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【書籍紹介】反応しない練習 著:草薙龍瞬

私には小学校5年生になる息子が一人いるが、小学校はコロナ禍の影響で今月いっぱいまで休校とのこと。それはそれはかわいそうに…と思っていたが、超インドア派の息子はどうやら学校があまり好きではないらしく、学校が再開されるであろう6月になるのが憂鬱なようだ。

そんな息子が今、一週間のうち一番楽しみにしており、テンションがマックスになるのが火曜日。

そう!火曜日といえば、小学生に大人気、今大流行で話題沸騰中のアニメ「忍者ハットリくん」が夜の8時からテレ玉(テレビ埼玉)で放送される曜日なのだっ!

…って、いつの時代?

令和も2年になるこの時代、ここまで熱狂的にハットリ君の放送を楽しみにし、録画を欠かさず行い、毎日ハットリくんで頭がいっぱいになっている小学生は日本全国で我が子くらいであろう。

今年で43歳になる昭和生まれの父としては、息子が自分の幼いころに好きだったキャラクターを好きになってくれるのは嬉しいものだ。

私は、藤子不二雄ランド系の子供向けアニメの主人公の中では、ハットリくんが最も優秀だと思っている。

ハットリくんの優秀さを確認するため、各アニメのそれぞれの主人公の特徴を下に纏めてみた。

・ドラえもん → ひみつ道具を使用できる
・オバケのQ太郎 → おばけ
・パーマン → パーマンセットを使用できる
・キテレツ大百科 → 奇天烈大百科をもとに発明道具を作れる
・エスパー魔美 → 超能力が使える
・忍者ハットリくん → 忍術が使える
・プロゴルファー猿 → ゴルフが異常に上手い

このように整理すると、まずドラえもんとパーマンは「特殊な優れた道具を持っている」だけで能力が優れているわけではないことがわかる。Q太郎はただの愛嬌のあるオバケだし、プロゴルファー猿はただゴルフが異常に上手いだけだ。

キテレツ大百科のキテレツは小学生なのに様々な道具を発明しており優秀だが、キテレツの能力というよりも奇天烈大百科という書物を使用しての発明となるため、書物無しの能力は不明だ。

となると、超能力が使えるエスパー魔美と、忍術が使えるハットリくんが能力的に他の主人公よりも優れていることがわかる。

しかしながらエスパー魔美の超能力は生まれながらの持っていた能力。それに比べ、ハットリくんの能力は日々の修行により得た努力の賜物であり、東京に来た理由も「忍術修行のため」であることから、まだ努力を怠っていないのだ。

以上の理由で私はハットリくんが最も優秀であると昔から一目置いて見ていたのだが、世代を超えて息子がハットリ君を好きになってくれたことは非常に感慨深い。さすが我が息子。お前は良くわかってるな。

そんな思いでいるからこそ私は、小学5年にもなろう男子が毎日毎日
「ニンともカンとも、ニンニンってどういう意味?」
「獅子丸ってなんで犬なのに会話できるの?」
「ムササビの術とか、昔の忍者もできたの?」
「なんでケムマキって敵なのに、ハットリくんはケムマキのことを忍者仲間って言ってるの?」
等の質問を私に対して投げかけてきても、常に笑顔で答えることができているのであった。ニンニン。

ということで、今回紹介したい本はこちら。

『反応しない練習』 草薙龍瞬:著

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副題は「あらゆる悩みが消えていく ブッダの超合理的な考え方」とある。

現代社会を営んでいくうえで人間関係によるストレスは避けて通れないが、ブッダの考え方を利用して、自分の考え方を変えることでストレスを軽減する術が書かれている本。

ストレスを感じている時の人の非合理的な思考回路を解説しており、このような考え方をすれば合理的でストレスを感じにくくなるという対処法を理屈で説明してくれているために、理屈人間である私としてはものすごく腑に落ちた。私は悩みを人に聞いてもらうことが苦手なため、この本の考え方にはかなり助けられたし、今でも助けられているので今回おすすめしたい。

この本には、ストレスの原因となる不安や焦り、苛立ちや憎しみなどの負の感情は全て自分自身の「心の反応」によるものだ。「心の反応」こそが人生のトラブルや悩みを引き起こしているため、私たちのできるその対処法はただひとつ、「ムダな反応をしない」ことだ、と書かれている。

その方法がいくつも紹介されているのだが、私が気に入って取り入れている考え方はストレスを感じる相手と向き合う知恵として、相手を「新しい人」と考えるというテクニックだ。

一つのことを考えると決めてタイマーで5分計ったとしたら、おそらく5分後は違うことを考えているだろう。心理学の一説には人は一日に7万個もの想念を思い浮かべるという。ということは、心は無常(うつろいゆくもの)であることがわかる。自分自身も相手も、心はコロコロと変わりつづけていくものなのだ。

私たちは過去の記憶から「私はこういう人」「あの人はこういう人」と判断しているため互いに「変わらない人」として関わっている。しかし、心はコロコロと変わり続けているのであれば、自分自身も相手も本当は昨日と「別の心の状態の別の人間」である。なので常に相手は「新しい人」という考え方になる、と書かれているのである。

新しく会った人に対して何もされていないのに、その人の人格を想像で作り上げて腹を立てたところで無意味なことだし、生産性も無い。

なので、そう思う習慣をつけることで心穏やかに、かつ冷静に日々を過ごすことができるのだ。

おそらく常に冷静であるハットリくんも、一つの忍術としてこの術を取り入れているのではと思う。

忍者とは、手裏剣を投げるその人というより実際は、諜報活動を行うスパイのような役割を多く担っていたようだ。どのような状況にも冷静に対応し、スパイであることを悟られないよう今いる環境に溶け込む術として、心の状態をコントロールする忍術があったのではないだろうか。

なんていうように、ハットリくんの話と紹介した本を最後にうまく繋げて纏めることができて、めでたしめでたしなのであった。ニンニン。


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