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『All Quiet on the Western Front』

レマルク作の小説、『Im Westen Nichts Neues』=「西部戦線異状なし」をベースに描かれたドイツ映画。すでにあちこちで数々の賞を受賞しているが、もうすぐ開催される95回目のアカデミー賞でも複数の部門でノミネートされている。

これはかなりシビアな戦争映画であるため、多少のショックを受ける準備ができている人にのみオススメ。反戦のメッセージがしっかり込められている。舞台は第一次世界大戦の仏独戦。ネタバレはしないけれど、若き兵士たちが互いを殺し合うという無意味さ、残酷さと、人間の愚かさが描かれており、戦争の非人間性がタイトルにも皮肉られている。

主役のパウル・ボイマー(Paul Bäumer)を演じたのはオーストリア出身の若き舞台俳優のフェリックス・カメラー(Felix Kammerer)で、これがスクリーンデビューだそうだ。

他には、無駄な犠牲者をこれ以上増やさぬよう頭を悩ませる
政治家のErzbergerの役はDaniel Brühl、

長く戦場を生き抜いている兵士、"Kat"こと Katczinskyは Albrecht Schuchが演じている。


地位や名声だけを気にして人間の命については無関心な人が司令を出す立場の人であるという、よくあるシナリオで「そんなに負けたくなかったらオマエ前線に行けよ」と(言葉悪くて失礼)思ってしまう。

音楽、映像、そして特殊メイクなどでも高い評価を得ていることにも納得の、印象に残る作品だった。完成度高し。監督はEdward Berger氏。


原作小説の作者のレマルクについてウィキのリンクを貼らせていただく。レマルク自身の2つの大戦に翻弄された驚愕の人生。そして本名に「Paul」も入っている。氏の書いたものはただのフィクションではないのだった。


観ている途中、カルチャークラブの『The War Song / 戦争のうた』がしばらく頭に流れていた。(ボーイ・ジョージの日本語でのフレーズは3分40秒くらい)
だって本当に戦争stupidなんだもの。

ちなみにこの映画には、こんなポップな音楽は全く合わないのでご了承下さい。それにしてもこの歌の動画も、British madnessの香りがする。

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