『声にならない』
『声にならない』
一番近くには君がいて、一番近くには僕がいる
そんな日々を心から望んでみても口には出さないよ
口に出したら今ある居場所 この場所も泡のように消えるかも知れない
だから僕は言わないよ 君が大好きだなんて言わないよ
一番じゃなくてもいいから君の傍にいたいんだ
君の隣が埋まった日、君は僕に嬉しそうに語ったね
”今、とても幸せなの” はにかみながらも嬉しそう
胸に何かが刺さったけれど、僕はそれに気付かないフリして笑う ”良かったね”
幸せならばいいよ 君が幸せならばそれでいい
大切な君の幸せは壊したくない 埋めたのが僕じゃなくても
僕等は変わらず傍にいる 近くだけど何か違う”近く”にいる
結んでいるのは赤い糸じゃなくて小指
”いつまでも仲良しでいようね”なんて言葉 恋とか愛とかなんかじゃない
それでも僕は構わないよ 君がそう望むなら応えるよ
ただの優しい人止まりと言われてもいい 君が大切だから
悲しみで翳った瞳 涙すら流れない君は言う
”もう消えてしまいたい” 愛に裏切られた君の望み
抱きしめたくても動けない もっと早くに助けてあげられなかったのかな
悲しい悲しい表情の君 望んでいることは消えること
止めたいけれど止められない 大切な君の望みだから
僕は君が大好き過ぎて君を失った
僕の一番近くには誰もいない
遅過ぎるかもしれないけれど 本当に君が大好きでした
誰よりも何よりも君が大好きでした