マレーシアには砂糖税がありますが
マレーシアには一定以上の砂糖が含まれている飲料に対して砂糖税が課されています。しかし、あまり意味がない気がするのです。どうしてでしょうか。
砂糖税が課されたのは2019年から。医者でもある、当時のマハティール首相が肥満や糖尿病などの生活習慣病を減らすために導入されたのです。
具体的にいうと、飲料100ミリリットルのうち総糖類含有量が5グラムを超えると1リットルあたり0.4リンギの税率が適用されています。砂糖は天然由来や添加物を問わず、すべての単糖類と二糖類を指すそうです。
確かにマレーシアでの肥満率はアジア一で、国民3200万人のうち約30%に達します。ベトナムやインドネシアなどから来ると、マレーシアでは体が大きい人が目立つのです。
それもそのはず。とにかくカロリーをマレーシア人はとりすぎ。特にジュース類をガバガバ飲む傾向があります。
朝は定番の国民食ナシ・レマにコーヒーの中にコンデンスミルクをコップの半分以上入れて飲む。昼も油ものの食事を取って、健康に悪そうな色が着いたあま~いジュースを飲んでいます。夕食も同じで、さらに11時以降に夜食があります。ここでも激甘のジュースや缶ジュースを飲んだりしてから寝るのです。
運動もせずにこういった生活をしていれば自ずと太ります。僕もマレーシアに来て、上記のような生活をして、1年ぐらいして体重を測ったら80キロ以上になっていました。なんと1年で10キロ以上も太ったことになります。コレステロール値も危険値に入ったため、それまでの食生活をすべて改めました。
今も甘いジュースやケーキはほとんど口にしません。また、脂っこいものも極力避け、自炊するようになり、コレステロールはだいぶ落ち着きました。現在の体重は65キロなので、あれから15キロ減ったことになります。
糖質を取ると体が酸化していくこともあり、やはり健康にはよくないのです。僕も糖質を取るのをやめるようにしてから、かなり体の体調は良くなった気がします。
ただ、マレーシア人にとってこの食生活を切り替えるのはなかなか難しいかも知れません。糖分をずっと取っていると、これは糖質中毒になるためです。
僕は今、カフェインを取るのを控えるようにしていますが、これがなかなかうまくいかない。たぶんコーヒー中毒になっているのだと思いますが、これと同じでマレーシアの人たちも糖分を取らないと体が落ち着かなくなるのでしょう。自制心をかなりコントロールしていかない限り、糖分摂取を控えるのは難しいのです。
そう思っていた矢先、マレーシア医療協会(MMA)が興味深いことを言っていました。
糖分過剰摂取の措置として食料・飲料メーカーが低糖質の製品の生産奨励を検討するよう政府に求めたのです。
今、国会では砂糖税の引き上げが議論に挙がっているようですが、MMAは「砂糖税を引き上げるより砂糖の消費量を減らすほうが効果的」と指摘。そもそも習慣として消費量を減らしていかない限りは肥満や糖尿病の数字は減らないと説明していました。
はい、そうなんです。結局、生活していく上で習慣を変えない限りは難しい。MMAの言っていることは正しいのです。
僕も太って医師から警告を受けたときに、徹底して生活全体を変えました。ジムに行き、食生活を全面的に変え、規則正しい生活をする。こういったことを習慣化させていかないと結局は結果につながらない。僕は生活を全面的に変えた結果、3か月で10キロ痩せさせることができました。
その後も同じ食生活をもう10年以上続けていますが、太ることはなくなりました。また、パンデミックに入って分かったのですが、油を使わない自炊をしたことで、さらに5キロ痩せたのです。今もほぼ毎日に渡って自炊していますが、結局はそれも習慣化させたおかげだと思います。
砂糖と油は食事の中には結構含まれています。なので、気づかないうちに結構摂取してしまっているのです。
中でも清涼飲料は実にわかりやすいです。例えば、小さいボトルの100ミリリットルのコーラは砂糖が11.3グラム入っているそうです。この数字ではなかなか分かりづらいですが、角砂糖が17個入っているとしたら、やはりビビるでしょう。そのため、僕は今は市販されている清涼飲料水を飲むことはなくなりました。
確かにMMAが言うように砂糖税を上げて清涼飲料水などの価格を引き上げたところで、買う人は買うでしょう。たばこも同じ。僕はたばこを吸いませんが、僕がマレーシアに来た頃は1箱5リンギぐらいでした。それが今は15リンギ以上になっていますが、それでも吸う人は吸うのです。価格が上がったので「たばこやめます」という人を聞いたことがありません。それに砂糖税なんて引き上げたってビビたるもので、数10セン上がったところで買うのをやめることはないと思います。
そうなると健康になるためには食生活をガラッと変えていき、それを習慣化させるしか方法はないのです。習慣化の最初はきついです。悪い習慣を断つには、「少しずつ減らしていく」か「一気に断つか」という方法がありますが、たばこや砂糖を減らすには「一気に断つ」ほうがいいでしょう。
思い切った決意をしない限り、つまり、生活全体を変えるまでの心意気でないとなかなかうまくいかないものなのです。
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