミリオン)地区
4、 Pomerol(ポムロール)地区
5、 Sauterne(ソーテルヌ)地区
上記、それぞれの土壌とワインの特徴は以下である。
1、 メドック地区
粘土質と白亜土、小石と砂、そこに反射する太陽の熱により、心地よい芳香と口当たりのよいワインを産出する。産地は、Haut-Médoc(オー・メドック)とBas-Médoc(バ・メドック)地区に分かれるが、
優良赤ワインは、すべてオー・メドック産である。使用される品種は、おもに60%が
カベルネ・ソーヴィニョン。
また、ボルドーワインには、A.O.C (のちにA.O.P.)の他に1855年のパリ万国博覧会出品時にメドックを中心に国が定めた格付けというものがあり、その段階は1級から5級まである。1級のシャトーには、Château-Lafitte-Rothschild, Château Margaux, Château Latour, Château Mouton-Rotschild(,当初から1級ではなかったが、1973年に1級に格上げ)、Château Haut-Brian(生産地はグラーブ地区であるが、例外的にメドックの1級となる)が名を連ねている。
2、 グラーヴ地区
グラーヴとは、砂利ということばgravierから来ているということで、砂利と少量の粘土質の土壌により、独特な重厚なワインを生み出す。メドック地区に比べると、明るめなルビー色で柔らかい口当たり。ぶどう品種は、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロなど。白ワインも生産。
3、 サンテミリオン地区
コートとグラーヴの2区域で生産され、日照時間が長く、粘土質と白亜質の土壌は、水はけも良いため、ボディーはふっくらとした厚みがあり、繊細な香りのワインができる。ぶどう品種は、カヴェルネ・フランやメルロが多いため、タンニン分が少ない。1954年以来、1996年まで数回の格付けが行われており、その中での最高格付けは、Château Ausone, Château Cheval Blancである。中世の面影残る美しい町は、世界遺産に登録されている。
4、 ポムロール地区
土壌は粘土質と酸化鉄が混ざり、ぶどう品種はメルロが多いため、タンニンが少なく香りが豊かで美しいルビー色のワインとなる。公式な格付けは行っていないが、Château Pétrusが有名。
5、 ソーテルヌ地区
世界最高級の甘口白ワイン生み出す地区。ガロンヌ川に支流の温度が低いシロン川が流れ込み、その温度差から生ずる霧の湿気により、ぶどうに貴腐菌を発生させ、水分を蒸発させて当分の高い干しぶどうのようにすることで、最高の貴腐ワインが出来上がる。ぶどう品種はセミヨン。
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