問題解決は、誰の仕事か?
この記事は2023/07/07に配信を行なったメルマガの転載です。
みなさん、こんにちは。
株式会社エスノグラファーの神谷俊です。
今日は七夕ですね。我が家では、天の川を探してドライブに出かける予定です。先週はプラネタリウムで予習をして、今晩は天気も良さそうなので期待が高まっています。皆さんの七夕は、どんな風に過ごされるのでしょうか?
さて本日は、「組織の問題解決は誰の仕事なのか?」という問いについて考えてみたいと思います。
うちのリーダーは...という言説
人事担当者と話していると、企業が抱える問題について熱心に語られることがよくあります。特に、組織の問題意識を深く感じている優秀な方々は、“何とかしなくては“と強く感じているようです。
例えば、次のような問題です。
・辞めていく人が後を絶たない
・優秀な人ほど組織に見切りをつけている
・人員不足で現場は忙殺されている
・マネジメントは明らかに機能不全の状態
・管理職は自分のタスクに追われ、部下の面倒を見れない
・おまけに採用難で人員調達は進まない
・問題を放置する組織に不信感が高まっている
これらの問題はどの企業でも、程度の差はあれど、多かれ少なかれ発生しているのではないでしょうか。
これらの問題を見つめるとき、頻繁に耳にするのが「……にも関わらず、うちのリーダーは」のような指摘です。その中には、「リーダーが問題に耳を傾けていない」、「リーダーが自分の組織に対する関心が薄い」などの意見が含まれます。
これらの意見を耳にする度に、私はこう思うのです。
「組織の問題解決をするのは、果たして誰の仕事なのだろう?」
リーダーたちの声
経営者や事業リーダーと話すと、彼らもまた悩みを抱えています。
・問題があるのはわかってる
・でも、その問題の原因はなんなのか?
・どれほどのリスクがあるのか?
・経営課題としての優先度は?
・なにが最善策が分からない
・どのような評価軸や時間軸で向き合うべきか?
・見えない状態で判断はできない
・選択肢がない状態で意思決定はできない
問題の存在は認識しているものの、判断が難しい状況にあります。
これらを受けて、一緒に考えていきたいのが「組織の問題が発生した場合、誰が何をどこまでするべきなのだろうか?」という問いです。
責任と権限はリーダーにあることは確かでしょう。では、問題解決を進める役割や責任は誰にあるのでしょうか。
・現場情報は誰が集めるのか?
・問題の要因を特定するのは誰か?
・組織における優先度を決めるのは誰か?
・解決のプランや方略は誰が立てるのか?
・実行は誰がするのか?
もちろん、リーダーが全てを行うというのも一つの方法かもしれません。しかし、特に大きな組織では、経営層がすべての問題を直接解決するためのリソースを持つことは難しいでしょう。
では、人事が全てを引き受けるべきでしょうか。それも、人事だけが問題を解決するためのリソースを持つことは現実的ではないでしょう。
問題は、誰のものでもない皆の仕事
組織に深刻な問題が発生しているということは、現状の役割や手法では対応できないほどの異常事態が発生している、ということに他なりません。すなわち、現状の枠組み(条件・役割・能力水準)では対処できない状況に直面しているということです。
経営層、人事担当者、管理職、そして現場の社員全員が、普段よりも少し頑張って、問題解決のために追加の作業をする必要があります。
経営層は、現場の状況をよく知るために、様々な情報に目を通し、問題解決のために掛けられる時間と予算、人的リソースを算定し、意思決定とアナウンスをする必要があるでしょう。
人事担当者は、現場の問題をヒアリングしたり、要因を分析したり、まとめたり、また対策案を幾つか絞り込んだりと大忙しなはずです。
現場の管理職だって、実態をよりよく共有するために、現場データを収集したり、部下に改めて意見や意向を確認するなどの対応が求められます。
そして、現場員においても、積極的に現場の実態を会社側に届けるために尽力する必要があります。
最終的な責任は経営者にあるかもしれませんが、問題解決の責任は組織内の全メンバーにあると私は考えます。
言いたいことは、問題解決には結束が不可欠だということです。
他者が過労や疲弊していたり、保身に走っていたりする場合、どうすれば一体となって問題解決に取り組めるか、それが問いかけられているのです。
切り離すことではなく、つながりを強化すること。
それが、組織の問題解決を推進するエネルギーになるのではないでしょうか。
今回は、以上です。
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