#91 -森からテーブルへ、エストニア料理のいいところ
先日の記事で国立公園をボートで巡ったと書きましたが、その時に偶然みつけたKarulauk(クマニラ)。
フィンランド、ポーランド、中国語と多くの言語でも同じ意味あいのクマニラ。言語に関わらず、クマという言葉が入っている場合がほとんどです。
その名の通り、クマが冬眠明けに栄養補強の為に食することからこの名前がついたわけですが、よくよく考えると・・・
!!!
クマニラあるトコロ、クマきたる!?!
そうなのか!?
そう考えるとちょっとだけクマニラ採取の危険度が上がった気がする。まだエストニアに来てから野生のクマを見たことがないので、是非とも見てみたいのですが、是非とも遠くから見たいのです。遭遇だけはなんとしてもやめていただきたいです。
またこっちがクマニラ採取に夢中になっている時に背後から近づいてきて肩をトントンして、「何ワシのニラ食ってくれとんじゃぁ!」というもの是非ともしないでいただきたいです。
てことは春先にキャンプをした時なんかもクマニラを見つけたからといって採取して持ち歩かないほうがいいかもしれないですね。。。ニラっぽい良い匂いを周囲に充満させて「こっちよ、クマちゃん、こっちよ。」と言っているように見える可能性もあるかもしれませんからね。。
そんなクマニラですが、ボクの一番のお気に入りはペストにしてパスタソースをつくることです。
魚介との相性もいいですし、ベーコンなんかともあいます。基本ジェノベーゼを作る感覚でクマニラペストも使えます。ペストのレシピもジェノベーゼもものと同じでも美味しくできます。
こちらがクマニラペストの完成品。
この日はズッキーニとハムがあったのでその2品と合わせてパスタをつくりました。
ズッキーニとハムのクマニラペスト和え(材料書いてるだけ)
バジルのペストに比べるとニラのピりっとした感が強く、ギョーザ好きの人には受けがよさそうです。(あー餃子が食べたくなった)
エストニアの人はことあるごとに森に消えていきます(恐い意味ではなくて)。白樺の樹液にはじまり、今回のクマニラ。野生のイチゴやラズベリー。ブルーベリーやきのこ。と、季節ごとに森にお邪魔して「ちょっと頂戴していきますね」というアリエッティ顔負けのエストニア人なのです。
森や自然から頂いたものを工夫して作った料理こそが、真のエストニア料理なんじゃないかな?って思うのです。(今回のパスタはエストニア創作料理っぽい感じかな?)
From forest to table (森からテーブルへ)
たしか一昨年くらいにこんなコンセプトで各レストランのシェフが森から採れるものをつかったコース料理をふるまう。という企画がエストニアでもあったような気がする。
昔、友達のお母さんが浸けていた森で採ったキノコのミックスが無茶苦茶おいしかったのを今でも覚えている。そのまま食べるのはもちろんのこと、茹でたてのジャガイモと一緒に食べてもサイコーだし、ペンネと混ぜてもサイコーだった。
こうした森や畑でとれたものでサイコーに美味しい一品や美味しいお酒をつくるのがボクの夢のひとつでもあるんです。
この、森からテーブルへというのは欧州での新しいムーブメントでもあるのですが、エストニアの人にとっては昔から馴染みのあることなので、エストニア人家庭のお家を訪れる機会があれば是非森からとれたものを試してみてください。
あ、最後にもうひとつ注意しておきたいことが。
クマニラの葉っぱはスズランのそれと似ているので気を付けてください!ご存じの方が多いと思いますが、スズランは毒性も強いので間違って摂取すると中毒になります。
画像はWikiより引っ張ってきました。上がスズラン。下がクマニラ。
葉っぱだけみたら結構似てます。何も知らないと間違ってスズランをとっちゃいそうなくらい。幸い、育つ時期も違いますし、花を見ればその違いは一目瞭然なので気を付けていれば大丈夫だと思います。
ではみなさん、チャンスがあれば是非クマに気をつけながら、スズランと間違わないようにクマニラ採取してみてください!