食べられる栗の本当の名前と、栗の二つのAOC(AOP)
栗のことをマロンと呼ぶが、実はマロンは食べられない。食用の栗はシャティニエという木から採れるシャティーニュと呼ばれるもの。一方マロンはマロニエの実である。両者の違いは、シャティーニュはイガの中に3つ入っておりとがった形、マロンは1つしか入っておらず丸みを帯びている。
1,ローヌ・アルプ地方、アルデッシュの栗
フランスの栗の収穫量の50%、1万トン以上を誇るアルデッシュ県の栗は、シャテーニュ・ド・ラルデッシュと呼ばれ、2006年にAOCに認可されている。今では日本のスーパーでも買えるクレマン・フォジェ社のマロンクリームはアルデッシュの栗加工会社のものである。1885年にマロン・グラッセの破片をクリームにして販売することを考えついたのだという。アルデッシュ県では、毎年秋にレ・カスティナードと呼ばれる栗祭りを開催している。
2,コルシカの栗と栗の粉
(栗粉のパンケーキのデザート)
コルシカは温暖なその気候が栗栽培に適しており、紀元前から栗の木が生育。その種類も50は下らないという。麦が育たないコルシカでは、栗はパンの木と呼ばれ、粉に加工して主食となり中世には飢饉を救った。また、お金と同様の価値を持ち、オリーブオイルやワイン、チーズと交換もされていたという。しかしその後、葉が黒く変色するインク病に悩まされ、近代化にとともに伐採され、また食生活の変化の影響により、栗の木は減少傾向をたどっている。しかし現在でも、栗粉をゆでてポレンタ風に調理したり、パンやお菓子、クレープ作りに使用する。また、栗で作るビール「ピエトラ」も美味である。コルシカの栗粉は2006年にAOCに指定された。
(栗粉)
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