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いちねんでいちばん夜が短い日の過ごし方~エストニア編~

「エストニア人にとって一番重要な祝日」そう銘打っても大げさでないのが夏至祭の日、Jaanipäevです。

実はこのJaanipäev、訳すと聖ヨハネの日となり、夏至という意味ではなかったりします。これは他の多くの祝日と同じく、キリスト教を広めるために、もともと土着していた習慣・風習に重ねて無理やりキリスト教のイベントを合わせたのが現在の名称の由来です。

イースターやクリスマスなんかもそうですね。

エストニアを始めとする北欧諸国では夏至祭は紀元前からずっと行われてきた行事で、もともとは農業と深く結びついていたのです。

夏至の時期は季節の変わり目でもあるため、エストニアでもよく、「植えるべきものは夏至までに植えなさい」「○○は夏至まで収穫してOK!」など、夏至の日をターニングポイントとして捉えてのアドバイスをよく耳にします。(畑に関してだけですが)

夏至祭はこの大切な節目を祝い、豊作を願うための行事だったのです。(豊作祈願ってやっぱり世界どこでも同じなんですね)

前夜祭という名のメインイベント

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夏至祭の大きな目玉は前夜祭である23日に行われる大きな焚き木を囲んでのパーティーです。本来なら24日のJaanipäevがメインの日なんでしょうが、前夜祭でたくさん食べてたくさん飲んで、歌って踊って夜通しでパーティーするので、肝心の24日は「回復日」(肝臓・頭痛等のw)として扱われている始末です。w

まさに前夜祭という名のメインイベント。

しかしエストニアの人にとって、23日が重要なわけは他にもあります。

それは今から100年以上前の独立戦争の真っただ中、重要なバトルでドイツ軍を撤退させたのがこの23日で、この日を「Victory Day/勝利の日」として定めたのでした。

なのでエストニアの人にとって大きな焚き火は「勝利の灯」という意も込められているんですね。

前夜祭はどうやって過ごすの?

前夜祭の祝い方・過ごし方は人それぞれですが、定番は家族・親戚・友人などで田舎の方で集まって、海辺なり、湖・川なり周りに空を遮るもののないところで、いちねんでいちばん短い夜を満喫します。

町にいると街灯などがつきはじめると暗く感じてしまうのですが、自然の中にいれば一晩中ライト無しでも歩けるくらいの明るさです。ラップランドなどで知られる「白夜」ほどはいきませんが、それに近いものがあります。

我が家も毎年キャンプが恒例になっています。今年もテントやその他一式を車に詰め込んで、運転20分ほどでつく大きめの湖までいってきました。(距離みじかっ)

Võrtsjärvというエストニアで2番目に大きい湖で、ウナギが有名な所です。

去年もここに来たのですが、今年は同じ場所ではなく宿泊施設が経営しているキャンプサイトを使用することにしました。

場所の使用量として1人3€というすごくお手頃な価格。(家族で1拍1500円程度)

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湖まで20mくらいのところにテントをはれて、バーベキュー用の器具も使え、トイレも使用できる。(子どもが遊べるプレイエリアもあった)

いや、この年に一度の1大イベントなんだからもうちょっと値段あげてもいいんじゃない?

なんて思ってしまったけど、こういう商売っ気のない人が割と多いのもエストニアのいいトコロだったりします。

敷地内にはキャンプカー用の電源が使える駐車スペースや、小屋のタイプがあり、普通の屋内の宿泊施設もあります。

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小屋には2段ベッドと、冷蔵庫、電源、がついていた。

ボクたちはちょうどこの右っかわにテントをはりました。

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我が家は寝袋ではなく掛布団派(ヨメが寝袋キライ)。

エアマットレスも使ってなんちゃってグランピング気分??

あ、ちなみにエアマットレスは女性貴族専用(ヨメ+娘2人)で、ボクはヨガマットです。w

お隣の小屋に泊まっていた家族が小さな子ども連れで、滞在中子どもたちはずーーっと一緒に遊んでました。やはり日本人(+見た目は大体アジア人だけどエストニア語を流暢に話す2人の娘)は珍しいようで、こういった場ではしょっちゅう話しかけられる。

ホント子どもがいると知らない人と話すハードルがぐっと下がる気がする。

最近エストニアでは夏に熱波(ヒートウェーブ)がきて30度を超える日も珍しくなくなりつつあります。(これまでは25度くらいがふつーだったので、やはり温暖化の影響でしょうか・・・)

娘たちはキャンプ場つくなり早々水着に着替えて湖目指して突っ走ってゆきました。

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この2日間もすごく暑く、泳いではクールダウンして、暑くなっては泳いで、を繰り返してました。メイ(もうすぐ6歳の長女)は犬かきができるようになってきていて、顔半分くらい水に浸かりながらも必死になってもがきながらも浮かぶ練習をしています。w

目玉である大きな焚き火は21時~22時くらいから火をつけ始めます。(暗くなるのが遅いので、あんまり早くからやっても意味がないからかな?)

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22時ピッタしにオーナーがやってきて火付け役になってた。さすがに使用している木もでかいので、それなりに色んな所に小さな焚き木をいれこんでせっせと作業してました。

火が付きだすと施設内に泊まっている人たちが火の回りにやってきてみんなでワイワイやります。マシュマロを焚火で炙るのは定番になっているようです。おそるべしTVの力。(あれってきっとアメリカ発ですよね?)

娘たちにとって今日は大晦日同様、「好きなだけ起きていていい日」なのでとてもご機嫌。大きな焚き火に興奮してボクの上ではしゃいでいたら、近くのファミリーが、「写真撮ってあげるよ!」と名乗り出てくれた。

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23時ちょうどの写真。まだまだ明るい! サデ(次女)との写真を撮ってくれ、その後に、ヨメもいれて撮ってくれたけど・・・・

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全部ブレまくりでした・・・・w (↑は一番ブレてないものw)

海外で写真撮ってもらった時のあるあるですね。w

伝統ではこの大きな焚き火を3周したり、火を飛び越えたりするのですが、この焚き火はしばーらくかなり大きいままだったので、飛び越えることはできませんでした。

水辺にたって遠くを眺めれば、同じように焚き火をしているのが、点々と見えます。

子どもたちは暗くなるまで火の粉のようにキャッキャッいいながらそこら中を走り回り、いちねんでいちばん短い夜を楽しんでいました。

長女は深夜で寝落ち、次女は24時半に寝落ちしました。

テントに戻って川の字になって寝ましたが、これまた久しぶりに全員一緒になって寝ることの楽しさ(主にツラさw)を思い出しました。睡眠時間の半分くらいは次女がお尻から下をボクの胸のあたりに乗っけたり、裏拳をくらったり、ぬたーんと脱力しきったかかと落としをくらったりとまぁ、熟睡には程遠いくおりてぃな睡眠でした。


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朝起きるとちいちゃなちいちゃなカエルがたくさんいた。踏まないようにするのに必死だった。w

今年は少し雨も降りましたが、肝心なところはしっかり晴れてくれていたので天気には恵まれてました。

どうでしょう?夏至の雰囲気が少し伝わったでしょうか?

この日を境に日の長さは少しずつ短くなっていきます。長い長い冬があるからこそ貴重なこの短い短い夏の時間。こちらからすると「そんなに?」というくらい現地人は日を浴びることに執着するのも今ではその気持ち、よくわかります。

夏の北欧はとてもきれいですよ。是非一度いらしてくださいな。


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