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三千円の使いかた


なぜ面白いと思ったか。
三世代が出てくる家族小説だから、自分以外の世代の人が何を考えているのかわかる。家計簿の話しとか、おばあちゃん役の琴子の話は、昔の習慣の良いところを知ることができて面白かった。生きていくためにはお金がかかる。そのための節約の知恵や銀行の金利等の話などが出てきてとてもためになった。園芸ショップで知り合った青年が少し人生からフェードアウトしている生き方をしている。これはこれで面白かった。一般的にきちんと生きている人の中にこーゆー違った生き方の人が入っていると、それはそれで違和感はあるがそういう生き方もあるなぁと言う受け止め方もできて人の生き方のバラエティーさを感じた。

この本は、おそらく女性が読んだ方がとても身近に感じられる話題が多いのでとっつきやすく読みやすいかもしれない。
しかし、だからこそ外で働いていて、あまり家庭のことを顧みないお父さんたちに読んでもらいたいなぁと思って全世代の人に読んでほしいと思ったりもしました。
この本で読書会をすると、しかも3世代だけじゃなくて様々な世代の人が何人か集まって語り合ったら、よりこの本が生かされる形となるような気がします。この本が生かされると言うのは自分と違う世代の人の考え方を知り、受け止めることができること。そして、地に足がついた人生設計を考える良い機会になるような気もしたからです。
でも、自分で自分を笑ってしまうのは、読んでいてとても眠くなる所と夢中になって読むところがはっきりと分かれていたことです。夢中になって読んだのは、『73歳のハローワーク』の短編。この時はものすごく自分に近い状況と思われる場面が多く、ぐいぐいと読んでしまった。しかし、その他の短編で具体的なお金の話や銀行の金利の話が出てくるとすぐに眠たくなる、あるいは寝ちゃったこともある。
要するに一気につまらなくなってしまった部分もありました。
おそらく、ここが私の弱点なのだろうと思いました。自分の人生を振り返ってみても、金銭感覚が全然なかったなぁと思いますので。

まとめますと、
お金にまつわる知識が物語を楽しみながら学べる。
3世代それぞれの考え方や価値観がわかり、視野が広がる気がします。
外で働く比率が高い男性陣が読むと、奥さんと娘さんの気持ちがわかるので、家庭円満の秘訣がわかるかも(笑)。
そして、最後の短編で、琴子さんの懐の深さと優しさにグッときてしまい、涙腺が崩壊しそうになりました。
今更ながら、しっかり節約していかなくちゃ!
と思いました。(笑)

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