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生まれた瞬間から!赤ちゃんの頭を変形から守るには?


待望の赤ちゃんが生まれて、子育てが始まると、必ず気になるのが赤ちゃんの「頭の形」です。

後頭部が絶壁になってるみたい…」「うちの子、左右の形が違う気がする…」などという声がよく聞かれます。 また、その対処方法についても、昔からいろいろなことが言われてきました。

「右向きに寝かせたり、左向きに寝かせたり、交互に変えると良い形になる」、「手で優しく撫でてあげれば大丈夫」、「枕を変えた方がいい」等々。 なかには「成長したらキレイになるから何もしなくても問題ない」といった意見もあります。

そんな、新米ママのちょっとした悩みのタネになっている赤ちゃんの頭の形ですが、形の良し悪しもさることながら、もっと深刻な問題につながっていることをご存知でしょうか。それは、「頭の形は、歯並びに大きな影響を与える」という事実です。

1. 顎、顔、頭の発育が、歯並びを左右する

ここで、「なぜ悪い歯並びが起きてしまうのか」ということについてご説明をしましょう。 ちょっと想像していただきたいのですが、まず一つひとつの「歯」を「積み木」と考えてください。

そして、歯が生えてくる「顎」を、積み木を片付ける「箱」とします。ここに積み木を片付けてみます。

「箱」が大きければ「積み木」はその中へ無理なくキレイに片付けることができます。でも、「箱」に充分なゆとりがなければどうなるでしょうか。「箱」に入りきらない積み木は、外に出っ張ってしまいます。

もし箱の中に無理に入れようとすると、「箱」や他の「積み木」を圧迫し、歪めたり、傷つけたりすることになってしまいます。 もうお分かりかと思いますが、「歯」を入れる箱である「顎」が小さい、つまり必要な大きさや形に発育していないと、歯並びに影響が出てくるということなのです。

もちろん顎の発育だけを促せば良いということではありません。 大切なことは、歯並びは、顎を含めた顔や頭部の成長・発育と密接な関係があるという事実です。

だから、頭の形は、歯並びにとっても重要なのです。 赤ちゃんの頭の形が歪むことを、専門的には頭蓋変形と呼びます。その原因は大きく分けて2つあります。

一つは、病気などによって起こるもの。もう一つは、特別な疾患が無いのに、寝方や何かしらの外圧などで起こるものです。

いわゆる「赤ちゃんの頭の形の悩み」というのは、主に後者によるものと思われますが、「位置的頭蓋変形症」と呼ばれています。(もちろん、頭の形の問題には疾患による可能性もありますので、必要に応じて医師にご相談ください) また、形のお悩みには、一般的に次のような傾向があります。


A.左右が対象ではなく、ゆがんでいる
専門的には「斜頭症」と呼ばれます。生後間もない赤ちゃんの頭蓋骨はまだ柔らかく、そこに、連続的な圧力、または局所的な圧力がかかることによって変形を来すものです。頭蓋骨が左右非対称になるため、目の位置や耳の位置といった顔のバランスにも大きく影響します。

B.後頭部が平らになっている
いわゆる「絶壁頭」と呼ばれる症状です。頭頂部から見ると、左右が広く、前後が短い形状をしており、「短頭症」と呼ばれます。

C.長く、狭まった形をしている
絶壁頭とは異なり、頭頂部から見ると、左右が短く、前後が長い形状をしており、「長頭症」と呼ばれます。


2. 赤ちゃんの頭の形と未来の歯並びを守る2つポイント

赤ちゃんの頭の形をこのような変形から守り、顔や顎、そして歯並びの健やかな成長を促すためにすべきことがいくつかあります。


(1)寝るときの体勢にクセをつけないこと

生まれてきた赤ちゃんの頭の形状には、遺伝的な個性があります。 しかし、特別な疾患がない限り、最初から絶壁だったり、ゆがんでいたりする赤ちゃんはいません。頭の形に影響を与える多くの理由は、誕生から数ヶ月の間の寝かせ方にあると言われます。

ずっと同じ体勢で寝かせていると、頭も同じ場所だけが圧迫されるため頭の形状に影響を及ぼします。例えば絶壁頭などは、固い枕を使用した状態で仰向けで同じ体勢で寝続けることによって起こると言われます。

だから、極力同じ寝姿を取らせないように気をつけることが大切といえます。

寝ているときだけではありません。目を覚ましている時、ベビーベッドからキッチンで料理をしているママを見ている赤ちゃんがいます。こんなときは、時々ベッドを逆向きにしてあげると、ママを見る方向がいつもとは反対側になるため、同じ寝姿を続けないことにつながります。

寝る向きのクセをつけさせないために、バスタオルを巻いたものを背中に置いて、顔の向きをコントロールしてあげることも有効です。

(2)正しい「抱っこ」をしてあげる

赤ちゃんが目を覚ましている時は、眠っている時と別の方法で、頭の形を守ります。 そのために大切なことが「抱っこ」です。

抱っことは言っても、抱きしめるのではなく、乗せるイメージです。

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※『かわべ式 子育てスイッチ』スイッチ6より 

生後3ヶ月間は、人間の成長のうえで最も大事な時期であると言っても過言ではありません。

頭の形状や顔の形状に大きな影響を与えるのもこの時期です。成長してから、口がポカンと開いていたり、歯が出たり、目線が下がっているような子どもになったとしたら、その原因の多くが、この時期にどのような抱っこをされていたのか、どのような姿勢で過ごしていたかにあるのです。

言うまでもなく、それは歯並びが悪くなることにもつながります。 正しい抱っこの基本は、必ず頭とおしりをしっかりと保護することです。抱っこ紐を付けるときも注意が必要です。

頭が大きく反ったり、お尻よりも膝が上にくるような体勢では、理想的な成長は望めません。

また、この時期の赤ちゃんは、今後の正しい成長に欠かすことのできない重要なトレーニングに取り組んでいます。

それは、正しい呼吸と嚥下を身につけること。鼻でしっかり呼吸し、口で正しく飲み下すことができるようになることです。これができないと、口腔内の環境が悪化し、臭い、虫歯、歯周病、そして歯並びの悪さにも直結します。

抱っこして、おっぱいを与えるときも注意してください。しっかりと、唇を覆うようにし、 鼻でしか呼吸しにくいようにしてあげるのが理想的です。この時期は、成長に合わせて飲み込みの角度も少しずつ変わります。そのため、1ヶ月もすると抱き方が大きく変わってきます。抱き方の姿勢にも、少しの気遣いが必要です。

まとめ

赤ちゃんの頭の形って多くの方はあまり知られていません。

例えば、吸引分娩をしたお子さんは頭がひょうたんみたいな形になってしまうんですね。
それを補正しているのは看護師さんで、タオルを当ててあげて2日位すると綺麗な頭の形になってきます。
※かわべ式の枕づくりと枕用タオルがあります。

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それと同時にお母さんの抱き方、寝かせ方によっても頭の形が決まってくる訳です。

この頭の形っていうのは、三叉神経領域(目・鼻・口)の発育を妨げることにもなりますし、逆に言えば、良い形だと成長させることにもなりますので早期に頭の形を整えてあげることが大事だと思います。

出来れば生後すぐ、生まれて間もない骨が柔らかいうちに、頭の形は整えてあげるといいと思います。

「まだ乳歯も生えてないのに、歯並びのことなんて考え過ぎではないの?」 そう思われる方も多いかもしれません。

しかし、実際には、まだ胎児の頃から、母胎内では乳歯はもちろん、永久歯の芽もすでに作られているのをご存知でしょうか。子どもたちの未来を担う歯は、生まれたときから、もうすでにその出番を待ち受けているのです。

この歯が美しく理想的な形で生えてくるためには、それをゆったりと受け入れ、しっかりと支えてくれる顎や身体が何よりも大切になります。

赤ちゃんの頭の形を気にされたとき、形や見た目だけではなく、将来の成長にも大きな影響や可能性をもたらすことを、いま一度お考えになっていただきたいのです。

ー未来歯科 子供の歯のブログより引用・改編



未来歯科 川邉研次

川邉先生 250

1953年、愛知県半田市生まれ。歯科医師として、噛み合わせ治療や顎関節治療において、歯を削ることや抜くことに疑問を感じる。自身の交通事故による顎関節症で整体に通うなかで姿勢に着目。その後、数々の試行錯誤の末、世界初の予防歯科システム「姿勢咬合によるメソッド」を開発。削る治療から削らない治療へ、そして薬の臭いの無い歯科医院を目指し活動する。現在は、口腔内にとどまらず、全身疾患の根本的原因を捉えるトレーニング、解決を図るためのセミナーを積極的に行っている。また、20年以上の長きに渡りホワイトニングの研究・セミナーを続けており、これまでに受講した歯科医師数は、のべ1,700名以上、1,500件以上の全国の歯科医院でその技術が導入されている。著書に、「知っておきたい「最新歯科医療」」、「「身長伸ばし」5分間ダイエット」、「かわべ式 願いをかなえるハッピーノート」、「手相を描けば幸せになれる!」など多数。累計約100万部。
2020年、これまで培ってきたメソッドをまとめた
『かわべ式 子育てスイッチ 
〜生まれた瞬間からグングン発達する88の秘訣〜』を上梓。


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