小説【間法物語】9 意味のある道
【間法物語】
日本語人が古来より持っている「魔法」がある。 それは「間法」。
「間」の中にあるチカラを扱えるようになった時、「未知なる世界」の扉が開かれ、「未知」は、いつしか「道」となって導かれていく。
「間法使いへの道」を歩き始める僕の物語。
【PROFILE】
イエオカズキ 「間」と「日本語」の世界を探求し続けるストーリーエディター。エッセンシャル出版社価値創造部員。
これまでの「間法物語」はこちら↓
間法物語9
意味のある道
今までに、自分が行ったことのある場所を思い出すと、不思議な気持ちになる。
どうして、この場所を選んだのだろう?
全ての縁がある場所って、本当は、行かされていたんじゃないか?
ふと、そう感じる。
でも、一体、誰に?
どうして、あの時、沢山ある本の中から、この本を選んで読んだのだろう?
どうして、その時、野球部ではなくて、サッカー部に入部したのだろう?
どうして、この時、スタイルのいいあの娘ではなくて、笑顔の印象的なこの娘が好きになったんだろう?
そんなに大した理由などあったはずがないんだ。
ほとんどが思いつきに近いものだったはずなんだ。
だけど、後から振り返ると、自分が辿ってきた道が、すべて意味のあることばかりだったことに気づくことってないかい?
意味があって歩いているのに、時には、ふてくされてその道を歩いていた。 時には、フラフラと行ったり来たり、焦って道を急いでみたり、走って戻ってみたり。
迷っては、意味を振り払い、つまづいては、意味を探し直し、漆塗りのように、意味があるのかないのか、しつこくしつこく、同じプロセスを繰り返してきた。
そのことさえも、すべては、意味のあることだったってことに、今はようやく気づくことが出来たけど。
僕のココロが選んでいようが、選んでいまいが、
僕のカラダとタマシイは常に選んできていた、
すべての可能性を消して、他ではない唯一のこの道を。
(つづく)
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