私の柏サポ札幌遠征記2023(その2・函館本線北上編)
前回までのあらすじ
2023年9月、柏レイソルvs北海道コンサドーレ札幌の試合に合わせて夏休みを取得した私。めったにない好機に乗じて上野発の夜行バスで青森駅経由でフェリーに乗って北の大地入りをしてやろう、その後観光しつつ札幌を目指してみようという初秋なのに津軽海峡冬景色ごっこをするというちょっと何言ってるかわからない遠征を思い立ち、実行に移したのだった。
▼前回の記事はこちら
遠征2日目(9/28(木))
函館駅
函館から札幌への移動は鉄道を選択。函館~札幌間の列車移動は以下2ルートがあるのですが、今回は「山線」で向かいます。
函館駅は函館本線(函館~札幌~旭川)の起点駅なので0キロポストがあります。これから起こるすべてはここから始まるのかと思うとドキドキしてきます。
12:35函館駅発長万部駅行きの列車で丸2日間の旅へ、いざ出発!
函館駅~森駅
車内では函館駅前のハセガワストアで買った焼鳥弁当を食べながら車窓を楽しみます。道南(函館をはじめとした北海道南部)や室蘭あたりでは「やきとり」と言えば豚肉を串に刺して焼いたものを指すのです。
「本線」と聞くと関東平野の出身者だと東海道本線のような10両以上の車両で、かつかなりの速度で平野部を突っ走る電車を連想するかと思いますが、函館本線は険しい山道をゆっくりとした速度で進みます。線路も単線です(自分では撮影できなかったんで検索して見つけた投稿を貼っておきます)。
大沼公園駅周辺では大沼という湖のそばを走ります。その幻想的な風景には思わず見とれてしまいました(見とれるあまり写真を撮りそびれたので他の方の投稿でお楽しみください)。
森駅にて
列車は森駅で約10分間の停車。
ここでは駅舎から見える海を眺めつつ、柏レイソルから徳島ヴォルティスにレンタル移籍中(当時)だった森海渡選手の活躍を祈願します。
これまでのアウェイ遠征では柏レイソル所属の数多くの選手の苗字と同じ地名を巡ってきましたが、駅舎の立地も含めてフルネームで推せる地名・スポット名はめったにありません。非常に貴重です。「森」駅から「海」を見「渡」しながらフルネームが完成すると気がついた瞬間、あまりの完璧さに身震いしました。
車両の話
今回の函館本線(函館~長万部間)で乗った車両はキハ40系というもの。実はこちらは旧国鉄時代に製造されたもので、随所に国鉄らしさが現れています。
座席のシートとか、
車内のしつらえとか。
自分は鉄道オタクでは全くなく、また旧国鉄車両だからこの電車に乗ったわけでもなく単なる偶然でこの車両に乗り合わせただけなのですが、現在となっては貴重なものなのでグッときました。
長万部駅
函館発の列車は14:58に終点の長万部駅へ到着。
長万部発小樽方面行きの列車は在来線のみ1日4本で、次の列車は16:38発の小樽行きなので1時間40分待つことになります。ここで室蘭本線に乗り換えたら距離的には遠回りだけど早く札幌まで行けるのですが、今回は山線沿線でどうしても寄りたい場所(後述)があるので駅周辺を散歩してみることにしました。
海を眺めに行ったり(関東平野のど真ん中に住んでいる自分にとって海岸に行く機会は貴重)
地元の喫茶店に行ってコーヒーを飲みつつママさんから地元のお話を聞いたり。
函館本線の山線(長万部~小樽間)は北海道新幹線の開業に併せて廃線となることが決まっているのですが、その辺の地元の方の感想を伺ったりできて貴重な機会となりました。長万部駅も新幹線停車駅となるのですが、地元の方はまだ現実の出来事としては捉えられていない模様。
ニュースを聞いて関東の感覚でものを考えるのとは全く異なるのだなと感じました。
そんなことをぼんやり考えている間に次の列車の出発時刻16:38が近づき、長万部駅に戻ったのでした。
長万部駅~倶知安駅
長万部駅から再び函館本線の通称山線に乗り、本日の目的地である倶知安(くっちゃん)駅へと向かいます。
長万部駅~小樽駅までの間は「山線」と呼ばれる区間になります。普通列車が1日4本走るのみの区間となっていて、急勾配・急曲線が連続するため引き続きゆっくりと進んでいきます。
これは函館本線の長万部~俱知安間に限らない話なのですが、JR北海道では旧国鉄時代に使われていた貨物列車の車両を駅舎として転用した無人駅がしばしば見られます。
倶知安駅
長万部駅から2時間弱で倶知安駅へ到着。長い鉄道旅の1日目はここで終わります。
倶知安駅から宿までは散歩がてら徒歩で移動。道中では国道5号線沿いを歩いたり地元資本のスーパーマーケットへ寄ったりしてまちの様子を窺ってみます。
倶知安町は最近海外の富裕層から熱い視線が注がれ物価も高騰していると話題のニセコ町の隣にある自治体なのですが、確かにスノーシーズンから外れた時期にもかかわらず他とは少し違った雰囲気が感じられます。
自分の能力では言語化しにくいのですが、ところどころ都会のようなおしゃれさが漂うスポットがあるんですよね。それに明らかに外国人相手に商売をしているお店が複数ある。なんせ価格が東京価格なのです。
函館本線でこの日一日見てきた風景とのギャップがなんだか眩しかったです。
遠征3日目(9月29日(金))
倶知安駅~真狩村
この日は夕方から函館本線に乗って札幌を目指すこととして、お昼までは羊蹄山方面へ寄り道することにしていました。
この日は正装(ユニフォーム姿)でおめかしです。
倶知安駅前で湧き水を水筒に補充し、
路線バスに乗って出かけます。
昨日乗っていた函館本線も国道5号線の近くを走っていましたが、線路と道路では見える景色が違います。とはいえどちらも山を切り開いて開拓した経路で、北海道開拓期の苦労が偲ばれます。
そして約40分で目的地の真狩村へ到着し、道の駅真狩フラワーセンター内にある観光協会でレンタサイクルを借りて移動開始します。
真狩川河川公園(歌う細川たかし記念像)
今回の札幌遠征での、試合を除く最大の目的地がここでした。「歌う細川たかし記念像」。
柏レイソル所属のマテウスサヴィオ選手のチャント(応援歌)が細川たかしの「北酒場」なので、マテウスサヴィオ選手の活躍を祈願するべくはるばるやって参りました。
「歌う細川たかし像」なのでもちろん「北酒場」を歌って頂きます。
マテウスサヴィオ選手の個人チャントが2020年のシーズン開幕のタイミングでお披露目されてからずっと機会をうかがっていたのですが、コロナ禍のため阻まれ続けて3年半。遂に念願が叶いました…もはや胸いっぱいです。
▼※コロナ禍に3年半阻まれ続けた理由はこちら
▼※あと冬場はコロナ禍関係なく現地に辿り着けなくなります。というかブルーシートで保護される。
いし豆
歌う細川たかし像のところで少しでもいい写真を撮ろうと空に浮かぶ雲と小一時間にらめっこしてひとり撮影に励んだのち、レンタル電動自転車を走らせてお昼ご飯を食べに行きました。「いし豆」というお蕎麦屋さんで、恐らく真狩村で一番の有名店です。レンタサイクルを借りた観光協会でも激推しされました。観光協会(道の駅真狩フラワーセンター)からはレンタサイクルで15分程度です。
開店20分前に到着したら既に14組目。みなさん車で待機列を形成していたため最後尾にチャリで並びました。異質感半端ない。自分よりあとに来た人全員に二度見されました笑(だがそれも一興)。
開店後は順番に駐車場に案内されてから入店するのですが、お店に入り切れない人はショッピングモールのフードコートにありがちな番号が書いてあって商品が出来上がったらブザーがなるやつを渡され、そのまま駐車場に停めた車の中で待つことになります。私はチャリで来たので軒先で待つことになりました。
待っている間、食事を終えてお店から出てくる人たちにことごとく
「まあ千葉から来たの!しかも車を使わず!」
「よくぞこのお店に辿り着いた」
「ここは間違いないから」
「ぜひゆっくり味わっていってね」
と言われ、そのうえ誇張でなく全員から「ここの蕎麦がきは絶品だから残ってるといいわね」と言われました。ここそんなに期待値上げていいお店なの!?!?!?と思っているうちにようやく入店が叶います。
残念ながら数量限定の蕎麦がきは既に品切れでしたが、柏サポだけに温かい柏そばを注文。そして実食。
あ、これガチで美味しいわ。
お蕎麦ってこんなざらついてたっけ?と一瞬思うのですが、お蕎麦の甘味と香りがしっかりしてて口の中に残るんですよ。そうするとざらつきが気にならなくなるんですよ。なんか食べたことがありそうでない味。いやこれざるそばも注文した方がよかったんじゃね?と思いながらあっという間に完食したのでした。
ていうかお蕎麦がこれなら絶品と称されるそばがきはどないなっとんねんと思わざるを得ませんね。。。
倶知安駅(その2)
真狩村から再びバスに揺られて約40分。夕方には便知安駅に戻ってきました。
側知安駅も北海道新線が開業すると停車駅になるのですが、こちらは既に駅改修の工事が始まっています。
そうはいってもこの日時点での駅舎正面はいかにも旧国鉄時代の大きな駅の駅舎という感じであり、改札口も駅員がブースに立ってきっぷに鉄を入れていた頃のものが今でも残っています。
そんな駅の様子や自分がこれから乗る電車の車体をスマホでバッシャバッシャ撮りまくっていたのですが、正装でおめかしした状態(=ユニフォーム姿)だったので複数の目撃情報が上がっていました。
見つかりすぎだろ自分w
何はともあれここまで来たら札幌まではあと約93km。最後の旅へと出発です!
函館本線(俱知安~札幌)
倛知安駅から札幌駅までの所要時間は約2時間。小樽駅での乗り換え1回で到着します。
9月末の北海道ともなると夕暮れもだいぶ早いので、乗車後割と早い段階で辺りは真っ暗となり、車窓からの風景は見えなくなってきます。
それでも時に暗闇の中を電車が進む様子を味わい、駅に停車したときには駅舎のつくりに驚きつつも灯りがともっている様子を見てほっとし、そんな駅で人がいかにも地元住民風の方がひとりふたりと乗り降りするのを見ると「ああ、自分の知らない今ここの世界にも人の暮らしというものが現在進行形で存在しているのだな」ということを体感させられます。夜間の鉄道旅に限った話ではないですが。
観光地として整備された場所を街歩きするのとは別種の魅力があると思うのです。
そうこうしているうちに列車は小樽駅に到着し、今回の旅で最後の乗り換えをします。ここまで来ると通勤通学で電車を使う人も増えるため乗客数もぐっと増えます。
そして丸3日間の長旅の末、ようやく札幌駅へと到着したのでした!
次の記事
今回の記事はここまで。
次回はようやく札幌遠征札幌編です!
(記事完成したらリンク張ります)
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