久昌寺 取り壊し
今日、見つけたニュースの話です。
愛知県江南市にあるお寺、久昌寺。ここには、織田信長が最も愛したとされる女性、「生駒吉乃」のお墓があります。
吉乃は信長の正室で、信長の長男 信忠、次男 信雄、長女 徳姫の母と言われています。
長男の信忠は、後に岐阜城主となり、本能寺の変の時、二条新御所で自刃しました。
次男の信雄は、信長が伊勢を攻めた時、和睦の条件として、伊勢国司北畠家第9代当主の北畠具房の養子となり、北畠家の家督を継ぎました。信雄は、出来の悪い武将と言われることが多く、歴史ドラマ等では、面白おかしく表現されることが多いのですが、織田家で大名として生き残ったのは、信雄の系統だけです。ちなみに、フィギュアスケートの織田信成さんは、この信雄の男系子孫だという説があります。
長女の徳姫は、家康の長男の正室になりました。
信長と正室の濃姫の間には子どもがおらず、吉乃は側室でありながら、織田家の中で大きな存在感がありました。そんな吉乃は若くして亡くなったとされていて、信長は、吉乃が亡くなった時、涙を流して惜しんだそうです。
吉乃のお墓がある久昌寺を所有しているのは、生駒家19代当主。ただ、久昌寺には約60年前から専属の住職はおらず、檀家も約10軒ほどしかないことから、維持管理が難しくなり、5年ほど前から、取り壊しの検討をしていたということです。
吉乃のお墓は市の文化財に指定されているので、取り壊しの対象にはならないし、本堂にあった、吉乃や信長の位牌というのは、すでに別の寺などに移してあるようなのですが、本堂等は取り壊して、公園として整備する計画が進んでいるようです。
所有している生駒家の第9代当主は、「信長ゆかりの寺で、先祖の菩提寺でもある歴史的な寺なので残したいのだけど、檀家も少なく、財政的にやむを得ない・・・」ということです。
周辺の案内をしているボランティア団体「市歴史ガイドの会」の方は、「歴史を伝える寺が忘れ去られてしまわないよう、どこかに、寺を伝える場を作って欲しい」と望んでいるそうです。
時代の流れとはいえ・・・。なんとも寂しいニュースでびっくりしました。