解決のないエッセイ
午後1時、カフェに来ている。
近所の和風カフェ。
アイスカフェオレを頼んで、note下書きノートを書いている。
今日はリサーチ。
着物で、ここに来れないかと考えている。
グーグルマップでは、ここまで徒歩12分。
着物ではもっとかかるだろう。
バスを使うことも検討している。
家からバス停まで歩いて7分。
次のバス停で降りて、また歩いて5分。
結局歩く時間は一緒で、バスに乗り損のようだけど、そのコースの方が道が歩きやすい。
着物で出かけられる場所を探していて、そういえばこの和風カフェがあったことを思い出した。
灯台下暗しで、なかなか思い浮かばなかったけど、そういえば。
隣のテーブルのお客さんが帰って、カフェにはたぶん私一人になった。
カウンターの方はよく見えない。
目の前の壁一面は本棚になっていて、所狭しと本が並んでいる。
文庫本が多いかな。
いつもこんなにゆったりできるなら、いいかもしれない。
今、店内に米津玄師の『KICK BACK』がかかって、ちょっとうるさくなった。
この曲は好きだけど。
母の機嫌を損ねてしまって、カフェに出かけることにした。
母も出かけたから、家にいてもよかったけど、気分を変えたかった。
母が私にどうしてほしかったのか、何が母を怒らせたのか、全然わかんない。
わかんないことを考えてもわかんないから、機会をうかがって聞いてみるしかない。
私は人にものを聞くのが苦手だ。
察しないとダメみたいに思ってしまう。
私なりに、相手が考えていることをあれこれ想像して、こう思っているのかな?と考えるけど、それは結局私が考えていることであって、ただの自己完結。
それこそダメで、意志疎通をしなければ。
店内の音楽はメドレーみたいでころころ変わり、私には音量が大きすぎてうるさく感じる。
少しお客さんが増えてきた。
また着物でここに来よう!とは決めかねたまま、2時半前にカフェを出て、家に帰った。
夕飯の間ずっと、こう言おうと考えた言葉を、いつ切り出そうか心の中で繰り返していた。
このまま言わずにうやむやにしてしまおうか、と何度も考えたけど、今までの私はずっとそうしてきたけど、それではダメな気がした。
思い切って、言ってみた。
でも、「もういいって」と切り捨てられてしまった。
食い下がれる私じゃない。
いいならいいか。
もうめんどくさい。
結局わかんないことはわかんないまま。
思うことは伝わらないまま。