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何故、地下神殿には59本もの柱が必要なのか

地下神殿 立坑体験コースに行っての疑問

首都圏外郭放水路/庄和排水機場
調圧水槽・立坑体験コース(100分)に行ってきたのは昨日投稿した通りです。

体験コースの目玉は何と言っても、調圧水槽内に林立する高さ18 mの立柱群。この林立する立柱群の光景が、地下神殿と言われる由縁です。

龍Q館展示室での説明後、地下神殿の入口までグラウンドを横に見ながら200m歩きます。

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このグラウンドの下に12,000m2の地下神殿があるのですが、ここでふと疑問が湧きました。

12,000m2のグラウンドを支えるのには、それなりの構造が必要だけど、大きな屋根を支える、もしくは大きな水槽に蓋をするだけと考えれば、あんな立派な柱は必要ないのでは、と。

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「建築の仕事に携わっていてそんなことも分からないのか。」
こんな声が聞こえてきそうですが。

国土交通省の資料に答えを発見

ツアーから帰宅後、疑問を晴らそうとネットを検索し、

見つけました。

これです。国土交通省関東地方整備局の資料

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浮力による浮き上がり等の対策が必要となり、頂版、底版や壁厚を約3mと厚くして対応、また、重くなった頂版を支えるために2mx7mの柱が59本必要となった。
国土交通省関東地方整備局 参考資料

固定観念が邪魔をした

ツアーでも、地下に水槽を作ると浮力がかかって浮き上がり対策として柱を立てたと説明がありました。

お風呂の中に洗面器を沈めるのに力が必要なのと同じ原理です。

ここで私は、浮力のかかることは理解していましたが、それが何故59本の柱をつくる理由になるのか、腑に落ちないでいました。

今まで経験したことのある防火水槽や浄化槽の構造から、浮力の対抗策には壁と床(底版)を分厚くする、と思い込んでいたのです。

壁と床だけを重くすると思い込んで、天井も重くする考えが全くありませんでした。

何を考える時にも、固定観念を排除して頭の中をクリアにして考えることが大切だとあらためて実感した次第です。

【図解】地下神殿に59本もの柱が必要な理由

ここで、国土交通省の資料を踏まえて私が理解したことを図解してみます。

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水槽を地中に埋めると、浮力がかかります。上向の3本の矢印 ↑ ↑ ↑

浮力に対抗するため、水槽の床、壁、天井を幅3mの分厚いコンクリートでつくる。下向きの2本の矢印 ↓ ↓

このままだと天井が自分の重さで下に落ちてしまう。そこで、天井を支えるために59本の柱を立てる。この柱自体も1本500tの重さがあり、浮力に対抗する。下向きの1本の矢印。↓

これで、水槽の重さと浮力が釣り合います。
水槽 ↓ ↓ ↓
浮力 ↑ ↑ ↑

【図解】地下神殿:柱の形と配置の理由

もう一つ、何故、柱が長方形をしているのか。

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汚水槽や浄化槽では、3つ程度の部屋を壁で仕切って、きれいにした水を順番に隣の部屋に流して行きます。

一方、地下神殿では、大量の水を一気に流す必要があります。そのために上図で言えば水を下から上に流れやすくして、柱の断面積も大きくできる長方形にしたという訳です。

そして、長方形の柱の並べ方も水が流れやすい様に互い違いに配置されています。

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柱のみでこんなに楽しめる

以上、地下神殿の柱について

何故、59本もあるのか
何故、長方形なのか
何故、互い違いの配置なのか

つくられ方の理由を考えることで
こんなにも楽しめました。

たてもの図鑑、今度は何を見に行こう。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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